男の勝負服！ここぞという時の“香るシャツ”発売

12月21日、ワイシャツメーカーの山喜は「『オトコ香る。』フレグランスシャツ」（3045円/8種類）を発売した。この商品、繊維に香り成分を含んだマイクロカプセルを付着させたもので、着用するとその摩擦や圧力によってカプセルが壊れて、ほのかな薔薇の香りが漂ってくるというもの。臭いを抑えるといったネガティブなイメージの消臭機能付衣類は珍しくはないが、香りを発散する“ポジティブな衣類”は初めての試みだ。

「ニオイ加工素材は以前から知っていましたが、当時はまだ時期尚早でした。それから月日が経ち、繊維メーカーの展示会で“香りブーム”が来ていると実感しました。若者への訴求力も強いですから、“これはいける”と思いましたね」(商品マネージャー・林さん)

購買ターゲットは、おしゃれに敏感な20代の男性に設定。若年層対象の商品を開発するに当たっては特別な理由もあった。実は、同社の主な顧客層は比較的年令の高い層が中心。つまり、新しい若年層の市場開拓が市場戦略上、欠かせないものとなっていたのだ。そこで、品切れ続出の人気男性化粧品シリーズ「オトコ香る。」を香りの元に採用したという。

通常であれば“香り”という付加価値を付ける分、もっと割高に設定してもおかしくない。3045円という価格設定にしたのは「香りの持続は永久ではありません。10回ほど洗濯すると効果はなくなってきます。新しい戦略商品ですから、デザインにウエイトをおいた自信作を若者でも買えるお手頃価格で提供したい、という思いもありました。その結果、香りのないシャツと同じ価格帯となった」（同上）からだそうだ。

試験的に生産された6000枚は、すでに地方の展示会で品薄状態となる大反響ぶり。バレンタインデーなど女性から男性へのギフト需要も見込めるため、2011年には最低でも数倍の生産を予定しているという。心に残る特別な日を演出するためのツールとして、用意しておくだけでも楽しくなるアイテムだ。【東京ウォーカー】