舞台「鉄コン筋クリート」出演! 三戸なつめさんにインタビュー

東京ウォーカー(全国版)

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絶対に自分がシロ役をやりたいと思った


「大人になってから読み返すと、最初に読んだ時には何も感じなかったシロの言葉が『あ、わかる』と共感できました」


 舞台「鉄コン筋クリート」でシロを演じる三戸なつめさん。原作の大ファンだという三戸さんに出演が決まった時の気持ちを聞いてみると。

「シロ役のお話をいただいた時、絶対に自分が(シロを)やりたいと思ったので、決まった時は今までで一番というくらいうれしかったです。ポスターなどのビジュアル撮影の時も、スタイリストさんが原作に忠実に作ってくれた衣裳を着て、アンテナが伸びるような時計を身に着けたら『シロになれた!』とテンションが上がりました(笑)」

 台本を読んだ感想は?

「原作を最初に読んだのは小学生の時でした。その時は『絵がかわいい』とか『シロが発する言葉がかわいい』とか、そういうアート的なところが好きでしたが、大人になってから読み返すと、最初に読んだ時には何も感じなかったシロの言葉が『あ、わかる』と共感できました。今回、台本を読ませてもらって、またちょっと違う視点から物語が見えたような気がしました。あまり愛に触れてこなかったシロとクロという子供2人が、どう生きていくのか、子供ならではというわけではありませんが、2人の葛藤がすごく見えました。クロは宝町が変わっていくことに対して嫌悪感を持っていて、拒絶していますが、シロはクロと幸せに過ごせるのなら宝町じゃなくてもいいと思っています。その気持ちの違いとかを考えると、胸が苦しくなります」

 三戸さんが感じた「シロ」の人物像を聞くと。

「めちゃくちゃ幼稚で子供っぽいけど、すごく母性があると思いました。優しいので、クロが知らないうちにシロに依存しちゃっている気持ちもわかります。そういう心の広さみたいな部分を大事に演じないといけないなと思いました」

【写真を見る】三戸なつめさん「今年から舞台をやり始めたばかりですが、自分がのっている時にお客さんに見られているというのが興奮するんです」


 クロを演じる若月佑美さんの印象を聞いてみた。

「最初は『乃木坂46の人だ!』という感じでした(笑)。でも、会って話をしてみると、いい意味で、アイドルっぽくないなと思いましたし、年齢の割に落ち着いていて、しゃべるトーンも低いのですごく入りやすかったです。若ちゃんも飾らずにいてくれるので、今はすっかりシロとクロという感じでお話ができていますし、私の方が年上ですけどクロ役の若ちゃんにずっと甘えまくってます(笑)」

 今年、3本の舞台(「エグ女」「TOP's & BOTTOM's」「THE PLAN9 芝居座 其の弐『共演、ダメ。ゼッタイ。』」)に出演した三戸さん。どんなところに舞台の魅力を感じているのかを尋ねると。

「今年から舞台をやり始めたばかりですが、自分がのっている時にお客さんに見られているというのが興奮するんです。『楽しい!見て!』って(笑)。ただ、一人で舞い上がってしまうことがあるので、ちゃんとお客さんの反応を見たり、場の空気を読んだりして演じようとは思っています。セリフに関しては、パーっと紙に書きながら覚えます。家ではなかなか集中して覚えられないので、カラオケボックスに行って、歌わずに台本を読んで覚えたりしました」

 本作の見どころは?

「シロに関しては、落ち着きがなくてずっとちょこまか動いているので、そういう動きや表情にも注目してもらいたいですね。シロってかわいいんですけど、原作ではヘンテコな表情をするところもあるので、それも忠実に再現したいなと思っています(笑)。心の変化も大きくて、楽しいことを見つけたらそっちに行っちゃったり、クロのダークな部分を感じてズン!と落ち込んじゃったり。そういう部分もうまく表現できればいいなと思っています。作品自体の見どころは、セットが高いビルだったり、子供の城だったり、原作の世界観がかなり忠実に再現されているので、そういうところもたっぷりと味わっていただきたいなと思っています」

撮影=恵原祐二 取材・文=田中隆信

舞台「鉄コン筋クリート」11/18㊐~25㊐ 天王洲 銀河劇場にて上演

舞台「鉄コン筋クリート」11/18㊐~25㊐ 天王洲 銀河劇場にて上演©松本大洋/小学館 ©2018舞台「鉄コン筋クリート」製作委員会


舞台「鉄コン筋クリート」©松本大洋/小学館 ©2018舞台「鉄コン筋クリート」製作委員会


1993年から1994年にかけて「週刊ビッグコミックスピリッツ」で連載された松本大洋の同名コミックを、若月佑美(乃木坂46)と三戸なつめで初の単独舞台化。懐かしさと危険な空気が混在する宝町。そこに暮らす少年、シロとクロは親を持たず、暴力によって生活費を稼いでいた。ある日、宝町に「子供の城」というレジャー施設が誕生したが、それは海外のギャングによる計画で、街の支配を意味していた。

STAFF&CAST 原作=松本大洋(「鉄コン筋クリート」) 演出=松崎史也 脚本=畑雅文 出演=若月佑美(乃木坂46)、三戸なつめ、谷口賢志、我善導、船木政秀、橘輝、加藤靖久、新田健太、コング桑田、玉置玲央、山下征志、書川勇輝、新原美波、齋藤久美子、木原実優、花王おさむ、窪塚俊介、中西良太

ウォーカープラス/週刊東京ウォーカー+編集長 野木原晃一

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