1泊5食で、行くぜ福島! 激戦区の旨いラーメンを食べ歩く旅・いわき編
東京ウォーカー(全国版)
ラーメン王国・福島の中で、近年レベルアップ著しいのがいわき市エリア。今回は1泊5食の想定で、タイプの異なる5店をピックアップ。名店の味を食べ比べる旅に出てみよう。〈■情報は発売中の「ラーメンWalker福島2019」より〉
地元食材を駆使するハイレベルな気鋭「創作麺 やま鳶」

まずは注目の気鋭店へ。「創作麺 やま鳶」(いわき市小島町1-8-4※移転予定あり・木曜日は塩専門「かわとんぼ」として営業) は、 東京を中心に800軒近いラーメン店を食べ歩いた店主が、17年夏にオープン。その旨さがラーメン好きの間でたちまち評判になった。看板メニューの「らぁ麺」(800円)は、丁寧に抽出した丸鶏に、魚介と大量のアサリ、そして地元産のトマトを含む野菜ダシという4層の“旨味のミルフィーユ”が、より複雑で奥行きのある味わいを実現した。ツルッとした喉越しの細麺によく絡む。豚肩ロースと鶏ムネ肉という、2種類の肉を使ったチャーシューも絶品だ。
鶏と豚の絶妙なる黄金比が見事「麺屋 さ近」

動物系の旨味を見事に生かす、新鋭の味も楽しみたい。「麺屋 さ近」(いわき市平上荒川字桜町48-3)は、鶏ガラと豚骨を均等の割合にした独特のコクがあるスープと、歯切れよい食感の自家製麺で話題。薄口を主体に濃口醤油をブレンドした醤油ダレのバランスも絶妙だ。「Tritonらーめん醤油味玉」(750円)は、まず鶏白湯の手法で作り、そこに豚骨スープを加えていく製法。あっさりした飲み口ながらクリーミーな口当たりはクセになる。トロッとした味玉をトッピング。ニンニク、オニオン、バジル、レモンと4種そろったフレーバーオイル各50円で味変も試したい。
確かな技術に裏打ちされた美しい一杯を「麺処 瓢たん。」

続いて、鮮烈なダブルスープが印象深い名店へ。「麺処 瓢たん。」(いわき市平下平窪2-1-3)は、 中華、フレンチなど20年近く料理人としてキャリアを積んだ店主の店。会津地鶏のガラ、丸鶏と国産銘柄鶏ガラ、豚骨などの動物系スープに、厳選した本枯節、サバ節、煮干しを使用した魚介ダシを合わせたダブルスープが特徴。国産小麦100%の麺も味わい深い。「淡麗中華そばぜいたく盛り」(950円)は、奥深い味わいの中華そばに、低温ローストした肩ロースや低温調理チャーシューをトッピング。弓削多(ゆげた)醤油の丸大豆醤油をメインに数種類の醤油を合わせたタレも格別。
港町の懐かし食堂で食べるシンプルな中華そば「チーナン食堂」

港町らしい雰囲気の中で食べる、シンプルな中華そばもいい。「チーナン食堂」(いわき市小名浜栄町66-30)は、昭和レトロな風情が魅力の食堂。「ラーメン」(600円)は、半世紀以上も続く繁盛店の看板麺だ。丸みのある豚骨の香りと背脂に包まれた旨味たっぷりのスープと、低加水ながらモッチリした印象の細麺。それぞれの個性が調和してハイレベルな仕上がりに。豚骨の味と香りがメインで、鶏ガラの風味もしっかり感じられる。そのスープを醤油ダレで調えたバランスのよい味。細麺にもよく絡み、ツルリとした喉越しもいい。
洗練の鶏白湯に磨きをかける名店「中華そば 風 KAZE」

いわき躍進の先駆けと言える名店「中華そば 風 KAZE」(いわき市平作町1-1-14)も外せない。木村店主の思い出の味は、いわき市・四倉の自宅近くにあった「松喜食堂」。子供のころから通い詰め、いずれはラーメン店をと考えていた。「豚骨が苦手なので」と、展開するのは鶏白湯をはじめとする鶏主体のラーメン。キレのある味やカフェ風の内装など、新しいスタイルでたちまち人気店に。「味玉鶏白湯黒」(850円)は、国産の鶏ガラで作ったスープは、まろやかであと味はあっさり。見た目とは異なり、パンチというよりも切れ味を感じさせる。スープとの相性を考えた細目の自家製麺は、北海道と外国産の小麦粉のブレンド。ツルツルとした喉越しが魅力だ。
※それぞれ、メニューや価格は「ラーメンWalker福島2019」発売時のものです
【ラーメンWalker福島2019 編集部】