企業チームがおもてなし1位へ!シーホース三河のアリーナ改革

東海ウォーカー

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チームマスコットとは別に〝公式風マスコット〟として活躍する「タツヲ」を生み出した。人気のキャラクターとして定着することに


「大阪を見習え!」から始まった屈辱


プロバスケットボール、Bリーグは今シーズンの全日程を終了。5月15日には、六本木ヒルズアリーナ(東京都港区)で「B.LEAGUE AWARD SHOW 2018-19」が行われた。発足3年という節目を迎えた年間表彰式で、ホスピタリティNo.1クラブにはシーホース三河が選ばれた。これは非常に〝意義のある結果〟に映った。

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「大阪エヴェッサを見習え!」は、シーズン1年目を終えたシーホース三河が、リーグから言われた言葉だ。演出面、サービス面、アリーナの設備…。あらゆる部分がリーグサイドからすると物足りなく映ったのだろう。シーホース三河の鈴木秀臣社長は「相当、悔しかった」と振り返る。その悔しさをバネにシーホース三河は改革に力を入れた。1年目のサイドビジョン導入に続き、2年目には4面の大型ビジョン(アイシンスーパービジョン)を導入し、アリーナの装飾も演出も大きく変更。3年目はVIPペアシートの導入、こたつに入って観戦できるファミリーシートの改善、レーザーや炎を使った演出面の強化などで、より魅力的な空間を完成させた。

ファミリーやグループに人気のファミリーシート。こたつを囲んで観戦できる


時間を持て余しているファンの問題点を改善すべく、キッチンカーの誘致にも力を入れて、今シーズンは延べ158台のキッチンカーが出店した。時間に余裕を持ってアリーナに訪れ、選べる多彩なグルメを満喫し、それから試合を観戦する。そうした楽しみ方が根付き、ファンの滞在時間も長くなった。このような努力が結実し、見事にホスピタリティNo.1クラブの表彰を得た。鈴木秀臣社長はこう話す。

シーホース三河の鈴木秀臣社長。来季のホームアリーナは、さらにホスピタリティあふれる空間に変わりそう


「私たちは、バスケットボールを主体としたエンターテインメントの提供を粛々と続けてきました。シーズン途中にVIPペアシートを導入したように、いいものはどんどん取り入れたい。今週よりも来週、来週よりも再来週と、常に魅力的なアリーナに変えていくのがミッションです。アイデア帳には、約300のやりたいことがメモされています。全部を伝えるとスタッフがびっくりするからまだ内緒ですが (笑)、一つずつ実現させたい。この3年間は設備に投資を行い、スタッフの教育を行い、情報共有を徹底し、お客様が楽しめる空間作りを続けて来ました。4年目は原点に戻り、それぞれの持ち場の仕事の質を高めていきたいと考えています」

シーズン途中に導入されたVIPペアシート。記念日に利用したい特等席だ。プレゼントにも使えそう


ファンのために〝企業の部活〟が変わる覚悟


選手が入場する際のパフォーマンスは必見。写真はスカイホール豊田の様子


そもそもBリーグは、プロバスケのbjリーグと実業団のNBLが一つとなり誕生した。プロクラブとして立ち上がったbj組と、極端に言えば〝企業の部活〟の延長として始まった実業団のNBL組。当初は「人気のbj」「実力のNBL」とも言われ、演出やプロモーションをはじめとした、バスケットボールのエンタメ化はbj組に一日の長があった。実際、シーズン1年目は琉球ゴールデンキングス、2年目は千葉ジェッツふなばしと、共にbjリーグにルーツを持つクラブがホスピタリティNo.1に選ばれている。

1947年にアイシン精機のバスケットボールクラブとして誕生したシーホース三河は、リーグの中ではもっともと言っていいほど、実業団の血が濃いクラブだ。なかなか拭えない堅苦しいイメージ。輝かしい歴史と実績はあっても、観客を夢中にさせるエンタメ要素は別物だ。それが改革を継続し、ファンクラブ会員数はBリーグで最多となり、3年目にしてホスピタリティNo.1クラブに選ばれた。冒頭で〝意義のある結果〟と表現したのはそのためだ。よく足を運ぶファンは周知されているが、鈴木社長は率先してアリーナの入口に立ち、分け隔てなく挨拶し、声をかけられれば笑顔で対応する。現場主義の社長であり、その気さくな人柄がシーホース三河のカラーになっているように思う。旧態依然とした堅苦しさはもうない。

大人も子供も夢中になれる空間に進化した。ファンの世代が幅広いのも特徴


シーホース三河だけでなく、多くのクラブが3年目の今季に変化した、または変化しようとトライしていた。特に、川崎ブレイブサンダースや名古屋ダイヤモンドドルフィンズからそうした印象を受けた。偶然かもしれないがどちらもNBL組のクラブである。ただ、bj組やNBL組といった考えは徐々になくなるだろうし、すべてのクラブのアリーナがエンタメ要素に満ちた空間に進化していくはず。ぜひ知ってもらいたいのは、Bリーグのアリーナは楽しくて温かいこと。勝敗に関係なく、相手チームにエールを送る光景もよく見かける。ビギナーも家族連れも安心して楽しめる空気はそのままに、他のプロスポーツとは一線を画すような『Bリーグらしさ』が根付いていくことを願っている。

シックスマン

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