連載第14回「大阪インバウンド最前線」大阪の観光を牽引する「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」人気の秘密に迫る!

2018年11月19日 20:18更新

関西ウォーカー 横井哲也

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この連載は、大阪で激増するインバウンド(訪日外国人観光客)の最前線を人気施設や旅行・観光に詳しい業界関係者などキーパーソンに話を伺うインタビュー企画。最終回の第14回は合同会社ユー・エス・ジェイの中村知弘さんに、大阪のインバウンドの現状や、インバウンドが増えて変わったこと、今後の展望などを聞いた。

合同会社ユー・エス・ジェイの中村知弘さん

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―外国人観光客が増えたのはいつごろから?

ひとつの転換点となったのは、2014年の「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」のオープンです。外国の方自体も増えてはいたのですが、2014年度はさらにユニバーサル・スタジオ・ジャパンに遊びに来たいという方がグっと増えました。

――海外向けに告知を強化しましたか?

もともと私たちの取り組み自体を海外の旅行代理店を通じて案内していますが、ほかのアトラクションと比べても「ハリー・ポッター」というコンテンツが非常に強くて、今までと同じようなメッセージなのに、「ハリーの世界に自分も入れるんだ!」という強力なメッセージになりました。

――だいたいどこの国の方がどのくらい来られていますか?

来場者数の詳細は公表していないのですが、2017年はかなりの外国人のゲストをお招きすることができました。国別でいうと、基本的には東アジア地域が非常に強く、韓国、中国、台湾、香港という順番になります。2017年はパークに来られるゲスト全体の約7分の1は外国の方でした。

――「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」以降に、2017年までにできた新しいエリアやアトラクションはありますか?

2016年の「ザ・フライング・ダイナソー」、2018年夏には「ミニオン・パーク」が完成しました。特に海外の方に馴染みのあるものが、どんどん日本に来ているというのが現状ですね。

――宣伝戦略はどうされていますか?

実は、海外のチームも国内のチームもすごく省エネでやっていて、非常に投資効率がいいというのを自負しています。日本で見ていただくようなCMは海外では全く放映していませんし、雑誌の広告なども一切出稿していません。どちらかというと、訪日を検討している旅行者の方々にだけうまくリーチできるような手段を取っています。ブロガーやユーチューバ―です。いろいろなところを旅行されて自撮りしてアップして、何十万人もフォロワーがいる方もおりますので、我々はそういうKOL(キー・オピニオン・リーダー)の方々を海外から招待して、パークを体験してもらって、体験記録を書いてもらうというのを、積極的に行っています。

――そういう方たちはどうやって探しているのですか?

東アジア地域にスタッフがいて、ユーチューバ―やブロガーの情報を収集し、彼らのフォロワーが私たちのターゲットに合うのかなどをリサーチしています。その方たちが普段アップしているコンテンツを見比べながら、この人とこの人を招待しようと決めるんです。私たちは「メディア・トリップ」と呼んでいるのですが、2か月に1回くらいの頻度で、KOLの方々を1週間ぐらい集中的に招待して「このアトラクションに乗ったよ!」ということを伝えてもらっています。

――効果はありますか?

ダイレクトに何人かというのはわかりませんが、認知がどの程度上がったかという定量の数字は分かるので、そこから推し量ってこれくらいの効果があったのではないかというのを判断しています。以前は旅行会社などを通じてテレビCMをやったこともありましたが、それと比べた時に、非常に費用対効果がいいということがわかってきました。我々は“デジタルFIT”と呼んでいますが、個人旅行者(FIT)で、スマホで決済や情報を収集する20代~30代の方々がコアターゲットなので、SNSで露出をすれば、その方々のタッチポイントに触れるのではないかということで、このような戦略をとっています。

――外国の方はパークのどのようなところを楽しんでいますか?

外国の方には、まだまだ「ハリー・ポッター」の人気が高いですね。グッズを身に着けたり、バタービールを飲む方も多く、最近は「ハリー・ポッター」エリアに滞在している外国人比率が上がっています。あと、パークの中にはSNS映えする場所が多くあって、特に女性の方などは、写真を撮って「パークに来た!」ということをアップしているケースが多いです。面白いのは「ハリー・ポッター」では自分たちが存分に楽しんで、写真は「ミニオン・パーク」などの新しいスポットで撮影して、友達には「新しいところに行って来たよ!」って自慢してアップされる方が多いんです。パークの中での楽しみ方を使い分けされていますね。

――グッズやフード関係はどのようなものが人気がありますか?

おみやげは免税サービスを始めたので、免税に達するような金額になるようたくさん買っていただけるのですが、海外の方ってあんまり友達にはおみやげを買って帰らないんですよね。あくまでも自分用が多いので、「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」などと書かれているようなグッズが結構売れるんです。最近は、あえてカタカナで書いたようなTシャツがよく売れていますね。フードに関しては、ベジタリアン系のメニューを希望される方が増えて来ているので、その辺りも今後の課題ですね。

――外国の方に向けられたサービスはありますか?

【写真を見る】ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの外国の方に向けられたサービスとは?

今まではスタジオガイドを4ヶ国語に翻訳して配布していたのですが、この春からイベントやパレードのルートなども、多言語で伝えられるようにしています。また、迷子や落し物などに関する問い合わせを、ポンポンとタッチ式で押しながら会話できるタブレットをこの春から導入しました。ゲストサービスのところに置いていて、これまではゲストサービスに来られた外国の方に「どういった御用ですか?」と片言の英語で聴いていたのですが、タブレットだと、ゲストの求めていることが多言語でわかるので、とても便利になりました。

――今後の展望を教えてください

2020年のオリンピックの年に「スーパー・ニンテンドー・ワールド」が新たにオープンする予定です。スーパーマリオのコンテンツは世界でも非常に強いものがあるので、これを機にヨーロッパ方面にもアプローチしようと思っています。特に、フランスは日本のアニメやヲタク文化に精通している方が多くて、パリには入口にスーパーマリオのフィギュアがドーンと立っているゲームセンターもあります。アジアは十分に増えてきたので、日本の政府自体もこれからは欧米だと言って、どんどん集客を増やす方針だということなので、私たちもフランスやイギリスから、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンを楽しみに来てもらえたらなと、期待しています。「スーパー・ニンテンドー・ワールド」は、アメリカやシンガポールのパークには計画がないので、日本でしか楽しめない唯一無二のマリオの世界となります。それを機に、世界中の人たちにお越しいただけたらという大きな野望を持っています。

※本企画は、情報誌「関西ウォーカー」2018年8/28発売号の大阪インバウンド特集「YOUは何しに大阪へ?」との連動企画です。今回で「YOUは何しに大阪へ?」と連動したインタビューは最終回となります。

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