書籍・音楽・文具とカルチャーを集約&発信する「成田本店しんまち店」
東京ウォーカー(全国版)
2019年で創業111周年を迎える「成田本店」。創業者である成田善三郎氏は、青森市安方に新聞販売所を構え、1908年(明治41年)に「成田書店」を開業。明治の末ごろ、青森駅の玄関口が安方から新町に移ったことをきっかけに、1917年(大正6年)に新町へと移転し、以来100年以上もの間、この地で商いを続けている。

「当店は書籍とCD、文具が3本柱です」と話すのは店長の長谷川達雄さん。地元では“なりほん”の通称で親しまれている同店には、“ないものがない”と言っても過言ではないほど、カテゴリーごとに時代に合わせた多彩なジャンルを網羅している。「創業当時も店先で書籍や文具、小間物を戸板の上に並べて商いをする“戸板商売”だったようなので、今もなお続けていると言ったところでしょうか」と長谷川さん。
地上5階建のビルにはそれぞれのジャンルを網羅するアイテムが各フロアに並ぶ。エレベーターも完備しているが、ホール前にはソファが配され、お年寄りや長居する人への気遣いが感じられる。その何気ない優しさも、地元で親しまれている理由の一つのようだ。
青森の魅力を伝えるオリジナル文具・楽器を製作


同店では文具から地元の魅力を発信しようと同じ商店街に店を構える店舗とコラボしたアイテムや完全オリジナルグッズを製作、販売している。ねぶた祭りのハネト衣装の販売などを行う甲州屋洋服店とコラボした「ねぶた学習帳」(1冊250円)と、同店オリジナルの芯が折れないシャープペンシル「デルガード」(4種・741円)は、地元でも話題となり、新しい手土産としても重宝されている。
2018年に発売された「ねぶた学習帳」は、2019年に第2弾のシリーズをラインナップ。新たに4人のねぶた師の協力のもと、それぞれの作品が躍動感たっぷりに表紙を彩っている。「本製品の売り上げの一部は製作者に還元され、ねぶた文化の継承、後継者育成などに当てられています」と長谷川さん。「成田本店」はこうした取り組みを積極的に行っている。

また、津軽塗を施した「ねぶた笛」(2万3000円)もオリジナルで製作。津軽塗を代表する技法で、何度も漆を乾かしながら塗り重ねることで模様を研ぎ出し、艶をつけて仕上げる”唐塗り”となっている。そのほか、手振り鉦や太鼓ばちといったねぶた用楽器を扱い、その特徴を手書きのPOP(写真右)で詳しく紹介している。

また、青森県内に4店舗を構える同店のうち、しんまち店とつくだ店では館内に設けたスタジオで音楽教室を実施。「ピアノから琴、津軽三味線などそれぞれの先生が指導をしています」と長谷川さん。単なる販売という枠を超え、地域に根付いたカルチャーを守り、継続・発信していくという「成田本店」の使命を感じさせるような空間となっている。
オリジナルキャラクターで地元を盛り上げる!


2019年で111周年となり、これを記念してマスコットキャラクターが誕生。長谷川さんは、「同店のシンボルマークはリンゴの木なのでこれを発想の原点として、商売繁盛や知恵の象徴とされるフクロウを頭に乗せた“ポム・トントン”が誕生しました。ポムはフランス語でリンゴ、トントンはおじさんなので老舗という意味を持たせています。ちなみにフクロウの名前は“ナリホー”です」と話す。
店頭で商品をオススメするポップに登場するほか、SNSにて情報発信するなど、同店のことはもちろん、地域の情報なども発信する予定とのこと。111周年という老舗ながら次々と新しいことに挑戦し続ける「成田本店」は、今後も新しいカルチャーの発信地として地域を盛り上げてくれるはずだ。
※成田本店しんまち店はAmexとJCBの地元を応援するプログラム「SHOP LOCAL」参加店です
【編集・取材・文=CRAING/撮影=齋藤ジン/ウォーカープラス編集部】
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CRAING
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