上野聖和のちかっぱフットボール裏狙い 〜Vol.1〜
九州ウォーカー
九州・福岡のお笑い界で1、2を争うほどサッカーを愛する男、上野聖和(土居上野)がナビゲートする「ちかっぱフットボール裏狙い」。テレビや専門誌では語られない、本当に知りたいサッカーの裏話を毎回ゲストと共に自由に語り尽くします!
ナビゲーター紹介

上野聖和:1988年生まれ。福岡県鞍手町出身。お笑いコンビ「土居上野」(ワタナベエンターテインメント九州事業本部)のボケ担当。高校と大学時代にサッカー部に所属。地元テレビ局やインターネット番組などで自身のサッカー番組を持つほどのサッカー狂。アビスパ福岡のサポーターとしても有名で、スケジュールが合う限りレベルファイブスタジアムに足を運ぶ。
今回のゲスト紹介

--1回目のゲストは、鹿児島ユナイテッドとザスパクサツ群馬で選手経験のある陸守康汰さんです。そもそもお二人はどんなお知り合いなんですか?
上野聖和(以下、上野)「陸守くんとは飲み会で知り合ったんですよ。『上野さん、僕サッカーやってたんですよ』って声かけられて。何といってもイケメンなので初回のゲストは彼しかいないなと」
--そうなんですね。よろしくお願いします。
陸守康汰(以下、陸守)「よろしくお願いします!」
上野「福岡のどこの高校出身だっけ?」
陸守「福岡西陵高校出身です。サッカー部の先生が元ジェフユナイテッド千葉出身の方でその先生の下についていたコーチが鹿児島ユナイテッドのコーチを紹介してくださって、記念受験的にテストを受けに行ったらたまたま受かってしまいまして」
上野「おお、すごい!」
--その後、ザスパクサツ群馬を経て昨年惜しくも引退されたんですよね。
陸守「はい。ザスパクサツ群馬退団後は別チームに行く予定だったんですけど、怪我の影響で引退することなりました」
--今は何をされているんですか?
陸守「福岡市内でRAPAS(ラパス)っていうトレーニングスクールを運営しながらサッカーの指導者を目指しています。今日は元選手の立場でいろいろお話できればなと思ってます」
上野「今いくつだっけ?」
陸守「21歳です」
--若い!それにしてもイケメン!
久しぶりに日本代表が参加したコパ・アメリカ

