洋菓子の本質を大切にする「A.L.C.cafe」
東京ウォーカー(全国版)
個性派の作家のアトリエやギャラリー、ショップが多く集結し、感度が高い人々を惹きつけている「やながせ倉庫」。この倉庫の“表玄関”にあり、多くの洋菓子好きに愛されているのが「A.L.C.cafe」だ。

この店を営むのはパティシエの川島祐里さん。以前はこの「やながせ倉庫」に週末限定の洋菓子店を出店しており、現在では同じ場所に常設を構えている。

「できるだけ余分なものを加えずに、お菓子を作っています」と川島さんが話すように、見た目のかわいらしさより真のおいしさを追求。それぞれの素材のよさを最大限に活かした菓子作りを行っている。
見た目よりも味を大切に。誰かにあげたくなる洋菓子
「A.L.C.cafe」で販売される洋菓子は、シンプルな材料で作られた素朴な一品が多い。それだけに、素地のよさやパティシエの丁寧な仕事が直接的に伝わってくる。

同店の基本はサブレやパイなどの焼菓子。12種類ほどの定番の品に加え、季節を感じさせる限定の品も随時登場する。
そのなかでも、とりわけ人気の商品をピックアップ。まず、「バターサブレ」(1袋220円)は同店のこだわりである発酵バターのおいしさを、ダイレクトに味わえるので、ぜひ最初に味わって。イタリアのシチリア島の「フルール・ド・セル」と呼ばれる天然海塩を使ったピスタチオサブレも、オリジナリティにあふれたシェフ一押しの品。カカオ生地にチョコレートを散りばめたビターショコラサブレは、苦味や甘みなど味のバランスが複雑かつ絶妙だ。

イタリアンシェフから学んで作ったという、「カスタードプリン」(250円)も名物。牛乳、たまご、砂糖、生クリームというオーソドックスな材料で作られているものの、濃厚なコクや舌触りの滑らかさはインパクトがある。フランスやベルギーなど、洋菓子の最先端に積極的に出向く、川島さんの情熱が表れている。

こだわりの焼き菓子は、ギフトにも最適。包装も贈る人を選ばないようなシンプルなデザインで、とても好感が持てる。一度自分で味わったならば、必ず誰かに贈りたくなる。そんな魅力的な商品が小さな店内にひしめいている。
「地元・岐阜の方においしいフランス菓子を」
岐阜に生まれ、中高生のころは柳ケ瀬が“たまり場”だったと話す川島さん。「映画を見たり、カフェでお茶をしたり、服を見たり。休日は柳ケ瀬で過ごすことが多かったですね。高校生になると地元の友達の多くと学校が別々になるわけですけど、柳ケ瀬に来れば会えたというのも大きかったですね」

そんな思い入れの深い柳ケ瀬に洋菓子店を開いたのは、2011年のこと。「当時の柳ケ瀬は私が中高生の時とは変わって人通りも少なく、ちょっと心配な状況でした。それでもこの場所に店を構えようと思えたのは、ちょっとした感覚というか、なにか惹かれるものがあったからですかね」
川島さんの心配をよそに、洋菓子は評判が評判を呼び、ピンポイントで同店を目掛け来店する客が徐々に増えていったという。柳ケ瀬商店街に魅力的な店舗が増えつつある現在、”ピンポイント”ではなく商店街全体に回遊が生まれ、互いの相乗効果でさらに活気が生まれればと話してくれた。

「根底にあるのは、岐阜の方においしいフランス菓子を食べてもらいたいということ。そうすると、必然的に使う材料の質がよくなっていきます。ただ、高すぎては手に取っていただく機会を損ねてしまうので、そのバランスは気をつけるようにしています」
「A.L.C.cafe」の素朴で味わい深い洋菓子は、ひと口で思わず笑みがこぼれてしまう逸品ばかり。手に取ってその“小さな幸せ”を体験してみては。
※A.L.C.cafeはAmexとJCBの地元を応援するプログラム「SHOP LOCAL」参加店です
【構成=CRAING/取材・文=安田 淳(しらかべ企画社)/撮影=小塚清彦(ホープクリエイティブ) /ウォーカープラス編集部】
CRAING
同じまとめの記事をもっと読む
この記事の画像一覧(全7枚)
キーワード
テーマWalker
テーマ別特集をチェック
季節特集
季節を感じる人気のスポットやイベントを紹介
全国約900件の花火大会を掲載。2025年の開催日、中止・延期情報や人気ランキングなどをお届け!
ゴールデンウィーク期間中に開催する全国のイベントを大紹介!エリアや日付、カテゴリ別で探せる!
おでかけ特集
今注目のスポットや話題のアクティビティ情報をお届け
キャンプ場、グランピングからBBQ、アスレチックまで!非日常体験を存分に堪能できるアウトドアスポットを紹介