三菱だからできるミニバン「デリカD:5」は上質さ溢れる1台
東京ウォーカー(全国版)

「人を安全、確実に運ぶ」「必ず目的地に行けて必ず戻れる」これは車にとってとても大切な機能だ。今の日本において、車が壊れない限り、もしくは道が続いている限り、目的地に行けて帰ることができる。
しかし小泉元総理大臣の言葉を借りるなら、道には「上り坂」「下り坂」のほかに「まさか」がある。そのまさかの時に強さを発揮するのが三菱自動車の四輪駆動車だ。「パジェロ」を筆頭とする三菱自動車の四輪駆動車には「乗員を必ずを家に帰す」という強い意思を感じさせる何かがある。そして近年では災害時にアウトランダーPHEVがライフラインが途絶した状態において、電気を給電して人に希望を与える姿がテレビに映し出される。その度に販売店には問い合わせがあるそうだ。
今回紹介する三菱自動車のミニバン「デリカD:5」は、そんな三菱自動車のイズムを強く感じさせる1台だ。この春、そのデリカが新しくなったのでご紹介しよう。
特徴的なフロントマスク「ダイナミックシールド」

まず目につくのは特徴的なフロントマスクだろう。最近の自動車はかなり個性的な顔つきのモデルが増えてきたが、とはいえ、ここまで個性的なものは珍しいだろう。しかし、これがよく考えると、対向車や人に優しいデザインなのだ。夜の運転で一度はミニバンやSUV、バンタイプの軽自動車のヘッドライトの眩しさが気になったことはないだろうか。これらはヘッドライト取り付け位置の高さによるものが大きい。しかしダイナミックシールドのヘッドライト位置は普通乗用車と同等。これにより眩しさは低減されるのである。
今回はアーバンギアというモダンなグレード、そして標準グレードの2車種で微妙にグリル形状が異なる。実のところ、筆者は現物を見るまでは否定的だったのだが、実際に見ると力強さを感じて好印象。写真と実物は印象がかなり異なるので、ぜひディーラーや展示会でご覧頂きたい。

横から見ると、デリカD:5の特徴がよくわかる。他のミニバンに比べて車高が高めなのだ。そしてタイヤも横浜ゴムのSUV用を装着。それからしても、このモデルがクロカンテイストを濃くしているのがおわかりいただけるだろう。
新型ディーゼルエンジンと新開発8速ATを搭載

デリカD:5にはガソリン仕様とディーゼル仕様をラインアップするが、今回マイナーチェンジがなされたのはディーゼル仕様のみ。ガソリン仕様は従来仕様のまま販売継続する。
2.2Lの新型ディーゼルターボエンジンは、尿素SCRシステムの搭載で燃費が良くなり、Noxの低減も実現しているという。
新開発の8速スポーツモードATの採用でパワフルでよりシフトチェンジが滑らかなシフトフィールと、より幅の広いギアレシオとした。
また予防安全技術「e-Assist」を新採用。衝突被害軽減ブレーキシステム(FCM)や車線逸脱警報システム(LDW)、アダプティブクルーズコントロール(ACC)などによって、より安全性を高めているという。
上質なインテリア

昨年マイナーチェンジを果たしたアウトランダーPHEVのインテリアはとても上質で驚いたが、このデリカD:5もまた上質で驚いた。特にアーバンギアの上質さは「これはイイ」と誰もが素直に思うことだろう。

車内を見ると、USBポートが少ないのが気になったものの、電力容量100WのACコンセントが備えられていることに驚いた。これならスマートフォンだけでなくノートパソコンも給電できる。これもまた「まさか」の時に役立つ装備だ。

運転席のインパネデザインは水平基調で広さをより感じさせるもの。ウッドパネルをはじめとしてモダンな印象を与える。車高が高いためか、乗車時に便利な取っ手がAピラーに備えられている。

目をひくのはセンターコンソールの二駆/四駆切り替えノブ。他のミニバンではなかなか見かけない装備であると共に、三菱の四駆技術に対する自信の現れを感じた。例えば高速道路の巡航をはじめ、燃費を稼ぎたい時は二駆で、登坂時や雪道などは四駆で、といった使い方が一般的だろう。
見た目通りの力強い走り

試乗はアーバンギア、標準仕様の両方を行った。二種類に走りの違いを感じることはできなかったし、実際に走行面での差はないとのことなので、二車種の印象を申し上げる。
まず驚いたのはトルクの太さ。停止状態からググっとアクセルを踏み込むと、車体後方がグッと沈み込んでから力強く加速していく。これは新しくなったエンジンによるものなのか、それともよりワイドなギアレシオになった8速ATのおかげなのか、おそらくその両方なのだろうが、このような挙動をみせるミニバンはちょっと記憶にない。
この力強さは坂道で威力を発揮。エンジンが苦しい悲鳴を上げるどころか、ごくごく普通の平然とした顔で、かなりの勾配を上がっていくのは爽快の一言。なぜか運転している自分が力強くなったのでは? と錯覚するほどだ。

静粛性も向上しており、同乗者に我慢を強いるようなことは何もない。またボディ剛性の高さは、運転手だけでなく、同乗者にも「車が守ってくれる」という安心感を与えてくれる。こういうミニバンは他になかなかない。
群雄割拠のミニバン市場において、デリカD:5は唯一無二の個性が際立つ存在だ。それは三菱だからこそできた車であり、そして三菱らしさに溢れていた。デリカD:5の魅力に気づくと他の車は物足りないと感じるだろう。筆者もその魔力にかかりつつある。
取材・文=栗原祥光
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