【平成振り返り−1995年】キムタク、ポケベル、エアマックスが若者のトレンドに!

東京ウォーカー(全国版)

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『東京ウォーカー』1995/7/18発売 遊井亮子


平成を振り返る連載企画の第6回は、日本列島を震撼させた、阪神・淡路大震災に地下鉄サリン事件が発生した平成7年(1995年)。この年小室ファミリーがヒットを飛ばし、キムタク(木村拓哉)とトヨエツ(豊川悦司)が出演したドラマやその主題歌が大ヒット。ポケベルに夢中の女子高生たちはPHSの発売に飛びつき、またもブームを巻き起こす。街にはシャネラーやグッチャーが闊歩する中、エアマックスをはじめスニーカーのおしゃれを楽しむ若者も激増。コンピューター革命を起こしたWindows95の発売で、デジタルカメラの需要も高まった。

多くの被害者を出した震災と事件に呆然。日本を鼓舞したのは、キムタク、ドリカム、ポケベルブーム


1月に阪神・淡路大震災が発生。戦後初の大都市直下型地震で、兵庫県を中心に大きな被害が出た。約25万棟の住宅が全半壊し、6434人が犠牲に。3月にはオウム真理教徒による地下鉄サリン事件が起こる。前年の松本サリン事件同様、化学兵器として使用される神経ガス・サリンが、東京の地下鉄・3路線5列車で散布され、13人が死亡、6000人以上が負傷した。

『東京ウォーカー』1995/8/11発売 松雪泰子


衝撃のニュースで始まった平成7年にパワーをくれたのは、やはりエンターテイメントだった。テレビドラマをきっかけに、「キムタク」と「トヨエツ」が旋風を巻き起こす。国民的アイドルとしてすでに人気が高かった、キムタクこと木村拓哉は、平成5年(1993年)の「あすなろ白書」、平成6年(1994年)の「若者のすべて」、そしてこの年の「人生は上々だ」での好演で、さらに脚光をあびる。一気に若者たちのカリスマ的存在となり、SMAP人気にも拍車がかかった。

トヨエツこと豊川悦司は、ドラマ「愛していると言ってくれ」に出演。聴覚障害がある画家を演じ、世の女性たちはトヨエツの手話で語る姿のトリコに。常盤貴子演じる女優の卵との切ない恋に、日本中がときめいた。高視聴率を記録したこのドラマの主題歌「LOVE LOVE LOVE」(DREAMS COME TRUE)も大ブレイクし、ダブルミリオンを達成。

街では、ヘソ出しルックやチビTが流行し、ミニスカにルーズソックス、茶髪でガングロのコギャルと呼ばれる女子高生たちが、ポケベルに夢中。「0840=おはよう」や「14106=愛してる」のような語呂合わせの略語を作り出し、日夜ポケベルでの会話に盛り上がる。「ポケベル」+「友達」=「ベル友」がブームとなったこの年、PHSがサービスを開始。携帯電話に比べて料金が安く、受信型のポケベルと違い、通話やメールを発信できることから、PHS(通称ピッチ)が急速に広まった。

デートの定番は、水族館にプラネタリウム。エアマックスが社会現象に


『東京ウォーカー』1995/2/7発売 篠原涼子


女性初のダブルミリオンを記録した篠原涼子をはじめ、同じく小室ファミリーでヒットを飛ばす観月ありさや内田有紀、今もドラマで大活躍の松雪泰子、大塚寧々らが『東京ウォーカー』の表紙を飾った1995年。経済低迷は依然続き、日本中に倹約ムードが広がっていた。人気ゲームも続々登場し、インドア派が増えたからなのか、いつでも便利に買い物できるコンビニの需要が高まり、誌面で初めてコンビニ特集を掲載。

特集「水族館&プラネタリウム」


デートの定番スポットとなったのは、水族館とプラネタリウム。しながわ水族館や横浜・八景島シーパラダイス、また多摩六都科学館やサンシャインプラネタリウムなどが、そのブームを牽引。恋する2人は、イルカショーや海の人気者達に心奪われ、宇宙の神秘に癒やされた。

特集「東京新名所マップ95」


まだまだ渋谷の賑わいは続く。吉本芸人ライブが楽しめる「渋谷公園通り劇場」(平成10年:1998年閉館)や、世界最大級のCDショップ・タワーレコード渋谷店をはじめ、今も開発が進んでいる渋谷の新名所が続々誕生。また、ゆりかもめが新橋から有明間で開業。新スポットも下町情緒も楽しめると、湾岸エリアに注目が高まる。

