“驚き” と“発見”をくれる塩専門店「solco」
東京ウォーカー(全国版)

オーナーの田中園子さんが「solco」を戸越銀座にオープンさせたのは2014年。宮城県石巻市を旅行した際に出会った「伊達の旨塩」のおいしさに魅せられ、のちにソルトコーディネーターの資格を取得した田中さん。戸越銀座に店を構えたのは、会社勤めをしていたころからこの街に住んでいて勝手知ったる場所だったという。
「生活者として戸越銀座が大好きでした。友人が訪ねてきたときは、自分のことを自称“戸越コンシェルジュ”とよび、ここのパン店ではカレーパン、このお店ではこのお煎餅がおいしい!って紹介してたくらいです」と田中さん。

白と黒を基調とした店内には45種以上の塩がそろう。整然と並べられた塩の数々は、一見すると、まるで香水が並んでいるかのよう。このスタイリッシュなボトルの正体は、なんと、研究者が実験で使う熱や酸に強いガラス製の培養試験管。思わずコレクションしたくなるフォルムであると同時に、塩を保管するのに最適なボトルというわけだ。
想いが詰まった作り手のストーリーを添える

「solco」の塩は全種類試食OK。実際に手にとって味わえるだけでなく、ナンバリングされた塩一つ一つに、特徴や作り手のストーリーが記された田中さんからのメッセージが添えられている。
「実はね、塩を売ることよりも、どんな土地でどんな風にして作られているのかという物語を伝えたいんです」と田中さん。例えば「伊達の旨塩(008)」(税抜850円)には「塩は単なるしょっぱい白い粉ではない!と衝撃を受けたほどの濃い旨みがあり〜(中略)、牡蠣の養殖が盛んな湾の海水をくみ、誰にもまねできないというこだわりの自作の釜を使って、家族二人三脚で丁寧に作られています」と記されている。
同店に並ぶ塩は色や形状が多彩なことからその華やかさに目が行きがちだが、こうしたメッセージを読むことで、より深い知識を持って塩を選ぶことができる。

さらに同店には塩を選ぶ際にもってこいの相棒が。それは「塩結び(えんむすび)」(税抜1個250円)のおむすび。玄米と白米(どちらも福島県産無農薬米)があり、好みの塩をかけることができる。
店に訪れた人は「この街に住んでいてsolcoにも何度か来たことがある。今日はユニークなお店があるよと友達を連れてきた」とのこと。おにぎりを購入して塩を試すお友達は、「こんなに味が違うなんてビックリ!」と驚いていた。ちなみに相棒はおむすびのほか、ジェラートもある。
戸越銀座ブランドの塩のほか、地元を盛り上げる活動も

ワインの搾りかす”マール”を海水に混ぜて作った「酒田の塩 赤ワイン塩(706)」(税抜1150円)や、キャラメルのような香ばしさが特徴の「ローソク島 藻塩(001)」(税抜1050円)、東日本大震災で亡くなった職人の思いを受け継ぎ、地元有志が復活させた「気仙沼 岩井崎の塩(018)」(税抜1050円)など、イチオシの塩をあげるとキリがないが、 “とごしぎんざブランド”の一つ「とごしぎんざのソルト/カレー塩(703)」(税抜950円)も人気。
「スパイスのプロ"シャンカール野口氏″と一緒に、ターメリックや有機コリアンダーなど材料と配合にこだわって作りました。戸越銀座のコロッケと一緒にどうぞ」と田中さん。

商店街の活動にも積極的に参加している田中さんは、様々な形で人との縁をつなぎ発信している。店の一角で塩にまつわるアイテムや食品を紹介したり、地域で活動するアーティストたちとコラボしたギャラリーを不定期開催するほか、地域を盛り上げたいという人たちが集い活動する“togoship(トゴシップ)”を主催。
「やりたいことはまだまだたくさん(笑)。solcoで広がった縁を大切にしながら、これからもいろんなことに携わり、情報を発信していきたいです」
物珍しさから「solco」を訪れてみたら、想像以上の塩の種類と物語を知り、地域で活躍するアーティストの作品や街の活動にも触れることができた。ここはそんな驚きと発見を与えてくれる唯一無二の店のようだ。
※solcoはAmexとJCBの地元を応援するプログラム「SHOP LOCAL」参加店です
CRAING
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