週末は香港アート旅へ!築160年の刑務所がフォトジェニックな観光名所に

2018年12月3日 22:23更新

東京ウォーカー(全国版)

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香港屈指のオフィス街・セントラル(中環)の中心に静かに佇みつづけた、古き良き建築たち。そんな歴史ある施設が2018年夏から、「大館」という昔からの愛称で新たにオープン。部外者立ち入り禁止だった建物が、雰囲気が一転して今や最新スポットとして脚光を浴びている。

今や週末旅行の候補に入ってくるほど身近になった香港。そんな香港で今大注目の、建築を巡り、歴史を知り、アートに触れられるこの場所に行く前に、知っておきたい歴史背景や楽しみ方を紹介する。

「大館」とは?


1995年に法定古跡と認定され「中区警察署建築群」は、中区警察署、中央裁判所とビクトリア刑務所で構成されたワンストップの刑事司法機関。最古の建築はイギリスの植民統治初期の1841年に完成した、拘置所付きの裁判法廷だ。その後の160年、時代と需要と共に建物が増えたり変わったりして、この建築群のことを警察から一般民衆まで多くの人が「大館」と呼ぶように。ビクトリア刑務所が2006年に役目を終えてから12年、建築群の保存と活性化を目指し、「大館」という名は再び香港に響き渡ることとなった。

【写真を見る】ハリウッドロードから見た大館の外観。元中区警察署の玄関だ


16の歴史建築と2つの新築ビルを擁する構内は、1万3600平方メートルに及ぶ大きな空間。店や飲食店も入居し、地元の人がいつでも気軽に立ち寄れるように5つの出入り口を設置。観光に一番使いやすいのがヒルサイド・エスカレーターに直結する「歩道橋ゲート(Footbridge Gate)」だ。入ったすぐ目の前に広がる「パレードグランド(Parade Ground)」は、名前通り閲兵式で使われる広場だ。

パレードグランドにある「マンゴーの木」は、警察官がその果実を食べれば昇進につながるという話も。平日の昼にはお年寄りが樹下に座りおしゃべりする、地元の憩いの場


入場は無料だが、人数制限があるので行きたい場合は公式サイトで入場パスを予約するのがおすすめ。英語でのガイドツアーは火曜、木曜、土曜と日曜の午後に提供しており、公式アプリも英語や中国語での音声ガイドに対応している。

まずは建物が持つ歴史を振り返ってみる


建築を知るには、まず歴史を知るところから。各棟に点在する「歴史物語スペース」を訪れれば、ガイドなしでもその建物の経歴や豆知識がわかる。

ビジターセンターすぐそばの「歴史物語スペース」からスタートすれば、建築群の全体像がわかるMain Heritage Gallery, Heritage Storytelling Spaces at Block 03, Tai Kwun. Photo Courtesy of Tai Kwun.


香港初の警察本部となった「警察本部棟(Block01)」では、年代によって厳しくなる警察の入職条件や、1930年代の昼間パトロールルートなど、香港警察のあらゆる知識を紹介。「営房棟(兵営棟、Block03)」にあるものは、パネルやビデオ、マッピングモデルで建築群の歴史から、中区警察署が手掛かけた事件、実物の警察装備も紹介・展示されている。

営房棟(Block03)の「Operation Central」。銃や防具など警察の装備についても紹介Operation Central, Heritage Storytelling Spaces at Block 03, Tai Kwun. Photo Courtesy of Tai Kwun.


「大館里」という道を抜けると、1841年に建てられた香港初の刑務所・ビクトリア刑務所に出る。昔は存在してなかったこの道は、隣接しているが“別世界”だった警察署と刑務所をつないだもの。赤レンガが目印のビクトリア刑務所の中でも、最も警察署に距離が近く、重犯を預かっていた「B Hall」に入ることができる。

大館でも最も人気のある「B Hall」。18時までと、ほかの展示場よりオープン時間が短いので昼間に行っておきたい


独房が並んでいる監獄に入るのは、なかなかできない体験Life in Victoria Prison, Heritage Storytelling Spaces at Block 12, Tai Kwun. Photo Courtesy of Tai Kwun.


