【まったく新しいデパート案内】地味カジ中年男子が華やかに生まれ変わる!岩田屋三越が誇る紳士服の達人のスゴ技

2019年3月15日 10:00更新

九州ウォーカー 山本真己

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いつも行き慣れているデパートの知られざる秘密やサービスを掘り起こして紹介する「まったく新しいデパート案内」。第1回は岩田屋本店(福岡市中央区天神)にお邪魔し、買い物をサポートしてくれる「ストアアテンダントサービス」を直撃。岩田屋本店・福岡三越が行なっているこのサービスは、デパートで扱う各分野の商品に対して豊富な専門知識を持つスペシャリストが、買い物に同行し最適なアテンドをしてくれるというもの。膨大な品々を誇るデパートでの買い物の悩みを受け止めてもらいに行って来ました!

岩田屋本店 福岡三越 販売サービス担当 ストアアテンダントの植田幸弘さん

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パーティーに着ていく服がありません。何を買ったらいいかもわかりません!

仕事柄オシャレとは無縁に生きてきた41歳男性ライター。近々に迫った友人の立食形式の結婚披露パーティーに着ていく服がないのです。こんな時こそ頼りになるのが、このサービス。「ストアアテンダントサービス」は予約制で、買い物予定の3日前までに電話でアテンドして欲しい内容を伝えます。

ーー普段ジーパンとかカジュアルなものばっかり着ているので、華々しい会場に合うコーディネートをお願いできたら...

ストアアテンダント「かしこまりました。お客様は新郎様のお友達でいらっしゃるんですよね?」

ーーそうです。自分の切り札的な服として、これからメインで使っていきたいな、と。ただスーツほど堅苦しくなくて、普段地味なのでちょっと派手目にしたいんですが...。やっぱり全身の服のコーディネートの場合は10万以上はかかる感じですよね?

ストアアテンダント「あ、それはご予算に合わせて!」

ーーああ、そうなんですか!1,2万でもお願い出来るんでしょうか?

ストアアテンダント「ええ、なんとかそれに見合う形で、より近づけるように努力いたします」

ーーそうなんですね!今回はコツコツ貯めたので、全身丸ごと13万円くらいでお願い出来ればと...

ストアアテンダント「かしこまりました。少し華やかにした方がいいですね。ジャケットにニットなり、シャツなり全身を」

【写真を見る】待ち合わせに現れた記者。地味という以外の形容が見当たりません...

電話予約の際に細かい希望を伝えておけばストアアテンダントが準備を進めておいてくれます。アテンドの時間は約2時間が目安。このサービス自体の料金は無料です。予算に応じて柔軟に対応してくれます。今までファストファッションに頼り切って、晴れの席にふさわしいファッションへの意識など皆無だった男に似合うコーディネートは果たして完成するのでしょうか?禁酒の末に貯めた、なけなしの13万円を未来の自分へ投資します!

スニーカーにノーネクタイでお願いします!

待ち合わせ場所の岩田屋本店本館5階には、紳士服畑で35年を超えるキャリアをもつストアアテンダントの植田幸弘さんが待っていてくれました。さっそく売り場を移動しながらライターへ質問を投げかける植田さん。

何も分からないんで、おまかせしたいです...

「靴はなにをお履きになりますか?」

ーー普段はスニーカーばっかりなんで...

「でも、普段使いも出来る方がいいですよね?パーティーで1日着たあと、しまっておいては、もったいないですもんね。少し抑えたものも用意はしてるんですけど、今、初めてお会いして、もっと遊んでもいいのかな?という気がしてきたので」

初めての『LEON』を手にする41歳

ひと目見ただけでライターの“遊び人気質”を見抜いた植田さん、さすがです!売り場のテーブルには事前に植田さんが用意してくれていたジャケットが数着。まずはコーディネートのベースとなるジャケット選びからスタートです。事前の準備に加えて実際にお客様を見て、話をする中で、植田さんのイメージも膨らんでいきます。

「ネクタイはお締めになるご予定ですか?」

ーーいや、出来ればしたくないです

「ですよね。もっとスポーティーにお洒落に行っちゃっていいのかな、と」「例えば、事前のお電話では派手なモノ、っておっしゃってたんですけど、あえて、ちょっとこういうフォーマルっぽい黒いものとか」「こういう派手さもお似合いかな、と」

所狭しと売り場内を動き回りながら、次々と様々なタイプのジャケットを持ってきてくれる植田さん。自分で判断つかないと思ったライターは...

