誰にでも共感できる青春映画『ホットギミック ガールミーツボーイ』 堀未央奈・清水尋也が明かす役へのアプローチとは

関西ウォーカー

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相原実貴の少女漫画を乃木坂46の堀未央奈主演で映画化した『ホットギミック ガールミーツボーイ』が6月28日(金)より公開中。自分に自信が持てず初めての恋に悩む主人公・成田初(はつみ)と彼女に恋する3人の男性が織りなす青春ストーリー。

映画『ホットギミック ガールミーツボーイ』が現在公開中


2016年公開の映画『溺れるナイフ』で多方面から支持される山戸結希監督が堀の存在感とみずみずしさに熱望して主演に大抜擢。堀は映画初主演ながら『第22回上海国際映画祭のアジア新人部門・優秀女優賞』を受賞し公開前から話題となっている。今回初役の堀未央奈と不器用な初の幼馴染・橘亮輝役の清水尋也にお話を聞いてみた。

少女漫画の原作と山戸結希監督の演出


自分に自信が持てず初めての恋に悩む主人公・成田初を演じた堀未央奈


原作は累計販売部数450万部を超える大ヒット少女コミック。堀は「今回出演が決まって初めて読んでみたのですが、一般的な恋愛少女漫画というよりも人間関係が複雑で先が読めない、こういう少女漫画があったんだっていう発見と共感してしまい読んでて苦しい少女漫画でした」と新鮮味に溢れていたという。しかし、漫画の世界をそのまま映像化するのではなく映像化作品として落とし込みながら作り上げなければならないと言う清水は「もちろん原作は意識しますが、そこに捕らわれてしまうと映画化した意味が薄れてしまうので、本筋を捉えながら山戸監督テイストが加わった映画ならではの『ホットギミック』になればと思いました」と話す。

不器用な初の幼馴染・橘亮輝役の清水尋也


堀は乃木坂46の『ハルジオンが咲く頃』のミュージック・ビデオで清水とは2014年公開の『渇き。』のDVDの特典映像でそれぞれ一緒になることがあったという山戸監督。2人は初めて山戸監督作品の映画に出演してみて刺激的だったと話す。堀は「歩数を決めて動きを指示するのではなく、『〇〇のように』といったニュアンスで指導をされる方なんです。初めは理解するのが難しかったですが、撮影が進んでいくうちに斬新で挑戦的で楽しい現場でした」と振り返る。

山戸監督が指導する独特な演出が刺激的だったという


清水は「自分じゃない人間を演じるので毎回試行錯誤なんですけども、当日セリフが増えるんですよ」と毎回変わるセリフに戸惑ったのだという。「監督も僕たちのお芝居を見て最初に想定した『ホットギミック』という脚本から多分どんどん変わっていったのだと思います。全体のストーリーは変わらないんですけど、『堀さんが演じる初はこういう言い方はしない』とか。それで毎日山戸さんの中でもアップデートされて脚本が変わっていきましたね」という監督ならではの演出方法に撮影ギリギリで読み合わせをしたというほど。清水は初と亮輝が公園で勉強するシーンはそのセリフの分量、初めとは違う内容に特に印象深いものになったと話した。

堀も「現場に入ってる途中で口頭で言われることがあります」とそれに同感した。監督の現場で感じた空気感をそのまま作品に投影させることにより新鮮なものになっているのだと語る。

役作り、俳優として


役作りへのアプローチを語ってくれた


堀は初を演じるに当たって、もともと自分の意見をはっきりと言うような性格ではなかったと振り返り「乃木坂46に入ってセンターになった時に緊張のあまりずっと顔が固まることがあって、それで周りから『不思議ちゃん』とか『ミステリアス』というイメージを持たれがちでした。でも本当の自分はおしゃべりが好きだし、表情も豊かな方だと思っていて現実と理想のギャップに悩んだ時期がありました。理解してもらいたいという思い、もどかしさみたいなものは初ちゃんを演じる時に引っ張り出してきた感情です」と自身の経験を演技に用いたと話す。

