教師や大学生も!「テンペスト」沖縄ツアー、アテンドは一般人の“公認ガイド”

東京ウォーカー(全国版)

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この春、仲間由紀恵主演による舞台化、NHK連続ドラマ化が決定した池上永一氏のベストセラー小説「テンペスト」。琉球王朝末期を舞台にした同作にちなみ、2月より作者・池上氏公認の沖縄ツアーもスタートするなど話題は尽きない。なかでもこのツアー、テンペストの世界観を体感できるとあって注目を集めているが、ツアーを一緒に回るガイドも興味深い。なんと、教師や大学生など、公募によって集められた一般人の“テンペスト好き”が公認ガイドとして旅をアテンドするのだ。

「テンペスト」とは、19世紀の琉球王朝を舞台に繰り広げられる波乱万丈の歴史ロマン。真鶴(まづる)という名前と女としての生き方を捨て、宦官として王室にあがった孫寧温(ソンネイオン)が、王国の問題に立ち向かいながら、男として、そして女として懸命に生き抜く姿を描くエンターテインメント物語だ。

そんなテンペストの世界を体感できる今回のツアーは、ただの史跡巡りではない。4コースそれぞれ、貸切タクシーや徒歩で首里城、万座毛(まんざもう)、三重城(みーぐすく)、斎場御嶽(せーふぁうたき)などの史跡を巡るのだが、その場所ごとにテンペストの物語に思いをはせ、イメージを膨らませることで、より深くテンペストの世界を楽しめるという仕組みなのだ。そこで重要なのが、テンペストの世界観を理解し、物語と実際の史跡の知識を結びつけるガイドの存在が重要と言うワケ。

今回の公認ガイドの公募で集まったのは30人余り。参加資格は「琉球王国の歴史・文化に興味があり、テンペストを読了した健康な方」ということで、現地沖縄のバス会社に勤める現役バスガイドはもちろん、小学校教師、中学校教師、大学生、首里城の専門ガイドなどバラエティー豊かなメンバーが集まった。全員に共通するのはもちろん「テンペストが好き」ということだ。

だが、現役のガイド以外、旅のアテンド経験がない人がほとんど。そこで、同ツアーの監修・講師を務める沖縄の歴史研究家・上里隆史氏と近畿日本ツーリストがガイド研修会を実施。研修会では、琉球王朝の歴史の勉強から、実際にツアー当日と同じコースを巡る実地訓練まで丸4日間みっちりと行われた。

研修会に参加した琉球大学4年生は「テンペストが元々好きだったので、このガイドに応募しました。ガイドの経験はありませんが、テンペストの登場人物の気持ちになりきって、お客さんに説明などができたらいいと思います」と目を輝かせる。一方、バスガイド歴15年の女性は「普段はバスの観光コースのシナリオに沿ってガイドをしているが、今回はテンペストのストーリーを織り交ぜながらガイドをしないといけないので難しい。お客さんのイメージを壊さないようにしたい」とベテランながらも気を引き締め直していた。

実地訓練では、回が進むにつれ、テンペストの物語をアドリブで引用し、分かりやすい説明を心がけるなど成長が見られたガイド研修生たち。講師を務めた上里氏は「マニュアルは最低限なので、後は公認ガイドの方々にアレンジしていただきたいんです。ガイドのみなさんは、キャラクターや場面にそれぞれ思い入れがあると思うので、そのような自分の気持ちを込めて、自分流に伝えてくれればお客さんも喜んでくれると思います」とエールを送っていた。

シナリオの丸暗記、棒読みでは今回のツアーの魅力は半減してしまうのは明らか。ガイドの経験はなくとも、テンペストへの強い思い入れがあれば、きっとお客さんを楽しませる案内はできる、そんな思いからきっと今回の一般公募が行われたに違いない。研修を終え、“公認ガイド”として認められた彼らは、現在本番に向けて最終の自主練習の真っ最中。どのガイドがアテンドにつくかは当日まで分からないが、旅の楽しみの一つとして、公認ガイドによるオリジナルのアテンドを期待してみるのもいいだろう。【東京ウォーカー】

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