ビールは「おいしさ」を追求し復活、レモンサワーにブームの兆し…若年層が左右するお酒のトレンド

東京ウォーカー(全国版)

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飲み会で「とりあえずビール」が合言葉だった時代から、お酒の嗜好は多様化を続けている。20代をはじめとする若年層を中心にレモンサワーブームが到来しつつあるほか、スパークリングワインは「インスタ映え」を背景に女性の支持を得る。一方で、ビール市場ではとある定番商品が復活の兆しを見せている。お酒事情に大きな影響を与える若者の変化と、巻き返しを図るビール業界の戦略を追う。

レモンサワーフェス、コカ・コーラ社のレモンサワー…ブームの兆し見せるレモンサワー


【写真】コカ・コーラシステムが九州限定で展開するレモンサワーブランド「檸檬堂」


2017年、日本酒造組合中央会が20歳から79歳までの3000人を対象に行った「日本人の飲酒動向調査」によると、1ヶ月間で飲んだお酒について全体の61.2%が「ビール」と回答するなど、ビール人気は一見不動のように思える。しかし、年代別で見ると20代でビールを1ヶ月間で飲んだと答えたのは48.7%と半数を割り、代わりにハイボール(39.5%)やカクテル(33%)が飲まれていることが分かる。

チューハイやサワーを含むハイボール類は、2010年代初頭のハイボールブーム以来好調だ。アルコール度数の高いストロング系チューハイのほか、近年はレモンサワーがポストハイボールの地位をうかがっている。2017年からレモンサワーに特化したイベントであるレモンサワーフェスティバルが開催され、累計来場者数は10万人を突破。2018年にはコカ・コーラ社がレモンサワーブランド「檸檬堂」を九州限定で展開するなど、各所でブームの兆しを見せている。

女性を中心に「インスタ映え」するお酒もトレンドに


スパークリングワインには「インスタ映え」需要も


また、女性の飲酒率が高くなったことも市場に影響を与えている。1988年の調査時に52.6%だった女性の飲酒率は、2017年には72.9%まで増加し、各メーカーからも女性の需要を意識した商品が登場するようになった。

こうした中、サントリーワインインターナショナルが20代・30代のお酒を飲む女性500人に対して行った「夏場のお酒に関する調査」では、女子会で最も飲みたいお酒について「チューハイ/カクテル(35.8%)」、次いで「スパークリングワイン(32.8%)」と続き、「ビール類(16.8%)」と大きく差がつく結果となった。また、46%の女性が乾杯時に“インスタ映え”を意識しているといい、最もインスタ映えをすると思うお酒は何かという質問には「スパークリングワイン(ロゼ)」が最も票を集めるなど、味だけでなく見た目や雰囲気も重視する傾向がうかがえる。

ビール市場は縮小傾向も、「こだわり」を打ち出さない定番が復活


キリンビール マーケティング本部の鈴木郁真氏


一方で、市場が縮小傾向にあるのがビール類だ。醸造産業新聞社の調査によると、2019年のビール大手4社のビール類出荷数量(上半期)合計は1億7763万箱で、前年比99.2%。2010年上半期の販売総量は2億392万箱のため、縮小の度合いは小さくない。大手4社の1つであるキリンビール マーケティング本部の鈴木郁真氏は、嗜好の多様化による若年層のビール離れや、ビールを常飲してきた層の高齢化による飲酒量減少などを要因に挙げる。

そうした逆風の中、同社の主力ブランド「キリン一番搾り生ビール」は2017年に引き続き2019年春にリニューアルを実施。4月は業務用も含め好調で、約2割売り上げが増加したと話す。その背景には、2017年より開始した、“商品のこだわりをあえて打ち出さない”というイメージ戦略の変化があるという。

この春リニューアルしたキリンビール「キリン一番搾り生ビール」


「発泡酒や新ジャンルを含めた広義のビール類の中で、狭義のビールでは高級志向や品質へのこだわりを訴求することが多かったのですが、『コク』や『キレ』といった表現をなくし、『おいしい』を前面に打ち出す訴求にシフトしました。『一番搾り』は、一番搾り麦汁を使う、というビールの作り方の名前をつけたユニークな商品。その時の技術を使って一番おいしいビールを作るというのがDNAなので、むしろ原点に帰ったと言えます」

若年層を含めた各年代に訴求するため、堤真一、満島ひかり、鈴木亮平、石田ゆり子、濱田岳、足立梨花といったあらゆる年代のタレントを広告に起用し、CMなども“能書き”のないシンプルな内容となっている。商品の細分化による分かりづらさや、こだわりの押しつけがましさを排した結果、「一番搾り」はリニューアル後、前年5月に比べ20代の購入者数が約4割伸びる結果につながった。“押しつけ”を嫌い個人を重視する若者の価値観に合致したと言える。

「今、お酒の楽しみ方は多様。ビールは選択肢の1つだがそのおいしさと魅力をもっと伝えたい」と話す鈴木氏


「ビールは選択肢の1つというのが今の時代」と鈴木氏が話すように、昭和から平成にかけて「1強」だったビール類は、令和を迎える過程で少しずつ数あるジャンルの内の1つになりつつある。そうした中で、ジャンル内での競合ではなく、ビールという飲み物そのもののおいしさをあらためて打ち出した原点回帰の戦略が、嗜好が多様化した時代にフィットしたと言えそうだ。「アルコール度数が高いとか、低カロリーであるとか安いとか、そのようなことにとらわれずただお酒を楽しみたい時に、上を向いて飲むのがビールの魅力。この魅力をこれからも伝えていきたい」と鈴木氏は語っていた。

国分洋平

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