映画「レオニー」松井久子監督インタビュー「無謀だけれど潔い、彼女のような生き方ってどう?」

北海道ウォーカー

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11/20(土)より公開中の映画「レオニー」。彫刻家イサム・ノグチを育てた実在の女性「レオニー」の生涯を描いた人間ドラマだ。「ユキエ」(’98)、「折り梅」(’02)に続く3作目の監督作品となった松井久子監督に、映画について聞いてみた。

-世界的な彫刻家イサム・ノグチではなく、ほとんど知られていない彼の母親「レオニー」を映画にしようと思ったのはなぜでしょう?

「まず、彼女のような生き方は気持ちがいいなと思ったんです。ときには行き当たりばったりで無謀なところもあるんですが、本来女性はこのように強いものなんじゃないかな、と。レオニーの生きてきた時代に比べて、今のほうが自由な分、選択肢もいろいろあって、女性の中にはどの道を選べばいいか迷い、臆病になっている人も多いかもしれない。レオニーが生きてきた時代は、今よりずっと不自由で、社会的な制約もあって戦争もあって…。だからこそなのかも知れないけど、自分だけの人生を切り開いていく強さがあったんです。そういう生き方を若い人、特に女性に投げかけてみたいという思いはありましたね。こういう人生はどう?っていう。また、過去の2作品に比べ、私自身の人生と重なる部分があったんです。一人の母親として、仕事をしながら子供を育ててきたという。だから、女性、そして母親として60年生きてきて、私が知ったことを、レオニーという実在の人物にのせて作って行けるなと思ったんです」

-レオニーの生き方に共感する部分も多かったのでしょうか?

「レオニーについては資料が少なくて細かいところまでは分からないんです。レオニーが残したヨネ(イサム・ノグチの父親)や友達との手紙のやりとり、大まかな年譜は分かるけれど、あとはほとんど分からない。ですから、共感というより、ある程度自分で自由に解釈をして作ってきたという映画で、作り手としてはすごく魅力的な人物でした。誰もがよく知っている人物で、その解釈は違う!とみんなに言われるようなものだったら触手は動かなかったかも知れないですね」

-映画にはイサム・ノグチの手掛けた、モエレ沼公園(札幌市)も登場します。初めて訪れたときの印象はいかがでしたか?

「きれいな青空と森の緑、白色の石、そのコントラストが素晴らしいなと感じました。イサム・ノグチさんのランドマークはたくさんあっても、モエレ沼公園の雄大さというのはなかなか無いんじゃないかと。ここにレオニーが来たら、さぞかし至福なんじゃないかなぁと思いましたね」

【PROFILE】

まついひさこ●1946年、東京都生まれ。雑誌ライター、TVプロデューサーを経て、「ユキエ」(’98)を初監督。監督第2作「折り梅」(’02)では脚本も担当している

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