語りたいことが止まらない!ゴリこと照屋年之監督作『洗骨』大ヒット御礼舞台挨拶
関西ウォーカー

沖縄の一部の地方に伝わる死者を供養する風習を通じて家族の絆を描き出す映画『洗骨』。沖縄では6週連続No.1の記録するなどの反響のなか、3月9日(土)大阪ステーションシティシネマでお笑い芸人ガレッジセールのゴリこと本作で脚本・監督を務めた照屋年之が大ヒット御礼舞台挨拶に登壇した。

この10年以上コンスタントに短編作品に取り組み続けていた照屋監督は映画製作から現在の『洗骨』までに至る経緯を知ってもらいたいと話す。13年前によしもとの芸人100人に短編映画を撮らせるという企画に中退してしまったものの映画学科出身ということもあり誘われた照屋監督。当時は「お笑いしかやったことがなくて、観客を飽きさせない脚本作りや、プロのカメラマンや照明の方に指示なんて絶対できない」と断ろうかと悩んでいたという。そんな時に紀里谷和明監督に相談したところ「ゴリくん、君バカじゃないの」と一喝されたと語る。アメリカでの生活が長かった紀里谷監督が言うには「アメリカ人って目の前にチャンスがあったら取らない人間はいないんだよ。実力なんて関係なくてあるやつにチャンスは来ることもあるけど、ないやつにチャンスが来ること事態を人生『得』だと思わないと。アメリカ人なんてチャンスをとってから同時に実力をつけ始めるんだよ」と諭されたことを振り返った。
そんな影響もあり監督に実際に挑戦してみたところ、結果あまりにも苦しかったという。「撮影も7時間押して現場に嫌な空気が流れて2度とやらない」と心に誓ったが、編集することが面白かったと語る。「頭の中で考えていた物語が脚本で文字になり、みんなが目を通して頭で想像するものを実際のものを使って撮ることによってみんなが共通して観れる、今まで存在してなかった主人公に命が吹き込まれて物語が生まれた時が気持ち良すぎて、出来上がった時には子供のように可愛い」と撮影の苦しみを越えた映画製作の醍醐味を紹介した。

そんな辛くも楽しみに溢れた映画製作を続けて10作目の作品で舞台である沖縄の粟国(あぐに)島にロケハンで訪れた際、プロデューサーに洗骨の風習を教えてもらったと語る。洗骨とは死者を一度風葬などを行った後に、死者の骨を洗い再度埋葬する葬制。その話を聞けば聞くほど興味が湧いて「愛する人との日々や命を繋いでもらったことをを思いながらゆっくりとその人の死を受け入れていくその風習」を是非映画にしたいと今作のもととなる短編『born、bone、墓音。』が誕生したのだと話す。


映画についてまだまだ語りたいことが尽きない照屋監督。最後に「僕自身辛い時エンターテイメントに背中を押されて感謝をしてきたので、今度は僕が作ることによって悩んでいる方、辛いと感じている人の背中を押せることができたら僕自身頑張ってよかったと思います」と呼びかけた。
桜井賢太郎
この記事の画像一覧(全5枚)
キーワード
テーマWalker
テーマ別特集をチェック
季節特集
季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介
全国約900件の花火大会を掲載。2025年の開催日、中止・延期情報や人気ランキングなどをお届け!
ゴールデンウィーク期間中に開催する全国のイベントを大紹介!エリアや日付、カテゴリ別で探せる!
おでかけ特集
今注目のスポットや話題のアクティビティ情報をお届け
キャンプ場、グランピングからBBQ、アスレチックまで!非日常体験を存分に堪能できるアウトドアスポットを紹介