酒と音楽を通じて多くの交流が生まれる「Irish Pub Losers」
東京ウォーカー(全国版)
樽から注がれるギネスビール、気まぐれにセレクトされた小気味いいミュージック、小さな店内で肩を寄せ合うようにして語らう客たち。本場のパブの雰囲気をそのまま柳ケ瀬に持ってきたような「Irish Pub Losers」は、夜の商店街に活気をもたらしている。

店主の早川さんは、かつて岐阜市内で営業していた有名アメリカンダイナーで調理を担当していた経歴の持ち主。その系譜を受け継ぐ店として、全国のハンバーガーファンから注目を浴びる存在でもある。
柳ケ瀬に出現した本格派アイリッシュパブ
柳ケ瀬商店街界隈はもちろん、岐阜県全体で見ても「アイリッシュパブ」を名乗る店は珍しい。そもそも、アイリッシュパブとはどんな場所だろうか。

「ひと言でいうと酒と音楽、そして情報交換を楽しむ場ですね。うちの場合は堅苦しいことはなく、商店街のお店の店主さんが夜にふらっとジュース一杯飲みに来てくれたり、お子様連れでハンバーガーを注文される家族とかがいらっしゃったり。とにかく自由な雰囲気ですよ」と早川さん。

もし仮に、パブの定義があるとするならば”うまいビールが飲める”ということではないだろうか。「Losers」はアイリッシュパブの定番であるギネスビールを、樽生で味わえる岐阜では希少な店舗。

ギネスは一度7分目程まで注いだあと、グラスをカウンターの上に置き、サージング。すなわち、90〜120秒程放置し泡を表面に集める。こうすることにより、ギネスビール特有のクリーミーな泡が完成するのだ。この泡は長い時間消えずに残り、独特の苦味と泡のクリーミーさの両方をフィニッシュまで楽しめる。
ギネスは、同じくアイリッシュパブの代名詞である、「フィッシュアンドチップス」(880円)と合わせてぜひ味わって。サクサクとした食感と程よい塩加減がクセになるメニューで、ビールとの相性も抜群だ。

また、この店で忘れてはならないのが、惜しまれつつ閉店した岐阜の伝説的なアメリカンダイナーの味を引き継ぐハンバーガー。早川さんはその名店でキッチンを任されており、腕を奮っていたのだ。
オーダーしたのは、最もオーソドックスな「プレーンバーガー」(1080円)。味付けは塩とコショウとブラックペッパーのみという極めてシンプルなもの。パテはミンチ肉の配合を多めにして、肉感を高めたものを使用している。
「柳ケ瀬がおもしろいと思った」。幅広い世代が来店し交流を深める地元の社交場に
「長い目で見て、おもしろそうだと思った」と柳ケ瀬商店街に出店した理由を、端的に語ってくれた早川さん。居酒屋など飲食店が連なる岐阜駅前ではなく、あえて柳ケ瀬を選んだ。

「夜に営業している飲食店が少ないこともあり、商店街の店主の方にもよく来ていただいています。そういった方々とお話できたり、お客さん同士が交流している姿を見ると、こういった『パブ=集いの場』を柳ケ瀬で営業していてよかったなと思います」
若者はもちろん、かつて巻き起こったギネスブームやミュージックバーを懐かしく思い来店するシニア層も多く、さまざまな世代の交流を生んでいるという。


商店街全体での取り組みが功を奏して、活気が戻りつつある柳ケ瀬商店街。早川さんの先を見据えた“読み”は、間違いではなかったように思える。柳ケ瀬商店街にすっかり融和したこの社交場で、町を更に盛り上げる次なる名案が生まれることに期待したい。ギネスビールとハンバーガーを囲んで語り合える「Losers」。柳ケ瀬のレトロな雰囲気と、アイリッシュパブのオールディーな雰囲気は親和性が高いと言えそうだ。
※Irish Pub LosersはAmexとJCBの地元を応援するプログラム「SHOP LOCAL」参加店です
【構成=CRAING/取材・文=安田 淳(しらかべ企画社)/撮影=南 章佑(APOLLO STUDIO) /ウォーカープラス編集部】
CRAING
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