横浜DeNAベイスターズ、絶対的守護神・山﨑康晃×新人2ケタ左腕・東克樹。2018年“投”のMVP2人が対談!
横浜ウォーカー

プロ4年目。プロ野球史上最速で通算100セーブを挙げ、セーブ王にも輝いた山﨑選手。そして新人ながらチーム最多の11勝を挙げ、先発の柱として活躍した東克樹選手。チーム投手陣の中でMVP級の働きをした2選手に話を聞きました。
まずはお互いの第一印象を聞いてみました
――それぞれの第一印象を教えてください
東 ヤスさんと初めてお会いしたのは、春のキャンプ初日。ミーティングの時に「よろしくお願いします」ってあいさつをさせていただきました。第一印象ですか? うーん、テレビで見ていたイメージと同じでした。
山﨑 こういう時は、嘘でもいいから「カッコいい」とか言っておくんだよ(笑)。
東 ああ、でも確かにそうです! 言われたから言うわけじゃないですけれど、“カッコいい”という言葉がぴったりです。
山﨑 東はドラフト指名された時から気になっていて、動画などもチェックしていました。小さい体ながらいい球を投げていて、すごい投手が入ってくるなって。キャンプでも前評判どおりで、そのままローテーションに入って、今シーズンの活躍も申し分なくて。その活躍には、ただただ見惚れるばかりで…。
東 も、もう充分です! 勘弁してください(笑)

「ヤスさんはONとOFFがしっかりしている」(東)
――プロ入りしてから山﨑選手の印象は変わりましたか?
東 ONとOFFがしっかりしている方だなと思いました。仕事とプライベートの差だけではなくて、野球をしている時でも練習と試合では全然違う。練習の時や試合前のロッカーでは、わりとリラックスした雰囲気を出してくれるんです。柔らかいというか、ふんわりした感じで、僕らにも優しく話しかけてくれる。なので僕らも、ほどよい緊張感は保ちつつも委縮することなく練習できるんです。ところが試合になると一転。マウンドに立った時はまるで別人です。顔つきが全然違うんです。
山﨑 特に意識しているわけじゃないんですけど、でも若手の選手が委縮しちゃうような環境はよくないとは思っています。僕自身まだ4年目ですが、自分よりも若い選手がどんどん入ってきていますし、そういう人たちがなじめる環境は大事かなと思います。

「東はいろんなプレッシャーの中で本当に頑張った」(山﨑)
――山﨑さんから見て東さんってどんな選手ですか?
山﨑 いや、すごいですよ。新人王、決まったんだっけ?
東 いえ、11月下旬の発表だと思います。(※11/27、見事新人王に選出されました)
山﨑 受賞してほしいな。1年目からチームの中心ですから。今のチームは毎年のようにいい左ピッチャーが出てきているから、東のことも周囲は期待して見ていたと思うんです。その中で1年目とか関係なく活躍して、チームを引っ張って行った。いろんなプレッシャーの中で本当に頑張ったと思います。性格も明るくて、うちのチームにピッタリだしね。
東 自分がこういう風にいられるのも、先輩たちがやりやすい環境を作ってくれているからです。この間も先日ヤスさんから「1年間お疲れさま」というメッセージをいただいて。今までの野球人生で、先輩からそんな言葉をかけられたことがなかったので、すごくうれしかったです。
山﨑 シーズンが終わってようやくみんな落ち着いてきたころだったかな。1年間、目の前で東が本当に頑張っている姿を見ていたので、ひと言かけたいなって思っていた。実はマネージャーを経由してメッセージを送ったので、直接は言ってなかったよね。ではあらためてここで。「お疲れさま!」。

9月7日のヤクルト戦。試合後に筒香選手が山﨑選手にかけた言葉
――18年シーズンを振り返ってみて、どのような1年でしたか?
山﨑 よかった部分としては、夏場の苦しい時期を超えて1年間、クローザーとして過ごせたことです。今までにない成長だと思います。一方で抑えるのが当たり前の役割の中で、4敗してしまった。一つでも勝てていたらCSに行けたのかと思うと、本当に悔しいです。反省することも多いです。
――9月7日のヤクルト戦の試合終了直後、筒香さんから何か言われていましたが。
山﨑 あの日は4点リードでマウンドに上がったんです。ところが二塁打と四球2つでノーアウト満塁にしてしまい1失点。試合には勝ちましたが、筒香さんがすっと寄ってきて「背中が丸まっているように見える」って言われました。「あれだけの声援を受けながら、最後にマウンドに立つということは、その中心にいるということ。そのことを自覚して、胸を張って投げなさい」と。実際に映像を見直したんですが、指摘どおりでした。それから意識して胸を張るようにして、マウンドに上がるようにしたんです。9月に入って疲れが溜まっていた時期でしたが、それからですね。少しずつ結果が出てきたように思います。あの時にアドバイスをいただいてよかったと思います。