ーーあまり自分の好みになると偏っちゃうんで、植田さんがコレいいんじゃない?みたいなのがあれば...

「そこまでやっちゃって...。今までのスタイルとは全く違うモノになってしまわないかと...。かまいませんか?」

ーー全然、大丈夫です!

売り場内は植田さんの庭。さらなる提案が、次々と!

そうです。ライターに“今までのスタイル”なんてないんです、植田さん!間違いのない大船に乗った事を確認したライター。すっかり植田さんにおまかせです。スニーカーを履くことを前提に、カジュアル過ぎず、堅苦しくは無く、様々なパターンの提案を繰り出す植田さん。

「こちら少し大人っぽいニットジャケットなんですけど、柄的には英国調の“グレンチェック”でトレンドです」

ーーこのグレンチェックのジャケットいいですね!

「パーティーということを考えると晴れの席なので、パンツの色だけ少し明るくしていただいて。こちらに赤いパンツを合わせてもステキですし、シャツを着て、ノータイで。 赤いチーフを挿して、というのもカッコいいですよ」

ーーいいすね!その方向で!

服飾に関する事なら「お直し」も「飾りつけ」も全て好き、という植田さん

優柔不断なライターも納得の、怒涛の提案を見せてくれる植田さん。実は、今日のカジュアルなご自身のファッションは、事前にヒアリングした今回の相談内容に合わせているそうです。「今日は事前のお電話でうかがっていたように、結婚式に着ていく派手で面白い感じのジャケットスタイルをお探し、という事だったので。でしたら、私自身も遊び心のあるスタイルでお迎えした方が、リラックスしてお買い物いただけるかな?と。もちろん、キッチリしたスーツが欲しい!という方には、もっとちゃんと。カチッとしたスタイルでお迎えします。もちろん靴下も履いて(笑)」

今日は記者に合わせて「裸足に革靴」スタイルの植田さん

予算内でプラスアルファのおしゃれを

ベースとなるジャケットが決まれば、そこにシャツやパンツを合わせていきます。ジャケットの胸ポケットに挿すチーフを提案してくれた植田さん。“チーフを挿す”という概念そのものが皆無だったライター。

ジャケットにひとつ加える事で華やかさが増します

「パーティーの時は、チーフを挿したりするといいと思います」

ーー特にコレはNGみたいなのはありますか?

「タオルハンカチみたいなのはNGです。普通の綺麗なハンカチでいいですし、女性の方から、かわいいレースの物をお借りしても」

ーーレースとかも、アリなんですね?

「アリです。基本的にルールはないので、近頃は、洋服を『こう着なきゃいけない!』というのはタキシードとか、完全にフォーマルな時だけになってきました。それ以外の場合は、本当に好きに楽しく!ただ、相手の方のために装う気持ちを少しだけお持ちいただければ良いのかな、と思います」

ーーやっぱりパーティー的なシーンでジーンズはダメですよね?

「カジュアルなパーティーですよね?お友達同士が集まるような、気の置けない仲間が集まるような」

ーーちょっとお偉いさんも来るような気もします...

「もしジーンズを履くのであれば、足元だけはスニーカーでなくて革靴に。(ジーンズの)ダメージの有り無しも関係ないです。極端に言えばジャージでもOKです。かつての洋服のルールからいうと、絶対にあり得なかったんですけどね」

ジャケットにシャツにパンツ...無数の組み合わせの中から最適なコーディネートを作り出します

ファッションに無頓着なライターの質問にも的確に答えてくださる植田さん。全身のコーディネートに要した時間はここまで15分ほど。気になるお値段は?

「ちょっとシャツが高くなってるので、そこでご相談を頂戴すると...」改めて売り場を行き来し、シャツを選び直す植田さん。イメージに近く、かつ予算をおさえた品物を提案してくれました。「こういうチェックも面白いのかな?と。コレでお値段が三分の一くらいになりますので、余裕があれば『プラスワン』して...。“バラ”です!」

ーー薔薇!バラはどこに付けるんですか?この穴?

