ガンダムが”地域活性化コンテンツ”に プロ野球12球団コラボが話題

東京ウォーカー(全国版)

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ガンダム×プロ野球12球団コラボ キービジュアル(C)創通・サンライズ


誕生40周年を迎える、日本を代表するアニメ作品『機動戦士ガンダム』と、プロ野球12球団とのコラボが先ごろ発表され話題を呼んだ。球団カラーをあしらったオリジナルの限定ガンプラを今後販売する予定だ。従来のガンダムファンはもちろん、野球ファンにとっても盛り上がる話題であり、潜在ファンの獲得や野球業界の活性化としても価値のある取り組みといえるだろう。近年のガンダムは、コラボが活発化している一方でお台場のガンダム立像からはじまり、2020年に横浜市の山下ふ頭で「動くガンダム」のプロジェクトも進行中で、作品人気を生かした“地域活性化コンテンツ”となっている。そこで、改めて今回のプロ野球12球団とガンダムのコラボの価値を考えてみよう。

「タイガースは黄色すぎ!」プロ野球コラボにネットで“ガノタ”が沸く


【写真】黄色味がすごいタイガースVer.ほか球団コラボガンプラ一覧(C)HANSHIN Tigers


先日、ガンダムがプロ野球セ・パ両リーグ12球団とコラボしたガンプラ特別モデルが発表された。球団ユニフォームのキーカラーを初代ガンダムにあしらった球団オリジナルモデルはこれまでにないガンプラであり、そのユニークな取り組みにガノタ(ガンダムファン)が沸いた。

ベイスターズバージョン(C)YOKOHAMA DeNA BAYSTARS


編集部が独自にガンダムファンに12球団コラボガンプラの感想を聞いてみると次のような声があがった。「黄色いガンダムは希少。しかし、タイガースモデルは黄色味がすごい(笑)」(30代男性)、「ベイスターズはブルーディスティニーを思わせるカラーリング」(40代男性)、「バランスがいいのはドラゴンズかな」(40代男性)、「ホークスカラーがロールアウトモデルっぽくて好き。ライオンズはティターンズっぽくて渋い」(30代男性)、「ファイターズ、バファローズはテスト機っぽい玄人好みのカラー」(30代男性)

バファローズバージョン(C)ORIX Buffaloes


また、SNSやネットでも、「ライオンズモデルが一番かっこいい」「カープバージョンはジムにしか見えない」「地域活性化の面ではサッカー(Jリーグ)のほうが向いているのではないか」といったコメントも見受けられ、さまざまな意見でプロ野球12球団×ガンダムコラボが盛り上がりを見せた。

40周年記念でコラボ活性化、スポーツジャンルのプロ野球まで発展


近年、ガンダムは40周年記念のユニークな取り組みを多ジャンルで行っており、昨年はそれが顕著に表れていた。春先にはスティーブン・スピルバーグ監督の映画『レディ・プレイヤー1』にガンダムが登場して話題に。また俳優の新田真剣佑も出演した『パシフィック・リム アップライジング』でも最終決戦シーンで、ユニコーンガンダムの立像が登場。さらには、『機動戦士ガンダム』のハリウッド映画化も発表され、年末には有馬記念のポスターに登場した『有馬戦士ガンダム』も話題をさらった。40周年記念テーマソングはLUNA SEAのSUGIZOが作曲し、“新時代のガンダム”を銘打った新シリーズの映画も公開された。

まさに続々と40周年の新たな取り組みが活性化の最中であり、今回は新たにスポーツ振興に乗り出した。各地に根差す球団を応援する“地域活性化コンテンツ”として発展したともいえるだろう。

「ガンダムで町おこし」…“地域活性化コンテンツ”としてのガンダムの価値は「集客力」


ガンダム×プロ野球12球団コラボ発表会の様子


地域活性化コンテンツとしてのガンダムを振り返ってみよう。緑あふれる都市再生と魅力あふれるまちづくりをテーマにした『GREEN TOKYOガンダムプロジェクト』で、お台場・潮風公園にガンダム立像が登場したのが2009年7月。同年8月31日で終了するまでの期間中、公式発表では415万人を超える来場者があった。その後設置場所をダイバーシティのフェスティバル広場に移し、2012年から2017年まで展示されていた。(現在は、「RX-0 ユニコーンガンダム」の立像が設置)。今もお台場=ガンダム立像を目当てに足を運ぶ人も多い。

そして、昨年40周年記念「ガンダム GLOBAL CHALLENGE」プロジェクトでは、2020年に横浜・山下ふ頭で「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」というタイトルのもと、18メートルの動く実物大ガンダムを制作中。その記者発表では、横浜市長の林文子氏からのメッセージで、「創造的産業や映像文化発展に力を入れている“オール横浜”としてバックアップしていく」「横浜へ中国客を増やしたい」と、横浜市からガンダムのコンテンツ力とインバウンド需要への期待が明かされた。

