WOWOWドラマ初主演の柴咲コウが来福!注目作への思いに迫った!

九州ウォーカー

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4月27日(土)からWOWOWプライムにて、「連続ドラマW 坂の途中の家」がスタートする。放送に先駆けて、T・ジョイ博多での舞台挨拶に訪れた主演の柴咲コウへ単独インタビューが実現。作品の見どころについて、様々な角度から話を伺った。

事件を軸に、さまざまなストーリーが展開


【写真を見る】主人公・山咲里沙子役を演じた柴咲コウ(C)KADOKAWA/Photo by 菅祐介


「連続ドラマW 坂の途中の家」は、3歳の娘を育てながら平穏な日々を過ごしていた主人公山咲里沙子のもとに裁判所から通知が届き、補充裁判員に選ばれるところから物語りが始まる。対象となる事件は、生後8ヶ月になる我が子を浴槽に落とし虐待死させたという衝撃的な内容だった。同じ子供を持つ母として嫌悪感を持つ里沙子だったが、裁判を通じて被告の人生に触れ、育児のストレス、夫との関係、義父母からの重圧、実母との確執など、次第に自らの境遇を重ね合わせていくことになる。家庭に潜む究極の心理サスペンスと賞賛された直木賞作家・角田光代さんの原作「坂の途中の家」の禁断の連続ドラマ化に挑んだ本作が、いよいよ幕を開ける。

ーー柴咲さんは、今回WOWOWドラマへの初出演にして初主演です。最初に脚本を読んだ時、どのような感想を持たれましたか?

柴咲「脚本を読んで、すぐにやりたいと思いました。この作品は、自然にあらゆる問題提起をしていくなというのが、読んでいた時の印象ですね。普通の日常を過ごしている人が、裁判員制度をきっかけに、自分自身の常識を覆させられるのですが、どこか頷かざるを得ないところがあって、最終的に他人事ではなくなってくるあたりが、引き込まれるポイントだと思います。私自身、正義感が強いところがあるので、みんなにこの作品を観てもらって、そういった気持ちを感じてもらわねばならぬと思い、絶対この作品に関わりたいと感じました」

主人公・山咲里沙子役を演じた柴咲コウ(C)KADOKAWA/Photo by 菅祐介


ーー性別年齢関係なく共感できる、まさに他人事ではない作品ですね。

柴咲「主人公・里沙子と同じように子育てに奮闘しているお母さんなどは、共感しやすいと思うんですけど、そのほかの登場人物も様々な心模様を見せているので、男性や未婚の方でも入り込みやすい内容になっていますよね」

里沙子からの学びも自分の糧になった


ーー虐待事件を軸に進んでいきますが、特に、主人公の里沙子の心の揺れや葛藤は、観ているこちらも共感を得ずにはいられません。

柴咲「罪を犯してはいけないということが大前提なんですけど、そこに至るまでの動機や流れは、日常生活にもはらんでいるから、キャッチコピーの『あの殺人犯(ひと)は私かもしれない』に、その思いが詰まっています。例えば女性だったら、自分が生んだ子供をある意味“所有物”として扱わずに生きていくのって難しいと思うんですよね。特に子供が小さい時などは、親が手をかけなければ子供が危険にされされる可能性が大きいわけだから、ちょっと所有物化をしてしまう人もいると思います。だから、子供が言うこと聞かない時に怒りの感情が出てしまったりしますが、それって、人間として決して間違った行為ではないですよね。そういったところに思いを馳せると、事件を起こしてしまう側とそうでない側で、その境は本当に曖昧なのではないかなと思い知らされました」

ーー柴咲さん演じる主人公の里沙子は、日頃から自分の意見や感情を抑えて、波風を立てずに生きていくようなタイプですが、里沙子に対して共感できる部分はありましたか?

柴咲「描き方がすごくうまかったので、もちろん共感はできました。ただ、私と里沙子はタイプ的には全然違うので、主義主張をしない里沙子のズルさは感じましたね。何かを主張をすることはとても大事なことですが、意見が食い違うと、攻撃されたり、最近では炎上などに発展する可能性もあります。私は常々、『私はこう思う』と言う勇気を持っていたいタイプなので、里沙子のように『言わないズルさ』というのを感じましたけど、自分みたいな人ばかりじゃないよなっていうことも学びました」

ーーその分、役作りは大変でしたか?

