20周年を迎えたTHE BACK HORNが振り返る、インディーズ時代の秘話とは…

九州ウォーカー

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10月17月(水)にインディーズ時代の楽曲を改めてレコーディングしたアルバム「ALL INDIES THE BACK HORN」をリリースしたTHE BACK HORN。来福した山田将司(Vo)さんと菅波栄純さん(Gt)に、インディーズ時代の思い出や20周年ライブについて、いろいろと聞いてみた。

デビュー20周年を迎えたTHE BACK HORN


THE BACK HORN 山田将司(左)、菅波栄純(右)(C)KADOKAWA/Photo by 松尾 亜伊里


ーー福岡へは何度も来られていらっしゃいますが、お気に入りのお店や食べ物などはありますか?

菅波「以前食べたゴマサバがめっちゃおいしかったです。おれたちゴマサバ好きだよね」

山田「好きだね。でも年を取るごとに、食べ物も大人な感じになってきたよね。昔はラーメンとか餃子を食べたいって言ってたけど(笑)」

菅波「そうだね。次は大人の飲み屋がたくさんあるところに行きたいって話をしてて、なんてところだっけ?」

山田「春吉ね」

菅波「そうそう、次は春吉を攻めていきたいね」

インディーズ時代の思い出を語る(C)KADOKAWA/Photo by 松尾 亜伊里


インディーズ時代の思い出を語る(C)KADOKAWA/Photo by 松尾 亜伊里


ーーさて、10月17日(水)に発売されたアルバム「ALL INDIES THE BACK HORN」についてお伺いします。20周年を記念して、インディーズ時代の楽曲を改めてレコーディングしたアルバムを作ることになった、その背景をお聞かせください。

菅波「事情としては、まずインディーズ時代のCDが廃盤になっているというところです。でもライブではいつも演奏していたりするので、ファンの人もこういった作品を待ち望んでいる声も届いていたんですね。ライブで聴けるけど、音源で聴きたいという。自分たちもタイミングがきたらやりたいなって思っていたので、20周年という機会にこのアルバムを出しました。あと、インディーズ盤をレコーディングしたベーシストと現メンバーのベーシストが違うこともあり、今の4人で全曲撮り直したいっていうのがありましたね」

ーーアルバムの中で「何処へ行く」のミュージックビデオを作られていますね。

山田「20年くらい前に作った曲だけど、今の自分たちがプレイする姿を見せたい曲はどれかってなった時に、『何処へ行く』が一番フィット感があるんです」

菅波「なんかそれわかるな」

ーー歌詞の意味合いも、今の心境にマッチする部分があるのではないですか?

菅波「そうなんですよ。歌詞が、当時演奏していたときよりも、今演奏している時の方が気分的にはフィットしているというか。ただ前向きなわけではないんだけど、でも肯定していかなきゃ前に進めないみたいな部分とか。自分のことも周りのことも、ただ愛していくところからしか始まらないんじゃないかみたいな部分は、まさに今だよね」

ーーファンの方も思入れの深い曲ですよね。2017年に日比谷野外音楽堂で「何処へ行く」を演奏したとき、ファンの方の熱をすごく感じたそうですが、実際プレイされていてどんな雰囲気を感じましたか?

菅波「そうですね、今話していただいたように、みんなの熱を感じました」

山田「『何処へ行く』の次に当時の新曲『グローリア』をやったんですよね。THE BACK HORNとしては一番古いような曲と新曲が並んでも違和感なくやれているのは、すごいことだよねというのをみんなで話しました」

菅波「自分たちもそう思ったし、関係者のみなさんもそういう意見を言ってくれてましたね。“こういうことを言いたい”っていうのをはっきり固めてスタートしたバンドでもなかったし、今も試行錯誤しているバンドなのに、二曲を並べた時に一貫性が垣間見られたのは、自分たちでもびっくりしました。そういう意味でも大事な曲ですね」

インディーズ時代を振り返る菅波さん(C)KADOKAWA/Photo by 松尾 亜伊里


THE BACK HORN 山田将司さん(C)KADOKAWA/Photo by 松尾 亜伊里


ーーミュージックビデオも見応えのある内容ですね。

菅波「お客さんが周りで見ているんですけど、それが自分たちの試みとして新鮮でした。20年ずっと支えてくれている人達に見守られてあの曲を演奏をするという、思い出深い撮影になったよね」

「ひとり言」は体に刻み込まれた思い出の曲


ーーそんな思いもたくさん詰まったアルバムですが、あえて一曲、特に思い出深い曲を選ぶとしたらどの曲ですか?

菅波「俺、19か20歳の頃、(山田)将司と一緒に住んでたんですけど、その頃にできた曲が「ひとり言」っていう曲なんですね。サビの部分で『友達よ心を一つに』っていうフレーズがあって、しかも明るいコード進行なんですよ。当時自分たちは暗い曲が好きだったので、あそこはなんで明るくなるのかというのをみんなで話し合った記憶があります」

山田「あったっけそんなこと(笑)」

菅波「でも将司が、『いや、あれはああなるからいいと思うんだよね』とぼそっと言ったことで、あの形で完成したのを覚えてます。THE BACK HORNって、光と闇とか希望と絶望の二面性を両方表現する、みたいなことを言ってもらうことが多いんですけど、あの曲自体もそういった感じというか。明るい音使いのサビの部分で友達に語りかけるような歌詞になったかと思いきや、最後はやっぱりひとりぼっちじゃんていう歌詞で衝撃的に終わるんですね。明るいけど暗いというか、暗いけど力強いというか、それを一曲で表現できたのが『ひとり言』っていう曲でしたね」

