意外と個性豊か!? 水族館スタッフに聞いた「推しペンギン」の探し方

東京ウォーカー(全国版)

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言わずと知れた水族館や動物園の人気者・ペンギン。姿形のかわいらしさやなんとも癒される仕草が多くの人を魅了している。そんなペンギンの魅力をもっと深く知りたい人は、自分だけの「推しペン」を探してみるのはどうだろう?

東京・墨田区の すみだ水族館 と京都市下京区の京都水族館の両館では、10月1日(月)から11月18日(日)まで「LOVE推しペン超選挙」が開催中だ。このイベントは、それぞれの水族館に暮らすペンギン一羽一羽の個性に着目し、お気に入りのペンギンを見つけて投票するという企画。見事“センターペンギン”に選ばれた一羽は、メインボーカルでの楽曲リリースやグッズ化などが予定されている。

すみだ水族館と京都水族館で「LOVE推しペン超選挙」が開催


「LOVE推しペン超選挙」特設サイトやインスタグラムでは、選挙にエントリーした各羽の個性を紹介している。だが、イチオシのペンギンはやはり自分の目で探し出したいもの。そこで今回は、 すみだ水族館 の飼育スタッフにペンギンの特徴が現れるポイントや、個性豊かなペンギンについて教えてもらった。

スタッフを見つけると遊びをせがむ「たいこ」画像提供:すみだ水族館


外見編:見分けるのは難しいが、独自のチャームポイントを持つ個体も


すみだ水族館 に暮らしているのはマゼランペンギンという種だ。体長65~70㎝、体重3.5キロ程度で、南アメリカの南北に広域に渡って分布。北に生息している個体群は温暖な気候で、南極に近いフォークランド諸島周辺の個体群は寒冷の気候と、同じ種でも異なった環境で暮らしている。 すみだ水族館 では現在58羽のマゼランペンギンが暮らしており、そのうち14羽は すみだ水族館 で生まれた“江戸っ子”ペンギンだ。

マゼランペンギンの外見上の特徴は、胸に2本の黒いラインがあるところ。オスとメスでの模様の違いはない。そのラインが見分ける特徴になる……と思いきや、「見た目で判断するのは難しい」との回答が。それでもヒントとなるポイントはあるようだ。

「お腹にある黒の斑点はそれぞれ異なるので、個体が識別できる材料になります。またオスとメスの区別もなかなか見分けられないですが、オスはメスよりも大きくなる傾向があり、頭の大きさやくちばしも立派になります」

見た目で見極めるのは熟練の観察眼が必要になりそうだが、中には自分だけのチャームポイントを持っているペンギンもいるという。

【写真を見る】フリッパーに入った日本刀の刃紋のような白いラインが特徴の「きりこ」画像提供:すみだ水族館


すみだ水族館 のペンギンの中では、フリッパー(翼)に日本刀の刃紋のような白いラインが入っているきりこや、お腹に黒の斑点が無数にあるススキなどが特徴的な部分を持っています」

ペンギン初心者は、まずは他のペンギンにはない目印を持つ個体を探して観察するといいかもしれない。

性格編:千差万別!意外な行動を要チェック


それでは内面はどうだろう。マゼランペンギンはフンボルトペンギン属に属し、フンボルトペンギンやケープペンギンなど同属の中では温和な性格だ。

だが、実際は個体によってその性格は様々。「存在感があまりないペンギンや、特定の飼育スタッフに対して好き嫌いのあるペンギン、遊ぶことが大好きなペンギンや、水が大好きなペンギン、寝相が悪いペンギンなど個体によってさまざまな特性があります」という。

ゴハンである魚も好き嫌いがあり、アジとイワシで明確に反応が違うペンギンや、キビナゴは食べないペンギンなどがいるとのこと。 すみだ水族館 では特にイワシ好きのペンギンが多いようで、独自に「アンチョビーズ」と命名している。

とにかくイワシが好きだという「ふうりん」(写真中央)画像提供:すみだ水族館


すみだ水族館 のペンギンで、じっとしていることが多いのは『わらび』や『ちゃんこ』、飼育スタッフが大好きなのは『たいこ』、人を威嚇する癖がある『まつり』、ちょっと控えめだけれど遊んでほしい『はっぴ』、テンションが上がるとイルカジャンプをする『ふうりん』、旦那さんがいるのに他のオスに寄っていく小悪魔的な『フジ』、不思議な動きをすることが多い『イチゴ』など、行動が特徴的なペンギンはたくさんいます」

ちなみに、ペンギンの感情が現れやすいポイントは目とフリッパー。うれしい時は目をほそめ、怒っている時は目がつりあがり、悲しい時は目を閉じる、というように、その表現もどこか人間に似ている。また、フリッパーを激しくパタパタさせるのは愛情表現のあらわれなのだという。

シーン編:ゴハンの時間は大盛り上がり、夕方からはカップルの時間?


すみだ水族館 の営業時間は9時から21時まで。ペンギンに会いに行くタイミングでも、やはり違いは出てくるとのこと。

「ゴハンの時間になると、いつもより攻撃的になる個体や他のペンギンにひるんでしまう個体など、さまざまな個性が出てきます。また、ほとんどのペンギンはゴハンの時間の20分くらい前になると群れになって泳ぎます。ちなみに、ゴハンの時間が終わり『ごちそうさま!』のハンドサインを出すと一斉にいなくなります」。好き嫌いがあっても食事の嫌いなペンギンはいないようだ。

すみだ水族館のベテランカップル、カリンとカクテル画像提供:すみだ水族館


さらに、朝や夜はペンギンのカップル同士で寄り添って陸場にて休んでいることが多いのだそう。ペンギンのカップルは仲が良く、ぴったり寄り添って眠ったり、クチバシを合わせたりしてスキンシップを取ることが多く見られる。クチバシで羽を整える羽づくろいをお互いにすることもあるという。

中でもペンギンカップルを見つける絶好の時間帯は17時ごろ以降。「1日の最後のゴハンの時間が終わった後、ペンギンカップルはそれぞれのお気に入りの場所に帰っていきます。夕方以降のペンギンプールの岩の上にはペンギンカップルがいっぱいいますよ」

長い付き合いだから見えてくるものも


「LOVE推しペン超選挙」特設サイトでは、そんなペンギンたちの人間関係ならぬ“ペンギン関係”をまとめた相関図が公開中。ペンギン担当飼育スタッフ全員の声から作成し、それぞれの性格や恋愛遍歴(!)まで網羅した、拡大表示必須の力作だ。

「今できている図よりも、もともと情報が多く、A4サイズで印刷してみたら、細かすぎて全く見えませんでした。関係性を省略したり、ペンギンたちの行動に基づく表現を、一般の方にもわかりやすい、心に入りやすい言葉に変換することが難しかったです」

飼育スタッフの声から生まれたすみだペンギンの相関図。拡大必須なので詳細はイベント特設サイトでチェックを


長い付き合いだからこそ見えてくるものもある。じっくりと観察するのはもちろん、飼育スタッフに気になるペンギンの個性を気軽に聞いてみるのもいいだろう。

LOVE推しペン超選挙は、推しペンのインスタグラムをフォローするか、水族館館内での投票で競われる。結果発表は11月21日(木)の予定だ。

イベントは終わっても推しペンとの関係はずっと長く続いていく。時間を重ねるごとに新たな魅力を発見できることだろう。この機会に、ペンギンの奥深さにぜひ触れてみてほしい!

国分洋平

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