柴咲「今回は普通の専業主婦の役だったので、一人で役作りをするというよりも、現場のみんなで作っていく役だと思ってやってました。いかに、その日常にいそうな人物になれるかというのは、自分自身だけで難しく捉えるのではなくて、衣装やヘアメイク、監督を筆頭としたスタッフさんなど、みんなで協力しながら作りあげていく感覚ですね」

いろんな境遇の人に観てほしい


母親や女性だけでなく、いろんな境遇の人にも観て欲しいと話す柴咲(C)KADOKAWA/Photo by 菅祐介


ーーそれぞれの登場人物にもストーリーがあります。

柴咲「今回裁判員に選ばれた人たちそれぞれに家庭や事情、人生があって、子供を欲している家庭、子育てに悩んで葛藤している親もいれば、様々で、すごくそれがきちんと丁寧に描かれています。そんな、いろんな人たちの境遇に自分を照らし合わせることができると思うので、いろんな視点で観れる作品になっています」

ーー容疑者・水穂役の水野美紀さんのミステリアスな演技も注目されています。現場ではどんな雰囲気だったのでしょう?

柴咲「水野さんは、撮影の時にしっかりと演技に入り込む方なので、撮影以外では水野さんのお子さんの話をしたり、みんなで雑談をするような楽しい現場でしたよ。確かに、作中の水穂の虚無感には、圧倒されますよね。事件後は脱け殻みたいになっているのに、回想シーンでは、里沙子の想像の中で水穂がすごく活き活きしていたり、逆に里沙子みたいにおどおどしていたり、どっちが本当の水穂なんだろうってなるから、そういった表現にもぜひ注目していただきたいです」

ーー撮影を終えての感想もお聞かせください。

柴咲「いろんな意味で、家族について考えさせられました。先ほども言った通り、子供を所有物にしてしまう人って本当に多いんじゃないかなと思います。例えば自分が家族を持つ時に、自分たちの主義主張だけではなく、相手の個性を重んじて生きていけるかと考えた時に、難しい課題だと感じました。そう思うと、一人の方が楽だなと思うくらい、誰かと歩んでいくというのは大変なことなんだろうなと。みんな当たり前のようにやっているけど、すごいことに挑戦しているなと、この作品を通じて、より思いましたね」

ーードラマの話から少し逸れますが、柴咲さんの理想の母親像はありますか?

柴咲「結構身近にいるんですけど、私の友人が理想的ですね。その方にはお子さんがいるんですが、国内外関わらずいろんなところへ旅行するのが好きで、そういった自分のスタンスを崩さないんですよ。しかも、子供にもパートナーにも、押し付けや制限をしないというのが、超理想です。旦那さんはそんな奥さんにベタ惚れで大好きだから、今まで通りこれからも生きていってねっていう、素敵な男性なんです。それでいて、旦那さんも自分の好きな時間を過ごしているし、仕事もきちんとされている方なので、とても憧れます」

理想の母親像についても語っていただいた(C)KADOKAWA/Photo by 菅祐介


ーー貴重なお話を色々とお聞かせいただき、ありがとうごいます。最後に、九州ウォーカーの読者へメッセージをお願いします。

柴咲「今回は、子育てや母親がテーマになっていますが、もう少し深いところで核になっているのが、社会と人との関係性だと思います。人の起こした行動や思想などがきかっけとなり、法律やルールができるわけで、言い換えると、人の気持ちが社会を作っているんだろうなと。だから、このドラマに関わって、『他人事ではない』というのが一つのキーワードだと思いました。男性や未婚の方など、作中の当事者ではない人たちにも観て欲しいドラマになっています。1話ごとに見応えのある全6話となっていますので、多くの方に観ていただきたいですね」

T・ジョイ博多で行われた舞台挨拶には多くのファンが集まった(C)KADOKAWA/Photo by 菅祐介


「連続ドラマW 坂の途中の家」は4月27日(土)22:00~よりWOWOWプライムにて放送スタート。

【九州ウォーカー編集部 / 取材・文=森川和典 / 撮影=菅祐介】

森川和典

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