特集「春の買いMONO大特集!」


街ではストリートファッション全盛の中、ナイキから発売された「エアマックス95」が空前の大ヒット。エアマックスを履いてるだけで襲撃にあうほどの熱狂ぶりで、「エアマックス狩り」なる言葉も生まれた。このエアマックス現象を筆頭に、世には空前のスニーカーブームが到来。

1995年のトレンド解説、「Windows95」の発売で、「デジタルカメラ」も大ヒット。「シャネラー」が街を闊歩


1995年のブームや流行語を見てみよう。

【がんばろうKOBE】兵庫県・神戸に本拠地を置いていたプロ野球チーム・オリックス・ブルーウェーブ(現オリックス・バファローズ)が、阪神・淡路大震災で被災した地元を盛り上げようと「がんばろうKOBE」を合言葉に。イチローを中心に、リーグ優勝&日本一に輝く。「震災復興の象徴」と称えられ、流行語大賞・年間大賞を受賞。

【Microsoft Windows95】今では当たり前の、インターネット接続機能、カラーアイコンの表示、デスクトップのアイコンなど、使いやすさと性能を向上させたOS(オペレーティングシステム)がついに発売。それまで一部のマニアックな人たちだけが使っていたパソコンやインターネットを一般化させ、世界中に革命を起こした。

【カヌレ】「溝のついた」という意味の「カヌレ」は、フランス・ボルドー地方の伝統的な焼き菓子。外側は香ばしく、内側はしっとり柔らかい食感で、大ブームに。ワインの産地・ボルドーで、卵白を使用しワインの澱(おり)を除去していたため、卵黄ばかり残ったことから、余った卵黄を使ってお菓子を作ったのが始まりとされている。

【小室ファミリー】小室哲也プロデュースのTRF、観月ありさ、篠原涼子、内田有紀、また自身もグループに参加したglobeなど、小室ファミリーの勢いは止まらない。ダウンタウンの浜田雅功とコラボした「WOW WAR TONIGHT~時には起こせよムーヴメント」(H Jungle with t)がダブルミリオンを記録。そしてこの年、TRFが日本レコード大賞を受賞。また平成30年(2018年)をもって引退した安室奈美恵も、この年「Body Feels EXIT」で初プロデュースされ、平成の歌姫への第一歩を歩んだ。

【デジタルカメラ】カシオ計算機が、世界初の液晶モニター付きデジタルカメラ「QV-10」を発売し、大ヒット。撮影画像をその場で確認でき、テレビやパソコンに転送して加工や保存もできる。写真をプリントするフィルムカメラとは違う、新しいカメラの楽しみ方を提案した。パソコンの普及に合わせて、デジタルカメラの需要も高まった。

【トルネード投法(野茂英雄)】平成2年(1990年)に、近鉄バファローズ(当時)に入団した野茂英雄の投げ方が、竜巻をイメージさせることから「トルネード投法」と名付けられた。この年、野茂はメジャーリーグへ挑戦。メジャー1年目で投手タイトルを総なめし、さらにルーキー・オブ・ザ・イヤー(最優秀新人選手賞)も獲得。日本では「NOMO」が流行語大賞・年間大賞にも選ばれた。

【シャネラー】バブルが弾け、ファッション界では高級ブランド不振を心配していたが、なぜか大ブームに。コギャルたちを中心に、若者達がシャネルやグッチを身につけ、「シャネラー」「グッチャー」と呼ばれた。のちに「アムラー」など「er」をつけて擬人化する言葉は、ここから始まった。

この年オープンした施設


「渋谷公園通り劇場」「ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ」「鎌倉シネマワールド」「JTビル」「有楽町西武(リニューアルオープン)」「GAP初上陸(銀座の数寄屋橋阪急に1号店を開店)「シネ・アミューズ」「世田谷文学館」「相模原市立博物館」「伊勢丹 松戸店新館」「サンプラザ市原」「ゆりかもめ(新橋駅〜有明駅間)」「神奈川県立生命の星・地球博物館」「さいたま緑の森博物館」「軽井沢・プリンスショッピング(長野県)」「サンリツ美術館(長野県)」など。

次回は平成8年(1996年)を振り返る。

綱島深雪

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