--ちょっと前の話ですけど、今回のコパ・アメリカには日本代表が参加しました。九州に縁のある選手では、大分トリニータ所属のGK小島亨介、DF岩田智輝、サガン鳥栖所属のDF原輝綺、鹿児島出身のGK大迫敬介(サンフレッチェ広島)、熊本出身のDF植田直通(ブルージュ/ベルギー)、福岡出身のDF冨安健洋(ボローニャ/イタリア)が選出されました。
陸守「僕、冨安選手と同い年なんですよ。同じ福岡出身なので小学校時代から知ってるんですけど、当時からめちゃめちゃうまかったですよ!」
上野「あ、そっか!陸守くんも東京五輪世代だ」
陸守「そうですそうです!」
上野「もう、何やってんのよ!こんなところで!(笑)」
陸守「あはは(笑)。いや、本当に冨安選手は小学校の頃からずば抜けてましたよ。身長も高かったしうまかった」
上野「今回も安定してたよね。今までの日本人にはないセンスというか、DFとして体格も恵まれてる。井原さん(元アビスパ福岡監督)に教えてもらっていたのも経験値として大きかったね」
--九州出身ではないですけど、ボランチの柴崎岳(デポルティーボ・ラ・コルーニャ/スペイン)がすごく良かったですね。
上野「よかった!うまくチームをまとめてましたよね。貫禄出まくりでしたね。陸守くんが見てて良かった選手は?」
陸守「中島翔哉(ポルト/ポルトガル)と久保建英(レアル・マドリード/スペイン)ですね。ボールの受け方が抜群にうまかった!世界トップレベルを相手にあそこでボール受けられる選手はなかなかいないですよ!」
上野「結構下りてきてボールもらってた印象だけど、あれはチームの指示なのかな?」
陸守「そうだと思いますね。でもあれだけハーフスペースをうまく使われたら相手も嫌だったと思いますよ」
--日本代表はDFが4バックでしたね。直前の親善試合では3バックだったのでちょっと意外でした。
陸守「今回召集メンバーが若手主体というか、A代表デビューの選手が多いという事情もあって、これまで慣れ親しんだシステムを使わざるを得なかったんだと思いますね」
上野「ちょっとね、僕は納得いってない感じなんですよね。歴史ある大会で本当にベストメンバーなのかっていう」
陸守「まあ、ベストではないですよね」
--チリ戦では右SBの先発が原だったんですけど、実は直前までサガン鳥栖ではあまり試合に出れてなかったんですよね。しかも本職の左ではないという。それで久しぶりに試合に出たと思ったらA代表で、しかもコパの初戦で、相手があのサンチェス!(笑)
上野・陸守「あははは!(笑)」
上野「これって実際どうなの?元選手から見てもやばいよね?」
陸守「正直言って、試合勘全くないと思いますよ。入りきれてない部分もありましたね。やっぱり」
上野「試合に入りきれてないってどういうこと?」
陸守「練習試合と公式戦って全然違うんですよ。気持ちの持ち方とか。フワフワした部分が必ずあるんですよ。僕も試合出れない方だったのでよく分かりますけど、リーグ戦が終わった後に絶対サブ組でゲームがあるんですね。大学生のチームとかと。でもそれとJの試合って全然違うんですよね」
上野「試合勘ってよく言うけど、そもそも試合勘ってなに?」
陸守「プレイは一緒ですよ。同じサッカーだから。練習試合しても。でもやっぱり緊張感が違うんですよね。気持ちの入り方が全然違う。相手も違うし」
上野「例えば怪我明けとかだと、感覚的にボールタッチや軌道がちょっと違うのもそう?」
陸守「それもあると思います。トラップとかパススピードとかが試合だと全然違うんですよ。スピード感に慣れないんですよ。だから、久しぶりの試合で相手が南米の選手で、しかもチリとかウルグアイとか世界レベルの選手だったら普通はパニックですよね」
上野「あれですかね。例えば久しぶりにめっちゃかわいい彼女ができて、LINEのやり取りをしてると返事の内容とかタイミングがわからないみたいなこと?(笑)」
陸守「それはちょっとよく分からないですけど(笑)」
--FWの選手についてはどうですか?
上野「上田綺世(鹿島アントラーズ)は本当に良かった!南米の一流選手相手にあれだけのチャンスを作れる大学生いる?シュートは外したけど、あれはすごかったと思う。すごいFWが出てきたと思う」
陸守「大学レベルじゃないですよね」
上野「すごい気持ちが前に出てて本当によかった。ボール持っても上手いし、高さもあるし、ちゃんと最後までやり切ってた」
--べた褒めですね!
上野「いや、もうほんと、今回最大の収穫だと思いますよ」
--あとはやっぱり久保建英ですよね。文句なしで別格でしたね。
上野「そりゃレアルにも行くわって感じだったよね。同世代から見てどうなの?やっぱ別格?」
陸守「あれは上手すぎてわけわかんないですよ。次元が違いすぎます。日本人のレベルではないですよね。絶対将来は世界トップレベル狙えますよ」
チームは違ってもサッカー選手ってみんな同僚みたいなもの