また、お台場で展開した実物大ガンダム立像は、サンライズ宮河社長によると「300万人くらいはガンダムファンじゃない人たちだったのではないか」ともインタビューで明かしている。ガンダムのコンテンツを生み出しているサンライズでは、『ラブライブ!』『ラブライブ!サンシャイン』の舞台となった東京・秋葉原や静岡・沼津市の地域の魅力を発信した実績もある。オフィシャルHPでもその事例を紹介するなど、地域活性化への取り組みにも力を入れていることがわかる。

実際、お台場のガンプラ専門店『GUNDAM BASE TOKYO』ではアジア最大級の品ぞろえという規模もあり、外国人客も非常に多く“ガンダム”はインバウンド需要も高いことがうかがえる。このように、ガンダムは“地域”の集客において大きな成功事例を作っているのだ。

なぜプロ野球?地域性に富むJリーグにもガンダムコラボは生きる?


Caption


ガンプラは、航空会社のANAやセブンイレブン、日清のカップヌードルなど、フットワーク軽くさまざまな分野とコラボしてきた実績がある。今回のプロ野球の取り組みが成功すれば、サッカーで展開してもよいのでは…Jリーグ開幕を控える今、頭をよぎった人も多いのではないか。

日本野球機構の発表によると、プロ野球2018年の動員数はセ・パ公式戦約2550万人。試合数は858、一試合の平均は約3万人となる。対してJリーグは、2018年各ホームゲームの動員数合計は583万人。試合数は1節9試合×34節で、1試合の平均動員数は1.8万人となっている。動員数では圧倒的にプロ野球に軍配が上がるようだ。しかしながら、Jリーグは野球に比べるとクラブ数が多く、トップリーグの下位が入れ替わる新陳代謝がある。さらに、北は北海道から南は沖縄(2018年時点のJ3まで)と地域性に富んでいるといえる。地域活性化という点ではサッカーこそ、ガンダムコラボの“効果”を発揮できるのではないか。

サッカー関係者も熱望!専門家が語る新規ファン拡大の可能性


ジャイアンツバージョン(C)YOMIURI GIANTS


Jリーグで実現したらどのような反響を見込めるのだろうか。今季のJリーグ選手名鑑も発刊したばかりの、サッカーNo.1情報誌『サッカーダイジェスト』編集長・白鳥和洋氏に話を聞いた。

「2019年シーズンのJ1からJ3までのクラブ数は55(U-23の3チームは除く)。今季からヴァンラーレ八戸(青森県初のJリーグクラブ)も加わりました。それぞれのクラブ仕様のガンダムが完成しようものなら、それだけで感動するファン・サポーターもいるはずです。ちなみに、Jリーグが開幕した93年当時、社会人になりたての人たちはいわゆる“ガンダム世代”。かくいう私もそのひとりで、Jリーグとガンダムのコラボは夢のようなものですね。Jリーグが“国民的アニメ”ガンダムとコラボするようになれば、新規ファン獲得につながるのは間違いないです」(白鳥編集長)

また、別の見方もある。某サッカーメディア関係者によると。「Jリーグとのコラボは実現可能性は低いのではないか。Jリーグは会員・登録制のリーグで、同じ方向をむいたルールの中でやりましょうというスタイルです。チーム数が野球と比べて多すぎること、Jリーグはプロ野球よりも商標関係のルールが厳しいこと、クラブがやりたいと言ってもJリーグが許可を出さないと実現しない、などハードルはあります。しかし、Jリーグが話に乗れば…ない話ではないかもしれません」

カープバージョン(C)HIROSHIMA TOYO CARP


言い換えればJリーグでは球団での独自的活動は現状好まれていないということだ。だからこそ、ガンダムのような実績のある巨大コンテンツならば・・・とその可能性に期待は膨らむ。今回12球団とコラボしたのは「ファーストガンダム」。メインファンの世代としては高めの40代以上の世代だ。多彩なシリーズ展開のガンダムは、SDガンダムなど子供向けデザインのものも存在し、若年層に向けた展開も考えられる。ガンダムで地域活性化は大いなる可能性を秘めている。

マリーンズバージョン(C)C.L.M.


12球団コラボガンプラに話を戻そう。千葉ロッテマリーンズは、マリーンズオンラインストアにて2月11日から発売を開始した。1人1個購入可能で、なくなり次第終了とある。その他の球団の販売方法は現在明かされていないが、スポーツ振興、地域活性化としては、ぜひ球場で販売して、足を運んでもらい新規ファンを獲得してほしい。

加藤由盛

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