東選手が最も印象に残っている試合とは?
――東選手は1年間を振り返ってみていかがでしたか?
東 まずシーズンを通して、これだけ一軍で投げられたことはよかったです。大学時代などは、1年間野球の試合をするという経験がなかったので、そこが一番の不安でした。プロしては、大勢のファンの中で投げることに、想像以上の緊張感、責任感を感じました。
――印象に残っている試合はありますか?
東 9月の巨人戦で菅野さんと投げ合った試合ですね。勝てば3位、負ければ4位というCSの順位がかかった試合でした。僕の方が先にマウンドを降りてしまい、菅野さんは完封勝利。自分に勝敗はつかずチームもサヨナラ負けを喫しましたが、球界を代表する投手と投げ合えた。今シーズンの中で投げていて一番楽しかった試合です。
山﨑 スポーツ選手は、集中して感覚が研ぎ澄まされた状態を「ゾーンに入る」って言うけど、ただただ投げることが楽しい時って、確かにあるよね。でもあの試合でそう感じられるなんて、やっぱり東はすごいよ。

ファンへの熱い思い。来シーズンに向けて
――山崎さんの2年目は2勝5敗33セーブ。2年目のジンクスはなかったですよね?
山﨑 いやいや、ありましたよ。2年目が終わった時、数字だけを見ればいいシーズンだったと言われますが、実際は苦労しました。1年目の成績が基準になるので、周囲の目も厳しくなる。「1年目なのにすごい」という評価から、「このくらいはやってくれるだろう」に変わるんです。期待の分だけプレッシャーがかかる。しかも研究されるから昨年まで通用していたものが通用しなくなっている。プロってすごいなと本当に感じたのは2年目です。
東 僕はこの1年で、すでにプロとアマの違いを十分肌で感じました。一番感じたのは対応力。ずっと同じままではいつか必ず打たれてしまう。来年はヤスさんの言うように研究される分、こちらも変えていかないと。
――では、最後にファンに向けて
東 ファンの皆さんのおかげで、ハマスタで投げる時はとても気持ちよく投げることができています。そのことに感謝し、チームの勝利と、ファンの皆さんの声援に応えられるように、来シーズンも頑張ります。
山﨑 今シーズンもたくさんの方々に、スタジアムに足を運んで応援していただきました。結果は残念ながら4位。3年連続のCS進出とはなりませんでしたが、来シーズンこそAクラス、優勝に導いていけるように頑張ります。横浜に根付いて、横浜のファンの人たちと一つでも多く、勝利の喜びを分かち合えるように。そして最高の喜びの瞬間を横浜で迎えられるように頑張りますので、これからも応援よろしくお願いいたします。
■山﨑康晃(やまさき やすあき)[投手]背番号19
【2018年度成績】57試合 2勝4敗37セーブ 防御率2.72
1992年東京都生まれ。2014年ドラフト1位で入団。1年目から抑えに定着し、新人最多セーブ記録を更新し新人王に。今シーズンは4月10日に日本プロ野球史上最速で100セーブを達成。最終的に37セーブを挙げ、初のセーブ王に輝く。
■東 克樹(あずま かつき)[投手]背番号11
【2018年度成績】24試合 11勝5敗 防御率2.45
1995年三重県生まれ。2017年ドラフト1位で入団。デビュー2戦目となる4月12日の巨人戦でプロ初勝利。防御率2.45は菅野智之(巨人)に次ぐリーグ2位、11勝は同4位タイ。セ・パ合わせても18年の新人2ケタ勝利は東選手のみ。
【取材・文/小貫正貴 撮影/福岡諒祠】
※「横浜ウォーカー」冬号(発売中)では、本記事とは違った山﨑選手&東選手のインタビューや今ハマっているものなどを紹介しています。
編集部
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