--この大会の後に久保がレアル・マドリード、安部裕葵がバルセロナ、冨安がボローニャに移籍しましたね。
陸守「すごいですよね。ちょっと前じゃ考えられないです」
--陸守さんも現役時代に移籍を経験されてますよね。
上野「サッカー選手の移籍って、実際どんな感じで話が進むの?」
陸守「僕の場合はちょっと特殊で、高校出てから最初は鹿児島ユナイテッドのサテライトから始まったんですけど、2年目にチーム方針が変わった時に戦力外通告を受けまして。練習にも参加できない状態だったんで自分から辞めましたね」
上野「次のチームが決まる前に?」
陸守「そうです。何も決まってない状態で」
上野「それもまたすごいね!で、その後がザスパクサツ群馬だっけ?」
陸守「その前に他のチームのテストとか受けたんですけど、(チームが求めている)ポジションとうまく合わなかったりとか、経験のあるベテランの選手が欲しいとか、いろんな事情でなかなか決まらなかったんですけど、最終的にはザスパクサツ群馬のサテライトに入れてもらえました」
上野「サテライトのテストってどんな人が来るの?」
陸守「それこそごっちゃ混ぜですね。元Jの人もいれば、JFLや大学生もいます」
--高校選手権とかインターハイとかで活躍した選手もなかなかプロには行けないですよね。
陸守「だから僕はその人たちよりうまいと思ったことは一度もないですよ」
上野「高校の成績ってどうだったの?」
陸守「県でベスト32止まりですね。だから鹿児島ユナイテッドのテストを受けたのも記念受験みたいなものでした。受かったのもほぼラッキーだと思ってます」
--サテライトって正直なところ給料はどれくらいもらえるんですか?
陸守「僕は一番下の契約だったんで全くもらえませんでしたね」
上野「え!じゃあ0円契約なの?」
陸守「0円です。だからバイトしてましたね」
上野「へー!サッカー選手も大変やね!」
--移籍したら当然ですけどチームメイトも全部変わりますよね。今まで対戦相手だった人たちともすぐ仲良くなれるものなんですか?
陸守「直接の知り合いじゃなくても共通の知り合いがたくさんいるので、基本的にすぐに仲良くなれますよ」
上野「やっぱり狭い世界なので仲間意識は強いよね。試合中にバチバチしあってもピッチの外では引きずらないし、基本はみんな仲がいいよね」
--あ、そうなんですか?普段、他のチームの選手とはどれくらい仲がいいんですか?
陸守「チームは違ってもサッカー選手ってみんな同僚みたいなものなので。周りやメディアが勝手に対立関係作ったりしますけど、本当にみんな仲がいいですよ」
--会社員だと嫌いな上司とか同僚とか結構いたりするんですが(笑)
陸守「やっぱりそこは一般の人と違いますよね。普通の職場環境とは違うから仲間意識が強い。そこはやっぱりスポーツマンシップだと思いますよ。試合中に感情的になったとしても基本的にはみんな尊敬しあってますしね」
--ちなみにお笑い芸人の世界だとどうなんですか?
上野「そうですね。例えば、同じ事務所だった人が他の事務所に移籍して、M-1とか賞レースに出て決勝に進んだとして、おめでとう!は、・・・んん、言わないですね」
--言わないんだ(笑)
結果が欲しいアビスパ福岡

--最後にちょっと触れないといけないんですけど、上野さんと言えばやっぱりアビスパ福岡ですが、今年はなかなか厳しいシーズンですね。
上野「今はちょっといろいろ辛いですね。陸守くんから見て今のアビスパってどう思う?」
陸守「この前、試合観に行ったんですけど、僕が見た印象では3バックがちょっと機能してない感じでしたね」
上野「つまり攻撃と守備が噛み合ってないってこと?」
陸守「システムがうまくハマってないというか、点が欲しいから前に行きたいんですけど、3バックだとどうしても両ワイドの裏を取られやすい。そうすると後ろにズルズル下がって5バックになりがちなんですよね。それでなかなか前に行けないので、前と後ろの連動がうまくいってないんじゃないかなと」
上野「なるほどね!」
陸守「ボール回しとかはめちゃくちゃうまいんですよ。全然J1でやってても遜色ないくらいみんなレベル高いと思います」
--今シーズンは前半を折り返した時点で無失点の試合が数えるほどしかありませんでした。
上野「どうにか失点を抑えてほしいよね。守備があっての攻撃だと思うんだけど」
陸守「もう少しそれぞれのポジションが連動した守備が必要ですよね。あと一歩早く動けるかどうか。技術だけじゃなくて気持ちや意識の問題が本当に大きいと思います。こうやって口で言うのは簡単なんですけど、やってる選手は本当に大変だと思います」
上野「とにかく結果が欲しいよね。選手はみんな頑張ってる」
陸守「選手は必死だと思いますよ。精神的にも肉体的にも辛い時期だと思いますけど、一踏ん張りして残留して欲しいですね」
※Vol.2は9月頃に配信予定
田崎紀之
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