みつけだせ!僕らの最高のマネージャー!!「福岡教育大学音楽堂(バンド愛好会)」
九州ウォーカー
選手を支えるキラリと光る“最高のマネージャー”を発掘する連載。今回は、バンド愛好サークル「音楽堂」に所属し副部長をつとめる2年生中本春佳(なかもと・はるか)さんと、先輩にあたる3年生安部由希子(あべ・ゆきこ)さんに、近付くライブに向けて大詰めの練習後に、お話をうかがいました。


ドラムス!安部由希子!
人影もまばらな土曜日のキャンパス内。学生会館の第3集会室に中本さんがギター、安部さんがドラムを担当するサカナクションのコピーバンド「ツバサクション」のメンバーが集まってきます。本家サカナクションと同じ楽器構成の2年生から4年生まで5人のメンバー。「1年生の時に4年生の先輩に誘われたりして、学年バラバラで組む事も多いです。当然上手だし先輩と組む事はモチベーションになります」(安部さん)

ほぼ毎月のように行われる学内ライブに合わせて、練習が行われます。音楽堂は総勢70人あまりの大所帯。部員たちが様々な組み合わせでバンドを組み、直近のライブでは、67バンドが日頃の練習の成果を披露しました。中本さんは5バンド、安部さんは8バンドに所属しています。「ドラムを演奏できる人が少ない時期があって。需要が凄かった時期が(笑) 。最近は増えてきたんですけど」(安部さん)

中学高校と吹奏楽部で打楽器を担当していた安部さん。大学でも楽器を続けたい気持ちはありましたが、実家生(実家から通っている学生)だったため、夜遅くまでの練習が課せられる部活動に参加する事にはためらいがありました。「だけど楽器は続けたい!っていう気持ちがあったので。自由に楽しく続けられる音楽堂に入ろうかな、って思いました。楽しく楽器をしたい!っていう気持ちが強かったので」(安部さん)

ギター!中本春佳!
楽器のセッティングを終えると1時間半にわたるバンド練のスタートです。『アルクアラウンド』『Aoi』『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』といったおなじみの曲が中本さんたちの手で再現されていきます。もちろんオリジナルの楽曲を意識しつつも、自分たちなりの演奏を高めていくために、手を止めて話合いがもたれる事もしばしば。

中本さんはギターに加えてコーラスも担当。なかなか納得がいかないようで、練習中も「私、声が子供っぽいから、ダサいんだよね」とこぼしていましたが、実は小学生の頃にはミュージカルへの出演を重ねていた中本さん。中学高校ではバドミントン部の活動が忙しかったため「大学生活では再び歌おう」と決めていました。

「最初は楽器はやる気なくて、歌唄いながら楽器を演奏するならギターかな、くらいの気持ちでギター始めたんですけど。でも、先輩たちから教えてもらうようになって、ギターの方が楽しくなって。今は歌の方が自信ないです(笑)」(中本さん)

運動系の部活動のように、目に見えた結果が成績という形で出ない分、仲間同士や先輩からの意見が参考になるそうです。「みんな楽器やってる人なので『ここが良かった!」』とか言ってくれる評価が的確です。1年生の時は周りがみんな上手く見えてたんですけど、今は自分の中でも意識的に練習ができていて、他の人の演奏を聞いても、いろんな観点から見られるようになりました。その辺は自分も成長したかな、と思える部分です」(中本さん)

「音作り」の楽しさ
練習中も「これ、どうやってるんだろうね?」と難しいフレーズに試行錯誤。個人の取り組みの先にある5人のアンサンブルを向上させていきます。「始めた頃は、とりあえず弾けるようになるのが楽しかったんですけど、今は“音作り”が楽しい。サカナクションをやり始めて音を意識するようになって、いろんな音があることを知りました。『これで音が変わる!』っていう発見があって。音作りに挑戦していて、同じような音が出来た時とか、そういうのが楽しい!と変わってきました」(中本さん)

「弾くので精一杯の頃は、ギターの生音みたいな感じで音程が聞こえるんですけど、上手くなってくると、本家のサカナクションの響きだったり、硬さや柔らかさを再現している音が鳴るので、“音作り”ができてる!って思えます」(安部さん)

「緊張感あるね。毎回取材に来てもらおうか(笑)」と笑い合う、5人のバンドメンバー。いつもとは違う、今日のバンド練が終了しました。
2人の『ここが最高!』

部長、副部長、会計、教室取り(バンド練のために教室を確保する)、企画(卒業旅行やキャンプなどライブ以外のイベントを計画する)といった役職を、2年生がつとめるのが音楽堂の決まり。現在2年生の中本さんは副部長としてライブの運営を任されています。月に1度ペースで行われるライブのために、各バンドの練習場所の確保・ステージの設営・音響や照明の準備・当日のタイムテーブルの調整など多くの仕事があります。

中本さんは学業、アルバイトそして音楽堂の活動を並行してこなしています。「バイトで『サークルのために休みます』と言う時、すっごい嫌なんですよ!ホントにやってることは大変なのに、サークルって言い方すると、遊びっぽく聞こえてしまうので。だからたまに『部活』って書いたりします(笑)」(中本さん)

「真面目なことを言うと、確かにサークルなので“楽しむ“ことが目的なんですけど、全ての人が自分勝手に楽しんでたらライブは成り立たない。楽しむ人が楽しむために、運営上で絶対しなきゃいけないことがいっぱいあるから。それを担ってくれている2年生の副部長や幹部は、それ以外の人が自由に楽しめるように、メチャクチャ頑張んなきゃいけないんです」(安部さん)

「めちゃめちゃ先輩にも手伝ってもらってます」(中本さん)
「みんなの為にしなきゃいけないことをこなしてる(中本さんのことは)、すごく信頼しています」(安部さん)
みんなが自由に楽しむために、汗をかく人がいて、それを理解した上でサポートする。そんな関係を築いている2人の強いつながりが最高です!

「楽しむ」ための「優しい」仲間たち
様々な人同士の組み合わせで、その人との組み合わせでしか出せない音を鳴らすバンド。音楽堂というサークルに居る人たちには共通して“優しさ”があるといいます。

「私、このサークルがホントに大好きで。それは、人がホントに優しい、みんな優しい!1年生なんて全然自信ないじゃないですか?でも、ライブで絶対盛り上げてくれるんですよ。同じバンドの時も『がんばろう、がんばろう』ってちゃんと目を見て励ましてくれるし、運営に関しても“普通に”教えてくれる。どの先輩も、聞いたら絶対嫌な顔しないです。優しく教えてくれます」(中本さん)


3月には、4年生の先輩たちを送り出す「卒業ライブ」と「卒業旅行」が控えています。「みんな楽しみにしてると思います!」(中本さん) 。卒業旅行は2年生が企画し、毎年行く先はシークレット。みんなの喜ぶ顔を見るために準備を進めています。全力で楽しむために、全力で責任を果たす。音楽堂での中本さんと安部さんの活動は続きます!
山本真己
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