いよいよフィギュアの国内大会も開幕!東京ブロックの注目選手は? ~シニア男子編~

東海ウォーカー

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既にジュニアグランプリシリーズ、チャレンジャーシリーズが始まり、早くも盛り上がりを見せているフィギュアスケート。今週末からはいよいよ国内のブロック大会が始まる。全国を6つのブロックに分け、3週にわたって東日本選手権、西日本選手権への切符を争う戦いが始まる。今回は今週末の東京ブロック、東北北海道ブロックのプレビューとして、夏場のローカル大会で取材で来た選手達を紹介したい。

東京での新たな挑戦、山隈太一朗


夏場は仕上がりの遅れが目立った新プログラムだが、夏を越えてどのように仕上がったのか楽しみだ


今年、明治大学へと進学した山隈太一朗。昨シーズンまでは近畿ブロックの選手だったが、今季からは東京ブロックに出場することになる。初戦として選んだのは、8月のげんさんサマーカップ。昨年の全日本選手権で素晴らしい演技を披露し、年が明けてのインターハイでは優勝を飾った選手だけに注目が集まったが、初戦は課題が多く見つかる出来栄えとなった。東京での初めての一人暮らし、苦労も多いようだ。

「東京での生活は、だいぶ慣れたんですが、今は中だるみというか、色んなものがしんどくなってきてるので大変です。夏休みは完全にスケートに注ごうと思っています。スケートにあてる時間は高校生の時よりも増やせるかな、と。一人暮らし、特に食事が大変です」

フリーの演技後には多くの課題が見つかったと語っていた。

「結果自体は満足はできないですけど、まあ良かったなと思います。たくさんの課題が見つかりました。まだ滑り込みができていなくて、演技の前半はまだ意識もあって大丈夫だったんですけど、後半は体力が限界を超えてしまって、朦朧としてやってしまいました」

仕上がりが遅れている理由としては、靴のトラブル、体調不良、そして東京での新生活に慣れる苦労があったことをあげた。決して満足のいく試合ではなかったが、ブロックに向けて手ごたえをつかめたようだ。

「去年成績が出せた分、自信もついたし、それをベースにプラスアルファしていければいいと思います。全日本でトップ6に入って、四大陸に出ることが目標です」

ちなみにこの大会時点ではまだ明治大学の上着がもらえておらず、オレンジ色の上着で練習をしていた。東京ブロックでは明治カラーの上着姿を見ることができるだろう。

ラストシーズン、全日本でトリプルアクセルを決めたい鎌田英嗣


鎌田英嗣、MGC杯でのフリープログラムの演技


東京のフィギュアスケートファンの間では絶大な人気を誇る鎌田英嗣。私も幼少時からずっと演技を観てきた選手だが、今シーズンをラストに引退を決めている。彼は昨年が大学4年生だったのが、高校から大学にかけて怪我が多く、納得の行く競技生活が送れなかったため、自主的に卒業せず、もう1年競技を続けることにしたと聞いていた。

「今シーズンがラスト、今シーズンで引退します。トリプルアクセルを試合で、特に全日本で決めたいというのが一番の目標です。2番目の目標としては、今のプログラムを、ジャンプをすべてそろえて完成させたい、ということもあります」

東京夏季フィギュア、MGC杯と2週続けて、フリープログラムではトリプルアクセルに挑戦していた。

「まだ練習でもトリプルアクセルが跳べるわけではないので、挑戦という形で試合で試させてもらっています」

実は彼は高校生の頃にトリプルアクセルが完成間近といえるまでに仕上がっていた時期があったのだ。ただその後、怪我のために完成が遠のいてしまった。

「トリプルアクセルの調子が良かったのは高校2年生の夏なんですよ。その時は完全に降りていたんですけど、取材も受けていなかったので知られていないと思います」

試合で決めることができないでいるうちに、怪我をしてしまい、練習もできなくなったのだという。

「怪我は大学1年の終わりです。長かったです。去年もずっと痛くて、どうしても尾を引いてしまう怪我だったんですが、今年の夏ぐらいから痛くなくなって、ルッツジャンプも跳べるようになり、毎日練習できるようになり、今は満足の行く練習ができていると思います」

右足の内くるぶしの疲労骨折が、悪化して重度の骨折になってしまったそうだ。症状が良くなって練習を再開したところ2度目の骨折をしてしまい、練習を再開するまでに9か月、完全に治るのには1年半を要したという。

今も鮮明に覚えている試合がある。3年前、彼が大学2年生の時の東京ブロック。復帰直後の試合でまだジャンプが跳べず、すべてのジャンプを流して演技をしたことがあった。

「あれは復帰してまだ1か月経っていない時期でした」

スコアだけ見ればひどい演技だ。しかし会場の熱心なファンはみんなその理由を分かっていた。だからまったくジャンプを跳ばない演技に対して、割れんばかりの喝さいが送られたのだ。感動的なシーンだった。

「温かく見守ってくださる方がいることが嬉しかったですし、久し振りの試合だったので、フィギュアスケートを続けてきて良かったな、と強く思いました」

そして昨年、スケートのためにもう1年大学に残る決断をしたのだが、さぞや悩んだのではないかと尋ねてみた。

「元々、トップ選手を目指してスケートをしていたので、大学を卒業した後に就職、というルートをあまり考えていなかったんです。なので、それほど大変な決断というわけではありませんでした。むしろ就職しなければいけない、という方が僕にとっては怖かったです」

昨年は明治大学の同期、梶田健登、佐上凌が大学を卒業し、選手を引退した。

「彼らからは就職活動の話を何度も聞かされました。自分はどんな業界がいいのか、このままスケート界に残るべきか、などと考えました。でも今、それを乗り越えて楽しんで生きているのでよかったと思います。来年は就職する予定です。もう会社も決まっています。そこでがんばってみて、機会があればスケート界に貢献できれば、と思います」

今は国体を引退試合にしたいと考えているそうだ。もちろん無条件で出られるわけではなく、11月の都民体育大会に出場して東京都の代表にならなければならない。残り少ない競技生活、悔いなく終えてほしいものだ。そして一番の目標、全日本選手権でのトリプルアクセル成功を期待したい。

中村康一(Image Works)

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