池袋駅のひと駅手前、椎名町駅で見つけたSNS映えスポット

東京ウォーカー

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早稲田大学 商学部嶋村ゼミ生と西武鉄道Walkerがコラボし、西武線沿線の魅力を紹介する同企画。第2弾では、池袋線椎名町駅をピックアップ。

池袋駅からひと駅ながら下町風情あふれる椎名町駅は、手塚治虫などが暮らしたアパート「トキワ荘」があったことからマンガ家ゆかりの地として知られている。近年ではこだわりのカフェやコーヒーショップなど、新しい店が続々誕生しており、学生の一人暮らしにも適した街として注目されている。

早稲田大学学生の田中桃子さん。「駅前に商店街があって便利な街ですね」


椎名町駅北口の線路沿いにはアーケードになったすずらん通り商店会がある(写真左)。すずらん通りを抜けた先には、商店街の椎名町サンロードがある(同右)


2018年12月某日、椎名町駅にやってきたのは早稲田大学学生の田中桃子さん。「池袋からひと駅なのに、とても落ち着く雰囲気ですね。ノスタルジックな雰囲気の店が多いからかな」と早くも親しみを覚えたよう。嶋村ゼミ内で同企画のために結成された池袋線チームの一員である田中さんは、「行ってみたい場所は事前に調べてきていますが、実際に地元の方々と触れ合って、街の魅力を伝えたいと思っています」と意気込みを語った。

SNSで気になっていたオシャレカフェ「椎名町カフェ」へ


北口から徒歩5分で、オリーブなどかわいらしいグリーンが店先に飾られた椎名町カフェに到着


出迎えてくれたのは、気さくな人柄で優しい笑顔が印象的なオーナーの中川理恵さん


「池袋線チームのみんなとSNSを見ていて、とてもかわいらしいお店だなと思ったので来てみたかったんです」と田中さん。お店の外観を前に「やっぱりカワイイ!」とテンションもアップ。

出迎えてくれたのはオーナーの中川理恵さん。結婚するまで椎名町で暮らしていたという中川さんは“いつかお店を持つなら人情味のある街がいい”と思っていたそうで、2014年に念願のカフェをオープンさせた。

ソファタイプの席が並ぶくつろぎの空間(写真左)。手作りのクッキーなども販売(同右)


椎名町カフェは、妊婦からお年寄りまで安心して食事が楽しめるよう、きび砂糖や菜種油、雑穀米など、たんぱく質が豊富な食材や調味料を使用したランチと、スイーツのメニューをそろえる。“自分が食べたいと思えるもの”をモットーに、新鮮な野菜をたっぷり取り入れた、見た目も華やかなランチが人気だ。

「天井にも木をふんだんに使っていて温かみがありますね」と話す田中さんに、中川さんは「実は店内に、私と夫と子供の手型があるんですよ (笑)」とニッコリ。

入口すぐの席の下には店主の家族の手型が(写真左)。中川さんが店舗をオープンする前の過程を記録した写真を見せてくれた(同右)


田中さんが店内を探してみると、入口すぐの床に手型を発見!「お子さんの手がかわいすぎる(笑)。家族の愛情が感じられてステキですね」(田中さん)。イタズラのつもりで手型をつけたという中川さん。そんな遊び心あふれる店内は、“来てくれた方がゆっくりと過ごしてくれる空間を作りたい”と、照明や床、テーブルの素材など細部にまでこだわりって作り上げられている。中川さんは、そんな思いを込めて作った過程を記録した、開店前の写真も見せてくれた。

ランチは週替わり。写真は「豚肉のアジアンいため」(税抜980円)。色鮮やかでSNS映えもバッチリ!


そうこうしている間に、田中さんがオーダーしたランチが登場。ランチは週替わりで、取材時に注文したのは「豚肉のアジアンいため」(税抜980円)。サラダにキャロット・ラペ、レンコンや厚揚げの煮物に、ナンプラーで炒めた豚肉、雑穀米、味噌汁とボリューム満点。

ニンジンが苦手という田中さん、キャロット・ラペをパクリ!


