みつけだせ!僕らの最高のマネージャー!!「九州産業大学馬術部」
九州ウォーカー
選手を支えるキラリと光る“最高のマネージャー”を発掘する連載。今回は「九州産業大学馬術部」です。現在、部員が1年生2名、と少し寂しい馬術部。現在、マネージャーはいません。ただいま新入部員をどしどし募集中!高校時代には選手として、大会優勝も経験している白木琴弓(しらき・ことみ)さんに、その魅力をアピールしてもらいましょう!

馬とふれあう時間
訪れたのは宗像市にある乗馬クラブ『R.Sスマイルフィールド』(福岡県宗像市江口872-1) 。当日は、あいにくの雨でした...。「晴れてたら、もうとっくに馬に乗ってます!」と笑顔を見せる白木さんは週末にはこの場所で、厩舎の掃除、餌やり、水替え、といった馬の世話をしながら練習に励んでいます。「馬に乗る時間よりも、世話をする時間の方が長いんで。動物好きな人にはイイと思います!」

白木さんがこの日騎乗したのは『レッドキングダム』。白木さんは『レッキン』と呼んでいます。レッキンは9才のオス。馬術競技の場合は20才を過ぎて試合に出る馬もいるそうです。厩舎から洗い場に移動し、レッキンの大きな馬体をブラッシングする白木さん。ハミを装着し、鞍を置き...乗馬への準備が整っていきます。

白木さんもブーツを履き、ヘルメットを被り「今日、着替え持ってきてないんですよー」と雨中の乗馬に戸惑いながらも、馬場へ向かってくれました。

人間性が測られる!?馬術競技とは?
自らも現役選手であり、乗馬クラブを営む『R.Sスマイルフィールド』代表の仁田原志起(にたはら・しき)さんにお話をうかがいました。「馬術には男女の区別は無いんですよ。試合でも競技自体は一緒です。オリンピックも世界選手権も。もちろん女性のチャンピオンもいます」

また、年齢層も幅広く、60歳を過ぎてトップアスリートとしてオリンピックに出場する選手も大勢いるそうです。馬術競技においては騎乗する選手の体力よりも、馬にリズムやバランスを与え、適切に動いてもらう関係を築くことが求められます。年配者ならばその経験によって、女性ならば馬との信頼関係や正しい指示出しによって、体力面をカバーし、若い男性アスリートと互角以上の勝負ができるのです。

「人間が失敗しても馬が助けてくれることがいっぱいあります。やっぱり、馬を“モノ扱い”するような人は馬もわかりますから。技術っていうのは、ちゃんと習って練習していけば、みんなそれなりに上手くなっていきますけど、そこに人間性がついていかないとダメですね。彼女は馬への接し方も優しいですし、馬の気持ちを考えながらやれてますね」(仁田原さん)

九産大に“馬場”が欲しい!?
白木さんは山口県出身。中学1年の時に地元の乗馬クラブに入ります。「幼稚園に通う道に馬が放牧されていて乗馬への憧れはあったんです。そしたら近所に乗馬クラブが出来て、乗馬体験をしてみて。最初は怖かったですけど、一気にハマりました!最初、家族には“危ない”という理由で反対されましたけど、今は応援してくれてます」

馬術部のある熊本県立菊池農業高校に入学。高校2年生の時には全日本高校自馬選手権大会で優勝を飾りました。「一度、落馬して腰の骨をやってしまって、メッチャ痛かったですよ。でも馬のことは嫌いにはならないですね。高校の同級生の子も落馬した時に、馬に踏まれてドクターヘリで運ばれるくらいだったんですけど、今も大学で乗り続けてます」

バランスボールに乗ったり、上手い選手の映像を見てのトレーニングは出来ますが、やはり馬場に出て実際に乗馬しないと訓練にはならない馬術競技。「九産大に馬場を造って欲しい。馬を飼うトコと運動するスペースと。でも飼ったら毎朝5時とかに世話しに行かなきゃいけないけど(笑)」

選手として成長するために
仁田原さんから見た選手としての白木さんは...「今はまだ競技に対してのスキルも経験も足りないので、そういう部分を今年、1年生の間に下地を作って、来年ぐらいからちょっと高いクラスとかでも入賞していければ、と思いますね。競技にたくさん出ないと経験も積めないし、どの試合に出ても、自分と馬とのコンビがうまくいかないと、どちらかが良いだけでは当然ダメですし」

馬場に出て実際の練習が始まりました。姿勢を整え、バランスを取り、手綱を握る白木さん。レッドキングダムと対話をするように乗馬します。馬と人が一体となるスポーツである馬術競技。障害を飛び越える練習の際には、スタッフの方からアドバイスを受けながらチャレンジを繰り返していきます。

「まだ直さなきゃいけない所だらけですね。最初は馬を手で誘導する、って習うんですけど上手くなってきたら足だけで馬を誘導するんですよ。まだ、どうしても手を使ってしまう癖が抜けないので。脚力をつけなきゃ!ですね」

白木琴弓さんの『ここが最高!』

練習を終えて洗い場に戻ってきました。白木さんはレッドキングダムの汚れて冷えた体を洗い、温め、丁寧にブラッシングしていきます。今日のレッドキングダムはどうだったでしょうか?「いつも馬場では元気すぎるくらいで、ちょっとヤンチャな子なのかな。でも厩舎では大人しいんで、馬場で振り回されても、厩舎で可愛かったら許しちゃう(笑) 。馬が、今どんな感情なのかは大体わかりますよ」

自らの体も冷え切ってしまっているにも関わらず馬の気持ちを思いやり、真っ先にレッドキングダムのケアを行う白木さん。厩舎に戻った後もレッキンにずっと語りかけていました。そんな、白木さんの馬を想う気持ちが最高です!

とにかく新入部員、募集中です!

「馬って滅多に乗れないんで、いい機会だと思うし、動物好きの人は絶対入るべきだと思います。イチから世話の仕方とかも学べるんで。部活入ってきてもらえれば、優しく教えてあげるんで。みんな乗馬体験してもらえば、絶対楽しいと思うはずです!ただ、乗るだけじゃなくって馬は生き物なので、ちゃんと世話もしなきゃいけないんで、そこはしっかり出来る人。一緒に頑張りましょう!」

白木さんを中心に九州産業大学馬術部がより多くの部員たちで、より大きな成績をつかめるように!その未来に期待しましょう。

山本真己
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