重厚さと上質に安全性を加味した新型エルグランドを試乗

2019年3月15日 11:00更新

東京ウォーカー(全国版) 取材・文/栗原祥光

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昨年、日本で最も売れたミニバンとなった日産自動車のセレナ。筆者はセレナの登場以来、幾度となく試乗し、その度に「プロパイロットは便利だな」「USBポートいっぱいあっていいな」と感じていた。

そして「この上に位置するエルグランドって一体どのような車なのだろう」とも感じていた。そのエルグランドに試乗する機会を得たのでレポートしたい。

新型エルグランド

新型エルグランド

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安全装備が大幅に強化。大切な人を守る車に

エルグランドが誕生したのは1997年5月19日。キャラバンとホーミーのミニバンタイプとして、キャラバン/ホーミーエルグランドとして販売されていた。クリーンでモダンなインテリア、広い車内空間を売りにした同車種は、人気を博し後にライバルが登場するきっかけとなった。

現在のエルグランドは2010年から販売を開始した3代目をベースとして昨年12月に一部仕様変更したもの。具体的には安全装備が強化され、新たにインテリジェントLI(車線逸脱防止支援システム)&LDW(車線逸脱警報)、インテリジェント エマージェンシーブレーキ、ハイビームアシストを全車に標準装備するとともに、踏み間違い衝突防止アシストは前方の歩行者にも察知・作動できるように機能向上がなされた。さらに前走車との車間を監視するインテリジェント クルーズコントロールを「250XG」を除く全車に標準装備。個人的には、車線監視機能を付け加えて「プロパイロット」にして頂ければ……と思いつつも、インテリジェントクルーズコントロールは高速道路での走行にかなり有益。それだけでも嬉しい。大切な人を守る上でも、こういった機能は大歓迎だ。

大きさに圧倒される

エルグランドのサイドビュー

エルグランドのサイドビュー

全長4950ミリ、全幅1850ミリ、全高1815ミリというボディサイズは見るからに圧倒される。フロントグリルのデザインと相まって、圧倒的な風格を漂わせている。

エルグランドのフロントマスク

エルグランドのフロントマスク

搭載するエンジンは排気量3.5リットルのV型6気筒と2.5リットルの直列4気筒の2種類をラインアップ。CVTトランスミッションと組み合わされ、フロント2輪もしくは全輪で地面に動力を伝える。ちなみにハイブリッド車の設定はないようだ。

二列目シート

二列目シート

圧倒されるのは室内空間。今回試乗するのは350ハイウェイスターと呼ぶ565万円のグレードなのだが、スライドドアを開けた瞬間、2列目シートと3列目シートのゴージャスさに圧倒! 動く応接室、といった雰囲気で、特に2列目は座る人を選ぶのでは、とさえ思う。

三列目シート

三列目シート

世代が新しいセレナのような、2列目シートが横に動くことで、2列目の人が降りずとも3列目の人が乗降できる機能は残念ながら用意されていない。ちなみにエルグランドには「VIP」と呼ぶ2列仕様がある。それはまさに贅沢の極み。いかなる高級輸入車よりも快適な後席が約束されるだろう。

【写真を見る】ドライバーズシート。サイドブレーキはフットタイプだ

【写真を見る】ドライバーズシート。サイドブレーキはフットタイプだ

運転席に目を向けると、形容する言葉が思い浮かばないほどの重厚さ。まるで2列目シートのようなドライバーズシートに座ると、独特のシートポジションやシートの質感、今までのクルマの概念とはかけ離れた何かを感じる。筆者はいわゆる「おひとりさま」で、普段乗りのクルマも小型車であるため、ミニバンはもっとも縁遠い存在であると感じていた。しかし、ロングドライブはいかに快適に室内を過ごせるか、が全てだと身にしみている私は、この室内を見て「エルグランドなら遠くまで快適に移動できそう。独り身でも買う価値はある」と思わせる説得力に満ちていた。

運転席

運転席

<HEAD>重厚だけれど鈍重じゃない!

重厚だけれど鈍重ではない走り

エルグランド

エルグランド

さて、この重厚の塊といえるエルグランドを動かすことにしよう。ただでさえ大きな車体は苦手な筆者としては、あまりの大きさに、左右の感覚がまったくつかめない。駐車場のゲートを通り抜けるだけでも、各所に設けられたセンサーが車内に鳴り響きパニックになる。特に左後方下側はほとんど見ることができない。

しかし車体を真上から俯瞰し、何が近くにあるのかがわかるインテリジェントアラウンドビューモニターのおかげで無事に通過。なるほど、これは便利だ。

エルグランド

エルグランド

走り始めると、その重厚さに圧倒される。それはステアリングフィールの重さからはじまって、どっしりとした安定感、剛性を感じるボディが、五感を通して「安全な1台」であることを感じさせるのだ。

さらにしっとりとした上質感も特筆すべき点。静粛は車内と相まって「イイモノに乗っている」という感を受け取る。

放映されているエルグランドのCMでは、レーシングドライバーで、現在KONDO Racingの代表を務める近藤真彦さんがエルグランドで峠道を走る様子が描かれている。こんなに軽快にエルグランドは走るのだろうか。答えは「イエス」であり「ノー」だ。イエスなのは、車体の低重心設計による安定感をベースに、ゆったりとロールする足回り、そしてレスポンスのよいV6エンジンとCVTのパワートレインが、ドライバーの走りたい気持ちに順応してくる。もちろんスポーツカーのようなフィールを求めることは無理ではあるが、それでも2t近いボディが鈍重にならずに走り抜けるのは驚くしかない。

ノーなのは、ドライバー側がそのような技量を持ち合わせていないことと、もともと、そのような走り方をするクルマではから。とはいえ、できそうだ、という気にさせるところが凄い。

エルグランドのリア

エルグランドのリア

ミニバンというと、多くの人を乗せて移動する車両だ。人を乗せて移動するにあたって何より大切なことは、早く移動することより、安全かつ快適に、そして確実に着くことだろう。その意味においてエルグランドは、大切な家族や仲間との快適な旅において最高の移動ツールだと感じた。

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