「どれも優しい味付けで、パクパクいけちゃいます(笑)。雑穀米なので、カロリーを気にせずに食べられてうれしい♪」と田中さん。ニンジンが苦手だと話していた彼女だが、「この味付けならおいしく食べられます!」と本人も驚いていた。

週替わりのランチプレートでは、車麩(くるまふ)を使ってカロリーを抑えた「車麩の唐揚げプレート」(税抜980円)など、体に優しいメニューが味わえる。プレート以外には、ルーは使わずスパイスで作った「きまぐれカレー」(税抜980円)、「お子様プレート」(税抜580円)などがそろう。

「さつまいもとりんごのチーズケーキ」(税抜420円※コーヒーor紅茶のデザートセットは税抜730円)。コーヒーは築地ライブコーヒーのオーガニックブレンドを使用


バターを一切使用せず、菜種油などを駆使して作るヘルシーなスイーツも人気で、田中さんは本日のデザートの中から「さつまいもとりんごのチーズケーキ」(税抜420円※コーヒーor紅茶のデザートセットは税抜730円)をオーダー。添えられているのは豆腐を使ったクリームだ。「サツマイモのなめらかな食感が絶妙。あとからリンゴの優しい甘みとチーズの香りが鼻を抜けていきます。これまでに食べたことのない味わいでおいしい!」と大絶賛。

田中さんは「体のことを考えて作られている料理は、どれも中川さんの思いが感じられる優しい味わいでした。器もステキなので、SNS映えも間違いなし♪またゆっくり訪れたいです」と話した。

リサーチで見つけた、グリーンの内装が印象的な「SANTOS COFFEE」


椎名町駅南口にある椎名町公園の前に建つ「SANTOS COFFEE」


店内に並ぶコーヒー豆の数々(写真左)。店内には店主の奥様が撮影したアート作品のような花の写真を展示(同右)


次に向かったのは、池袋線チームが街を歩いて見つけた「SANTOS COFFEE」。椎名町駅南口にある椎名町公園の前に佇む小さなコーヒー専門店で、自家焙煎したコーヒー豆も販売している。マスターは、豆が持つポテンシャルを最大限に引き出すために、その日の温度や湿度に合わせて調整しながら、まるで豆と対話するかのように時間をかけて丁寧に焙煎している。

オーナーが焙煎した豆の香りを嗅がせてくれた


焙煎した日から2日間寝かせた豆が一番おいしいと話すマスターは、焙煎当日の豆と熟成させた豆の香りを嗅がせてくれた。「わっ、ぜんぜん違う!熟成させたほうが、芳醇で優しい香りがします」と田中さん。焙煎の具合により味はもちろん、香りにも違いがあり、果実系や苦味を感じる香りなどさまざま。同店ではさらに熟成期間を設けることで、豆が持つ味わいと風味に深みを持たせている。マスターは「2日間寝かせたほうが、味わいが均一になり風味も豊かになるんですよ」と教えてくれた。

専用に焙煎した豆を使ったカフェラテを、丁寧に淹れていく


数あるメニューの中から、カフェラテをオーダーした田中さん。マスターは、ミルクに負けないエスプレッソの味を感じられるカフェラテを作るために、濃厚なエスプレッソが抽出できるカフェラテ専用の焙煎を行い、こだわりの一杯を作っている。

「カフェラテ」(450円)。すべてのメニューがテイクアウトOK


「こんなカフェラテは飲んだことがないです!」と新感覚の味わいを体験した田中さん


カフェラテをゆっくり味わった田中さんは「優しいマイルドな味わいの奥に、エスプレッソの苦味がしっかりと感じられます。ハートのラテアートもステキ」とニッコリ。その笑顔を見ただけで、おいしさが伝わってくるようだ。

デザートのように味わえる「エスプレッソ シェケラート」(430円)


続いてマスターが「デザートのようなコーヒーを飲んでみる?」と、オススメしてくれたのは急速冷却したエスプレッソにシロップを入れて撹拌(かくはん)させた「エスプレッソ シェケラート」(430円)。さっそく、口にした田中さんは「ふわふわの泡がすごくクリーミー!エスプレッソの苦味もありますが、ほんのり甘くてとってもおいしい」と感動しきり。

さらに驚くことに、同店では“エスプレッソを味わってほしい”という気持ちから、コーヒーメニューをオーダーすると、エスプレッソ、シェケラート、アフォガード(アイスクリームは持参)の3種が各160円で味わえる「エスプレッソセット」を設けている。

「コーヒーの奥深さを知ることができました。それに、カフェラテとシェケラートをオーダーすると、合計880円がセットでたったの610円になるなんて。おいしいコーヒーを味わってほしいという思いが伝わってくる、気持ちの良いお店でした」(田中さん)。