3人一室の作りは当時のまま残っており、さらに投影展示で牢獄での生活を再現。実際に使用された独房に入ることもでき、限られた空間での服役生活を体感できる。

独房の中では囚人の生活を投影展示で再現する


また、囚人の運動場である「プリズンヤード(Prison Yard)」は一見普通のオープンエリアだが、よく見ると高い壁はさまざまな材料で作られている。その理由は、刑務所は街中にあり住宅にも近く、あらゆる手段での脱獄が実行された。それを防ぐため、年々増築していくため建材もバラバラに。

昔からビクトリア刑務所は民家のすぐそばにあった。今や想像できない距離だ


増築され続けたプリズンヤードの壁には、刑務所の面影が残る


「プリズンヤード」の周りには、「入冊(刑務所入り)」の段取りを紹介する「F Hall」や、獄中での食事や育児室に関して展示されている「D Hall」など、ここでしか見られない香港の獄中事情を知ることができる。

F Hallでは刑務所入りの手順を紹介。囚人に支給される物品の展示も


香港文化から現代芸術まで巡る


歴史を語る古跡である「大館」が持つもうひとつの意外な肩書きは「美術館」。構内には展示スペースが多数あり、「警察本部棟(Block01)」にあるスタジオでは香港の歴史や文化に関する展示会を開催。また、「大館」は現代芸術やパフォーマンスアートも網羅し、その展示場所も「JC Cube」と「JC Contemporary」という作品にふさわしいモダンな新築の建物にある。

舞台を設置している「JC Cube」はダンスや音楽など、3か月に一度テーマが変わり、ステージパーフォマンスを楽しめる。「JC Contemporary」には「大館現代美術館(Tai Kwun Contemporary)」という香港では数少ない国際レベルの展示スペースが設けられ、現代アーティストの作品を中心に個展や企画展に使われている。

大館現代美術館(Tai Kwun Contemporary)では、世界中の現代アーティストの個展や企画展が開催される


2階には世界初の「現代アーティストブックライブラリー」があり、アジア圏を中心とした作品が集まっており、数量限定で入手困難なアーティストブックを手に取ることができる。

現代アーティストブックライブラリーでは、数量限定で入手困難なアーティストブックを手に取ることができる


アーティストのアイデアが凝縮されたアーティストブック。普段なかなか見られないコレクションを堪能できる


「JC Cube」の真横にある「ランドリーステップス(Laundry Steps)」は、囚人の洗濯場だったことから名付けられた場所だ。今は大きなスクリーンが設置された共有スペースで、定期的に映画の鑑賞会などが行われる。ほかにも構内のいたるところで曜日限定のイベントが開催され、ランチタイム限定の催しや、金曜の夜に行われる「Art After Hours」など盛りだくさんなので、訪れる前にはホームページでチェックしてほしい。

ランドリーステップスではランチタイム限定のイベントも行われ、オフィス街のためサラリーマンやOLの姿もLunchtime Series at Laundry Steps, Tai Kwun. Photo Courtesy of Tai Kwun.


「JC Contemporary」で開催される金曜イベント「Art After Hours」の様子Art After Hours: “Mood Indigo” screening at JC Contemporary, Tai Kwun. Photo Courtesy of Tai Kwun.


どこでもフォトジェニック!SNS映えスポット


修復などによって、18〜19世紀の建築群は今でも西洋風に中国建築の要素を加えた、植民時代の面影をそのままに残している。赤レンガや柱、アーチ窓のある廊下など、まさに絵の一部になったかのような気持ちを味わえるフォトジェニックな空間は、地元民からもSNS映えスポットとして人気。ビクトリア刑務所エリアには、囚人になった気分で写真を撮れるフォトスポットも!

赤レンガの壁はビクトリア刑務所の目印。今は写真の背景に最適


アーチの廊下は、存在そのものがフォジェニック


囚人になった気分で1枚。ここも人気のフォトスポット


限定小物で旅の記念やおみやげに


丸一日を費やしても見尽くせない「大館」。ひと休みしたいときは、構内の休憩エリアや、レストランとカフェを利用するのがおすすめ。花屋でのハープティー、カクテルを提供する中華レストランやフレンチビストロなど、落ち着いた時間を過ごせそう。

また、「パレードグランド」周辺を中心に、香港人デザイナーブランドや老舗テーラー、アート専門の本屋、雑貨のセレクトショップなど、いつものショッピングモールとはちょっと違う、洗練された店が並ぶ。そのなかでも旅の記念を何か探しているのであれば、「大館小店」がおすすめ。

大館小店の店内には、展示会にちなんだ記念商品も置いてある


「大館」の建物をモチーフにしたオリジナルグッズから、ブランドとのコラボレーションで生まれる品々を思い出に持ち帰りませんか?

大館の建物をアイコン化したピン(HK$60)は、シンプルで普段使いにも取り入れやすい


木で作られたパトカーは、子供も大喜び(パトカーのおもちゃHK$100、スカーフHK$65)


Candy Cheung

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