筒井真理子「喫茶店で皆さんの感想を聞きたい」、映画『よこがお』公開記念舞台挨拶
東京ウォーカー(全国版)
映画『よこがお』の公開記念舞台挨拶が7月27日(土)にテアトル新宿で開催され、キャストの筒井真理子、市川実日子、池松壮亮、吹越満、監督の深田晃司が登壇した。
同作は、とある事件をきっかけに「無実の加害者」へと転落した女・白石市子を主人公に、運命を受け入れ、ふたたび歩み続けるまでの絶望と希望を描くヒューマンサスペンス。主人公で訪問看護師の市子を筒井が、訪問先の大石家の長女・基子を市川が、基子の恋人で美容師の米田和道を池松が、市子の婚約者である戸塚健二を吹越が演じる。

冒頭の挨拶で筒井は「ご覧くださった方から『今まで見たことがない映画』、『一週間ぐらいずっと考えている』といった感想をいただいていて、これからどんな風に(作品が)育っていくのかが楽しみです。時間があれば喫茶店で皆さんひとりひとりの感想をお聞かせいただきたいぐらい」と公開後の思いを語った。

深田監督も「作り手と作品は親と子の関係に近いなと。親が子供のことをすべて知っているかといえばそんなことはない。作るだけで完成じゃなくて、お客さんに見てもらい、リアクションを聞いて『ああ、自分はこんな映画作っちゃったんだな』と分かることがよくある。こっそりチーム一同見たりしますので、ぜひSNSなどで感想を書いてくれれば」と観客それぞれの感想を期待した。

本作を観た感想を聞かれ「一番最初に思ったのが、台本よりさわやかだった」と話す市川。「心はえぐられるんですけど(さわやかに感じるのは)なんでかなと。きっと監督が根の明るい方なんだろうなと」と、演者の視点から作品の雰囲気を語った。
吹越は「とりあえずはひどい話だなと思って。『ヤダなー、俺!』って思いながら観ました」と笑いを誘い、「ずっと考えてたのは、なんで『よこがお』ってタイトルなんだろうって。人は誰かと対面した時、正面を見て挨拶するわけですが、たまたま隣になった人、コミュニケーションを取ってない人を見る時は横顔なんですよね。その人を全部知ろうと思うと全部見なきゃいけないけど、横顔だけでは抱えているもの全部は分からない」とタイトルを分析。深田監督も大きくうなずきながら聞いていた。

役作りの意識を訊かれた池松は「深田監督の脚本は無自覚や無意識の部分を抽出する印象が深かった。キャラクターにも作品にもとにかく加担しないことで、(自身の演じる)和道が被害者なのか加害者なのかすらもよく分からないところで演じられるんじゃないかと」と、独自のアプローチで役に臨んだことを明かした。
深田監督は、2016年の『淵に立つ』以来再びタッグを組んだ主演の筒井について「今回は脚本を書く前から筒井さんに出演いただけることが決まったので、こちらとしてはすごく自由なキャンバスがもらえたようなもの。筒井さんならここまで演じられるということもあるし、役者魂あふれる方なので何を書いてもやってくれるだろうと。何でも書ける幸せな時間だった」と、役者としての筒井に対する信頼をのぞかせた。

また、本作が第72回ロカルノ国際映画祭 国際コンペティション部門への正式出品決定を受けて筒井は「商業面に偏らず自由な精神を保ちながら、クオリティ高い作品を選んでくださる歴史の深い映画祭ということで光栄に思っております」と喜びを明かし、深田監督は「信頼する同世代の映画監督たちが行っていたこともあり、ここ数年一番憧れていた映画祭。自分も早く行かねばと思っていたので嬉しく思っています」と話した。
映画『よこがお』は角川シネマ有楽町、テアトル新宿ほか全国で上映中。
国分洋平
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