3店目は編集部オススメ!新しい出会いが見つかる「シーナと一平」


老舗のとんかつ店だった場所をリノベーションした「シーナと一平」。街で暮らす人々の記憶を繋いでいくために、以前のとんかつ店の看板を継承している


手書きで店名を記した入口のガラス窓(写真左)。店内にはカフェスペースも(同右)


とんかつ店の看板を掲げているのは、リノベーションによってゲストハウスへと変貌を遂げた「シーナと一平」。ここは、地域にある食事処や銭湯などを活用してもらいながら、街全体を宿として提案する“タウンステイ型”の宿泊施設だ。

2019年4月からは1階のキッチンと土間のオープンスペースを提供する「お菓子工房」がスタートする予定で、現在はプレオープン中となっている。平日1時間2000円、1日6000円、土日祝は1時間3000円、1日1万円で、お菓子をテーマにしたカフェや教室、マルシェなどとして利用することができる。

人とのつながりを大切にしたいと話す代表取締役の日神山晃一さん


キッチンではスタッフがお菓子を作る姿が。店内は香ばしい香りに包まれていた


取材で訪れた日は、世界中を旅するパティシエ・鈴木文さんによる、お菓子の店頭販売が行われていた。新しく始まる「お菓子工房」について、代表取締役の日神山晃一さんは「以前にも鈴木さんのお菓子を販売したことがあり、鈴木さんのお菓子が食べたいと言ってくださるお客様が増えたことや、同時にお菓子の作り方を学びたいという方もいたので、それならより多くの方に利用してもらえる空間を、という思いからスタートさせることになりました」と話す。

地域のコミュニティの拠点としてこれまでも多くの人々とのつながりを築いてきた「シーナと一平」。その場所が、“お菓子”を通じて新たな広がりを生み出していくというのは、なんとも心温まる物語だ。

パティシエの鈴木文さん。かわいらしい笑顔が印象的


店頭では、イベント開催時などを除き、毎日16時から20時に鈴木文さんによる“世界のおやつ”を販売。パティスリーやレストランでシェフパティシエとして活躍していた鈴木さんは、革新的で華やかなフランス菓子だけでなく、その国や地域でしか出会えない郷土菓子を学びたいと約1年間、世界を巡る旅に出た。現在は、そこで出会ったお菓子の数々を「お菓子工房」で作り、できたてを販売している。

レーズンが入った「オリーボーレン」(1個300円)


鈴木さんが作るおやつは、ストーリーを感じられるものばかり。例えば、オランダで冬のおやつとして愛されている「オリーボーレン」は、日本でいう揚げパンのようなもの。現地では冬になるとオリーボーレンを販売する屋台が登場し、地元の人はこのおやつを目にすると“冬が来た”と感じるのだとか。

コロンビアの焼菓子「トルタ・デ・アウヤマ」(写真左・1個400円)や、南アフリカのケーキ「マルヴァ・プディング」(同右・1個400円)が並ぶ


ほかにも、コロンビアのママが作る焼菓子の「トルタ・デ・アウヤマ」(400円)や、オランダやイギリスの影響を受けて定着した南アフリカのケーキ「マルヴァ・プディング」(400円)などがズラリ。

この日も途絶えることなくお客さんがやってきては、鈴木さんとの会話に花を咲かせていた。“買うだけ”、“味わうだけ”ではなく、会話を楽しんだり、教室に参加したり、教えたりと、プラスアルファの出会いを通して新しい自分を発見できる「シーナと一平」。レトロな外観やかわいらしいお菓子など、思わず写真に収めたくなる魅力的な空間で、新しい出会いを見つけてみては?

街歩きを終えた田中さんの感想は…?


散策を終え、「いろんな出会いがあって楽しかった」と田中さん


最後に、椎名町駅周辺を巡った田中さんの感想を聞いた。

田中さん「“SNS映え”というキーワードで巡りましたが、その奥にあるお店の方の思いに触れることができて、充実した時間を過ごせました。池袋からすぐなのに、下町っぽいよさがあり、人情味にあふれた街だなと実感しました。私も椎名町に住みたいな!」

2020年3月には、著名な漫画家たちが過ごしたアパート「トキワ荘」が復元される予定。今後ますます注目される椎名町を散策して、お気に入りの場所を見つけてみて。

CRAING

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