福岡市から90分!美しい日本の原風景が広がる東峰村に行ってきた

九州ウォーカー

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福岡市から車で約90分。福岡県と大分県の県境に位置する朝倉郡東峰村は小石原焼の里として広く知られているが、そのほかにも知られざる魅力がたくさんある。自然の恵みを生かした特産物や神秘的なご神体を祀る神社、「日本の棚田百選」に認定された棚田など、ノスタルジーを揺さぶる“日本の原風景”に会いに行ってきた。

隕石がご神体!?岩屋神社


岩屋神社/本殿までは少し険しい道のりのため、歩きやすい靴で上ろう


岩屋神社(532年創建)は、空からこの地に降ってきた光り輝くものを「宝珠石(ほうしゅせき)」と名付け、ご神体として祀る。神社の一帯には奇岩群があり、かつて行者たちが通った修験の場。国の重要文化財に指定された本殿も岩の窪みに作られていて、険しい階段を上った先に現れる姿には圧倒される。

岩屋神社と権現岩


岩屋神社のほかにも、奇岩の中に建立された熊野神社がある


岩屋公園/この辺り一帯には玄海ツツジが咲き誇る


4月13日(土)、14日(日)に行われる春の大祭「岩屋まつり」は、村人が威勢よく駆け巡る「あばれ神輿」や厳かな「大護摩供養」など見どころ多数なので、ぜひ訪れてほしい。

岩屋公園/この辺り一帯には玄海ツツジが咲き誇る


[岩屋神社] 福岡県朝倉郡東峰村宝珠山/ 終日開放

無農薬栽培のキノコは肉厚で新鮮!宝珠山きのこ生産組合


宝珠山きのこ生産組合


清流に恵まれる宝珠山で、長年にわたりキノコ生産に携わる「宝珠山きのこ生産組合」。現在は、菌床を用い、シイタケを無農薬栽培している。直売所では生シイタケやヒラタケ、加工品などの販売も行う。収穫したてのシイタケのおいしさは格別だ。

宝珠山きのこ生産組合/乾燥しいたけ(600円~)


宝珠山きのこ生産組合/ヒラタケも販売


[宝珠山きのこ生産組合] 福岡県朝倉郡東峰村小石原鼓334-1 / 10:30~15:00 / 日曜休み

素敵な窯元が点在!用の美を体現する焼物の里・小石原


マルダイ窯/茅葺古民家の母屋


マルダイ窯/母屋の雰囲気も抜群だ


約400年にわたって受け継がれる焼物の産地・小石原の窯元はマストで訪れたい。「マルダイ窯」は江戸時代から続く小石原焼の窯元で、茅葺古民家の母屋が目を引く。

マルダイ窯/15代目の太田万弥さん


マルダイ窯/小石原焼の特徴である飛び鉋の技法


15代目の太田万弥さんが飛び鉋や刷毛目、櫛描きといった伝統技法を披露してくれた。

マルダイ窯/作品はギャラリーで購入できる


素朴で温かみのある作品は併設のギャラリーで購入可能だ。

[マルダイ窯]福岡県朝倉郡東峰村大字小石原766

山伏が潜んでいそうな神秘的な空気が漂う行者杉の森


行者杉


樹齢200年から600年といわれる、約4.68ヘクタールにわたる375本の杉の巨木群「行者杉(ぎょうじゃすぎ)」。この一帯は、かつて山伏たちの重要な修行場だった。杉は大きく成長して樹齢が長く、魂が宿ると信じられており、これらの杉は、修行の証として献木(挿し穂)したものだという。行者杉の古木群は天頂が見えないほど高くそびえ立ち、辺りは神聖な空気が漂う。

国境石


国境石/東西の位置もほぼ正確な、国境の石の配置


また行者杉の古木の密集地には、筑前と豊前の国境を示す「国境の碑」が配置されている。石碑にはそれぞれ、「従是西筑前領」「従是東豊前小倉領」などと刻まれていて、昔から「境目石」と呼ばれた。

[行者杉の森]県道500号の大字小石原字宿平の峠付近

ホッとする山菜料理や郷土料理に癒される「山菜料理 惣助」


山菜料理 惣助


山菜料理 惣助


行者杉の入り口付近にある「山菜料理 惣助」。古民家風のたたずまいがなんとも味がある。

山菜料理 惣助/山菜定食(写真はイメージ。季節によって内容が変わる)


ここで食べてほしいのは、看板メニューの「山菜定食A」(1650円)。山菜を中心とした前菜に、ヤマメの塩焼き、ナスの田楽、ピリ辛のコンニャク、だご汁など、東峰村ならではの味覚が堪能できる。自然の滋味が心身に染みわたるような感覚だ。

[山菜料理 惣助(そうすけ)]福岡県東峰村大字小石原715-14 / 11:00~19:00 / 不定休

四季折々の表情が美しい竹地区の棚田


日本の棚田百選に認定されている竹地区の棚田


400年の歴史をもち、「日本の棚田百選」に認定されている竹地区の棚田。標高差160mの急斜面に積み上げられた石積みと青々とした水田のコントラストがすばらしく、見惚れずにはいられない。11月に行われる「竹の棚田ライトアップ 秋あかり」では、棚田の石積みをLEDライトで照らし、モダンアートのような光景を演出する。

竹地区の棚田/秋にはライトアップした姿が見られる


春とは違った表情を見せる幻想的な棚田にまた会いに行きたいものだ。

この美しい里山にもっと多くの人たちに訪れてほしいと、古民家を改装した宿泊施設や観光ステーションの計画が、現在進んでいる。平成29年7月の九州北部豪雨の爪痕はまだところどころに見られるが、一体となって復興へと前進する力強さを感じた。ツツジやシャクナゲ、レンゲなどが見ごろを迎えるこの季節、東峰村の魅力を再発見する旅にでかけてみよう。

【東峰村へのアクセス】車=九州自動車道を経由し、鳥栖JCTで大分自動車道の杷木ICで下りる(約60分)。杷木ICから、東峰村の宝珠山地区へは約20分。小石原地区へは約30分で到着。

九州ウォーカー編集部

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