THE BACK HORN 菅波栄純さん(C)KADOKAWA/Photo by 松尾 亜伊里


THE BACK HORN 山田将司さん(C)KADOKAWA/Photo by 松尾 亜伊里


ーー今までになかった曲の作り方だったわけですね。

菅波「当時俺たちにとっての新境地になった曲でしたね。で、歌詞が超ストレートになるっていうのも議題になっていて、急に“友達”っていうワードが出てきたりするのが、当時の俺たちになかった発想なので」

山田「『友達よ心を一つに僕のそばにいて』っていうね」

菅波「急にでてくるんですよ素朴な気持ちみないなのが(笑)」

山田「そう、心の叫びが出てくるんですよね。だから俺も、一曲を挙げるとしたらこの曲になっちゃうんだよね」

菅波「お、いいじゃん!」

山田「ライブだと、メンバーだけがめっちゃ盛り上がるんですよこの曲(笑)」

菅波「お客さんは盛り上がりようがないんだよね。リズムも三拍子だし(笑)」

山田「乗りづらいしね。でもステージ上だけカオスになってますね。今でも覚えてるんですけど、2002年に水戸でやったライブの時、この曲の最後で床をぶん殴ったことがありまして。『友達よ心を一つに僕のそばに』、で最後、『僕は一人じゃない 僕は一人じゃない 僕は一人じゃない このままじゃいけない』っていう絶叫で終わるんですけど、感情が高ぶりすぎて床を殴って、ボキッと骨を折った記憶があります(笑)。不器用ながらも人と繋がりたいけど恥かしい気持ちとか、人を疑ってしまう気持ちもあるけど、最終的には繋がりたいというリアルな人間としての気持ちを歌詞が代弁してくれて。そこで気持ちが乗ってたからメンバー4人だけがステージでカオスになるんですよね。さらに骨を折ったからより記憶に残りましたね(笑)」

菅波「体に刻み込まれたんだ(笑)」

山田「そうそう、だからたまに冬場になると痛みますもんね(笑)」

20周年ライブはファンと心を引き寄せ合う時間


THE BACK HORNの菅波栄純(左)、山田将司(右)(C)KADOKAWA/Photo by 松尾 亜伊里


ーーそんな体験も含めて、改めて曲を聴いてみたいと思います。現在20周年のツアー中ですが、どんなライブになっていますか?

山田「公演によってセットリストを8割9割くらい変えてるんですよね」

菅波「だから、ライブ自体は結構新鮮だよね」

山田「そう、毎回のライブがかなり新鮮。オールタイムベスト(『BEST THE BACK HORN II』)のアルバムを中心にお送りしているから、昔THE BACK HORNを聴いてたけど近年聴いてなかった人も来てくれたり、生まれた子供を連れてきたりと、昔からファンの方も来てくれていますね」

菅波「将司が言ったように、ライブでお客さんを前にして初めて、今回のツアーは俺らとお客さんとの距離がいつもより近いライブなんだっていうのを気づきましたね。今回は特に、ファンと心をお互いに引き寄せあっているような感じが、すごいあると思います」

ーーその気持ちを、今年はより感じた一年だったんですね。

菅波「それはあります。20周年ですからね」

山田「ワンマンだと、MCはゆっくりしゃべるし、ハートウォーミングな時間なんですけど、その後にどれだけガツガツいくような曲をやっても、お客さんがガツガツついてきくるんです。それが10年前とか15年前ではなかった光景だったし、どんなに激しい曲をやってもお客さんがリアクションしてついてきてくれるのは、やっぱりうれしいです。ファンと一緒に歩いてるんだなって感じですね」

ーーそのツアーも2月の日本武道館でラストを迎えますが、どんなライブになりそうですか?

菅波「今回で3度目の武道館なんですけど、過去2回以上にお客さんとの距離が近いライブができそうな気がしています。会場の大きさとか距離感をお互いにあまり感じずに、気づいたらライブに没頭しているくらい、すごい空間になる気がしています」

THE BACK HORN(C)KADOKAWA/Photo by 松尾 亜伊里


ーー最後にメッセージを!

菅波「今年は、作家の住野よるさんと一緒にやっている、小説と音楽のコラボプロジェクトが進行しています。そこで『ハナレバナレ』という曲をリリースして、その曲も今ツアーでやっています。すごいかっこいい曲なのでぜひ聴いていただきたいです。今後もそのプロジェクトは展開していくので、来年も気にしていただければと思います。もちろん、ツアーにも足を運んでもらいたいので、みなさんにお会いできるのを楽しみにしています」

山田「THE BACK HORNを20年続けてこれているんですが、名前を知らなかったという人もいると思うんですよね。20年、その瞬間瞬間で自分たちが実感したことや、他者と交わりながら感じたことを曲にして、人間としての生々しい感情を音にしてプレイしてきたので、ぜひ一度俺たちの音楽に触れてほしいです。綺麗事だけじゃない、人間が前に進んでいく力を、一緒に共有することができると思うので。気軽にでも、ぜひ一度俺たちTHE BACK HORNを聴いてみてください」

延期になっていた「THE BACK HORN 20th Anniversary『ALL TIME BESTワンマンツアー』〜KYO-MEI祭り〜」の福岡振替公演が2019年1月31日(木) に決定!20周年を経て、さらに進化し続けるTHE BACK HORNに会いに行こう。

森川和典

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