伊藤純奈(乃木坂46)「より女性らしく見えるように意識して演じています」
東京ウォーカー(全国版)

8月9日から8月18日までの日程で、東京・池袋のサンシャイン劇場で上演中の舞台『オリエント急行殺人事件』。“ミステリーの女王”アガサ・クリスティの代表作を舞台化した本作は、大阪・名古屋での公演を終えて東京へ上陸した。絶世の美女 アンドレニ伯爵夫人役として出演する伊藤純奈さん(乃木坂46)に、作品の魅力や役柄について、舞台挨拶の前にお話を聞かせていただきました。
ラストにかけての大事な役なので緊張する
――今回、演じられるアンドレニ伯爵夫人という役について教えてください。
【伊藤純奈】若くして医大生となった、品格ある伯爵夫人の役となります。すんと澄ましている表情と、かわいらしいキャラクターのような表情… その両面を併せ持っている役なので、東京公演では、そこをより濃く演じていきたいです。
――絶世の美女という設定ですね。
【伊藤純奈】最初は伯爵夫人らしく高貴な女性という印象なのですが、物語の途中からガラッと愛されキャラに変わっていくのが、私の感覚的にもかわいい人だなと思いました。登場人物みんながアンドレニ伯爵夫人を守りたいと思ったり、かわいがっていただける役です。
――ある意味で、物語の中心にいる役とも言えますね。
【伊藤純奈】皆さんにかわいがっていただく、という意味ではそうなのかもしれません。楽屋でも、私ひとりだけ年齢が若いので、まわりにお父様、お母様方がいっぱいいて(笑)。まるで子どものようによくしていただいているので、そういった背景も舞台のうえでにじみ出ているかもしれません。
――役づくりとして、意識されているポイントはありますか。
【伊藤純奈】歩き方や所作を注意するようになりました。もともと、おしりをプリプリ振って歩いてしまったり、走り方もぴょこぴょことするクセがあったので、シュッとした印象をもっていただけるように意識して演じています。

――より女性らしく、きれいな歩き方になられたんですね。
【伊藤純奈】共演者の春風ひとみさん(ロシア貴族 ドラゴミロフ公爵夫人役)からも、所作を教えていただきました。お稽古の段階から、ヒールを履いたり、タイトスカートを着用したり。「イスから立つ時は、こういう所作をすると女性らしく見える」とか、とても細かく教えていただいたので、意識しながら演じています。
――「七色いんこ」(2018年10月に上演された、伊藤純奈さんが主演を務めた舞台)とは、大きく違った役ですね。
【伊藤純奈】はい。あの時は、すごい男っぽい所作を意識していて、そのまま私生活まで引っ張られてしまって、大変でした(笑)
――今回の役側では、どんなポイントが大変だと思われましたか?
【伊藤純奈】アンドレニ伯爵夫人はキーパーソンというか、ラストにかけての大事な役なので緊張します。演出の河原雅彦さんからは「アンドレニ伯爵夫人が発端となって感情を出していかないと、舞台全体の、みんなの感情が動きはじめない」ということを何度も指摘されて… 。本当にそうなので、そこはすごく大変でした。
――気持ちの込め方、高め方みたいなことでしょうか。
【伊藤純奈】自分のなかで、いろいろと想像をふくらませて気持ちをつくっていかないといけなかったり、意識のつくり方が大変でした。演出の河原さんには「セリフのシーンも大事だけど、セリフがない時の佇まいとか、リアクションとか、それが本当に大事だ」ということを教えていただきました。

大阪公演と名古屋公演で、少し内容が変わっている
――伊藤純奈さんが思う今回の舞台の魅力を教えて下さい。
【伊藤純奈】今回の舞台は、大阪・名古屋からはじまって、東京公演になるのですが、実は大阪でスタートした時からは内容が結構変わっていて。松村武さん(オリエント急行の社員 ブーク役)と、主演の小西遼生さんが「このシーンにコレをひとつ足そう」とか、「ここの笑いがもっと欲しいから、少し変えよう」とか、いろいろと話し合われていました。
――大阪、名古屋、東京と、それぞれ笑いのポイントも異なりそうです。
【伊藤純奈】はい。実は大阪公演と名古屋公演では、すでにコメディパートの内容が少し変わっているんです。
――東京公演でも変更がありそうですね。
【伊藤純奈】おふたり次第です。私は、もう身を委ねています(笑)。
――皆さん、アドリブでセリフを遊ばれたりもしているのでしょうか。
【伊藤純奈】私はスタンダードで、皆さんの言葉あそびの様子を楽しく拝見しています(笑)。ただ、どの回を観劇されても変化があるのはいいですよね。

いつかは妖艶な大人の女性を演じてみたい
――舞台女優は、アイドル活動とは、また違ったお仕事ですね。
【伊藤純奈】はい。私はグループアイドルなので、ステージ上でも、みんなでカバーし合ってライブを作り上げているのですが、舞台だとセリフが出てこないと、それまであたためてきた空気感が変わってしまったり、セリフの掛け合いのテンポが崩れてしまったり、責任重大です。
――今回、演じているなかでも“ピンチ”という場面はありましたか?
【伊藤純奈】私はなかったのですが、先輩方の演技を見ていて「アレ?」っと思うことは(笑)。ただ先輩方を見ていてすごいと思うのは、観劇されているお客さんには、セリフを飛ばしていることが絶対にわからないようなアドリブでカバーされているところです。すごく、それっぽいセリフを、その役になりきって発言されるので、さすがだなと。舞台裏でも、その失敗談を皆さんで笑い合っていたり。とても勉強になります。
――伊藤さんは、演出から一歩踏み込んで思い切って挑戦してみよう、みたいなことはありましたか?
【伊藤純奈】最近は、シーンによって挑戦してみたい気持ちが芽生えてきました。お客さんにとっても、そのライブ感が醍醐味になっていたりするんだなって。たとえば、少し茶目っ気を出してもOKなシーンで、共演者の皆さんに相談しながら、でも演出の河原さんには内緒で… みたいなアドリブを入れています(笑)
――最後に、今後演じてみたい役柄を教えてください。
【伊藤純奈】昨年の11月に20歳になって、私も成人しましたので、いつかは妖艶な大人の女性を演じてみたいです。

撮影=田中智久 取材・文=千葉由知(ribelo visualworks)
ウォーカープラス/野木原晃一
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