自分に自信が持てず初めての恋に悩む主人公と彼女に恋する3人の男性が織りなす青春ストーリー(c)相原実貴・小学館/2019「ホットギミック」製作委員会


対して清水は役とプライベートを分けるようにしていると話し「演じる役の気持ちを自分の中から見つけようとすると、家庭環境、友好関係や生い立ちなど自分とは違う部分が必ず出てくると思います。だったら一切を切り離して自分のプライベートから感情を引用せずにゼロから偶像を自分の中で芝居をしながら作っていった方がやりやすい」「それに、そういうアプローチをしていくと自分と似た役ばかりしていくようになると思うんです、その方がやりやすいので。そうすると得意が生まれて、同時に不得意も生まれてしまう。僕はどんな役でもフラットにできるようにと思っています」と俳優としての思いを語ってくれた。

共感できる女の子のための青春映画


不器用がゆえに初の弱みを握り『奴隷』として扱おうとする亮輝(c)相原実貴・小学館/2019「ホットギミック」製作委員会


本作の共感できるところについて聞いてみた。清水は「正直男としては女の子の気持ちを理解できない部分もあります。でも、この映画は恋愛を題材にしてるけど、恋愛だけではなくて『人として何か答えを見つけて、自分が自分である』ということを見つけるストーリーなので青春という部分に焦点をあてるとすごくリアルに描かれてると思います」と話し、思春期に訪れるモヤモヤとした感情、このままではいけない焦燥感などが上手く表現されているのだと語る。

堀は「初ちゃん演じていて共感できる部分がたくさんあったので、特に10代、20代の女の子は自分の身の回りで起きていることとか自分が経験してることに近いと思います。そこに監督の狙い通りの今現在の時代の女の子に寄り添った話にしたいというのが表れています」と答え、共感できるからこそのプレッシャーがあったのだという。「初ちゃんを背負って演じるとなると何が一番いい方法なのか、演じきれるかという不安がありました。でもキャストの皆さんと芝居を重ねるうちに率直に思ったことを真っすぐに伝えるというやり方が一番見てもらった人に伝わるんじゃないかという考えにたどり着きました」堀はその演技が評価され見事『第22回上海国際映画祭のアジア新人部門・優秀女優賞』を受賞。周りに支えられてからこその受賞だと謙遜交じりに話し「このことをきっかけに上海やいろいろな国の人に『ホットギミック』という作品を知ってもらい、世界中の男の子や女の子を救える映画に育っていければ」と呼びかけている。

堀は本作で映画初主演ながら『第22回上海国際映画祭のアジア新人部門・優秀女優賞』を受賞(c)相原実貴・小学館/2019「ホットギミック」製作委員会


最後に清水は「ポスターにも書かれている『3つの初恋。1つの答え。』これは恋愛の答えという意味以上に人として成長した答えということでもあります。初や亮輝はもちろん、梓や凌の明日がどうなるか分からないし、明日にはこの気持ちはなくなってるかもしれないけど、それでも明日に向かって答えを見つけて前に進んでいくストーリーとなっているので、今までの恋愛映画という枠に収まらない作品になっていると思います」とあらゆる人に当てはまるものがあるとアピール。

堀も「山戸監督からオファーをいただいたとき『女の子のための映画を作りたい』とおっしゃっていて、それに応える作品になっていると思います。なので今現在10代、20代の青春をしている女の子達には絶対『強制的』に見ていただきたいです(笑)。私自身も空っぽであやふやな10代の時に、この『ホットギミック』に出会えていたらもっと救われたことがあるんじゃないのかなと考えたりするので。またそうじゃない大人の方も忘れかけていた感情が見てもらえれば思い出されたりすると思うので幅広い形に見ていただけると嬉しいです」と呼びかけた。

『ホットギミック ガールミーツボーイ』は6月28日(金)より全国公開中。

桜井賢太郎

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