「“ブートニエール”と申しまして、ジャケットのフラワーホールに挿すんですよ。本来はカーネーションを挿すんですが、ジャケットのワンポイントとして今流行ってます。コレ色々あるんですよ。音楽がご趣味でしたらソレに合わせて。色んなタイプがありますよ」

とにかくネクタイだけはしたくないライター。植田さんはアクセントとして、ブートニエールと蝶ネクタイを提案してくれました。

薔薇モチーフのブートニエール

大人の遊び心がわかってきた41歳

ーーなんか七五三みたいや(笑)。コレ、やりすぎ感はそんなないですか?

「いくらやり過ぎても多分、視線はどうしても新婦さんの方に行くものです。やっぱり旦那さんのお友達って『その他大勢』になっちゃいますし、かといって白っぽいのは花嫁さんのために取っておきたいし、その中でも楽しい感じを出したいですもんね。コレで白いスニーカーでもいいですよね、あとはローファーみたいなモノでもイイですし」

ーー革靴1つしか持ってないんですけど“ポストマンシューズ”ていうのを...

「ああ、ポストマン。一番いいんですよ!色は黒ですよね?その分ちょっだけパンツを短くしてもらえば」

要望に応じて、さらに手持ちのアイテムとの組み合わせの提案までしてくれる植田さん。全身のコーディネートができ上がりました!もっとも高価なジャケットが7万3000円。パンツ・ニット・シャツ・蝶タイ・チーフに2700円のブートニエールまで。7つのアイテムで合計「12万円」。手持ちの靴を合わせる形で、相談通りの予算内で劇的に変身!ライターの感想は...「1つ結婚式が終わったみたいや(笑)」。どこに出しても恥ずかしくないコーディネートを植田さんに完成させてもらいました。

コーディネート完成。派手さの中にも大人っぽさを漂わせる仕上がりです!

キッチリ予算内、さすがです!

ネットでは得られないモノ

植田さんは大学時代のアルバイトから含めれば、服飾一筋、紳士服を扱って35年以上。ネットで服を買う事が当たり前になりつつある昨今の状況をどう捉えているのでしょうか?

アテンドの際に心掛けているのは「主語をお客様にする事」

「もう『商品知識』って無い、と思ってるんですよ。ネットで調べた方が早いじゃないですか?それこそ、ググっちゃえば。ですから、さきほどアテンドさせていただいた時も素材の話とかほとんどしてない、と思います。今はパソコンでなんでも買えますもんね。お客様にとっても圧倒的にパソコンの方が楽ですよね。対して『百貨店の強み』というのは、そこに“人が居る”っていう事だと思います。“人”しかないでしょうね。わざわざ、電話したり、訪ねたりする手間をかけてくださるお客様に全力で応えたい、と思っています」

長年の販売と接客で培われた知識で、植田さんの持つ人間力が生きてきます。ショッピングサイトのレコメンドでは伝わらない商品の魅力を、その見識で見極め、目の前のお客様に寄り添う言葉で届ける。百貨店の『紳士服』というジャンルにおいて、絶対の自信をもつ、ストアアテンダント・植田幸弘さんのサービスは「この人に任せておけば大丈夫」という安心感に溢れていました。

植田さんのプロフェッショナルな仕事振り、感服いたしました!

植田さんのアテンドは「とにかく楽しい」。様々な質問を投げかける中で、ひとつの質問に対し、瞬時にいくつもの答えを準備(形・素材・着こなし・値段等)してくる植田さんからは『おしゃれを楽しむ』という大きな宿題と解答をもらいました。

百貨店のもつ少し“お高い”イメージから勝手な思い込みで高い敷居を感じていた「ストアアテンダントサービス」。実際はこちらのわがままを丁寧に丸ごと受け止めてくれる懐の深いサービスでした。電話で予約し、待っていてくれるアテンダントさんと会い、会話しながら百貨店内を見歩くのはちょっと特別な時間。まるで岩田屋が、全部自分のためにあるような感覚になってしまいます。ネットショッピングでは決して味わえない、気軽な気持ちでスペシャルな時間が過ごせる「ストアアテンダントサービス」を一度体験してみてはいかがでしょうか。

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