「本物の表現者になっていきたい」 映画『HiGH&LOW THE WORST』川村壱馬、吉野北人インタビュー
関西ウォーカー
EXILEのHIROがプロデュースし、男たちの熱い友情と戦いを描く『HiGH&LOW』シリーズと、髙橋ヒロシ原作で、累計発行部数7500万部を超える不良漫画の金字塔「クローズ」「WORST」が10月4日(金)公開の映画『HiGH&LOW THE WORST』で最強のコラボレーションを果たす。

髙橋ヒロシが初の脚本も手掛ける今作では『HiGH&LOW』の舞台、SWORD地区において“漆黒の凶悪高校”の異名をとる鬼邪高校と、「クローズ」「WORST」シリーズに登場する幹部以外全員スキンヘッドの“殺し屋軍団”、鳳仙学園が大激突。鬼邪高校の転入生、花岡楓士雄と、その親友・高城司を演じるTHE RAMPAGE from EXILE TRIBEの川村壱馬と吉野北人に撮影のエピソードや役者としての今後についても話を聞いた。
「撮影の中で物語を自分で歩んでいく感じだった」(川村)

川村演じる花岡楓士雄は、複数のグループが乱立し、群雄割拠の鬼邪高校・全日制にテッペンを取るべく転入してくるという役柄。大きな野望を持ち、また天真爛漫で好奇心旺盛な性格でもある楓士雄を演じるにあたり、川村は「ちゃんと芯を持っている男なので、ただ馬鹿なだけだったり明るすぎるだけだとそれだけになってしまう。そのバランスをすごく模索しながら作っていきました。撮影までのリハーサルの間も役と向き合いながら、どれだけテンションを上げていけばいいのかという単純なことから始め、クランクインしてからもそれはずっと続けていました」と全力で役に臨んだと振り返る。
今作の撮影は基本的にはストーリーに沿った順撮りで行われたそうで「撮影自体で物語を自分で歩んでいく感じで、映画の序盤の芝居を見ていると、ここからどうなっていくんだ、という感じがあり、終わったときはすごく成長したな、という印象で見えるのかなと思っています。映画とともに成長できた作品でした」と語る。
楓士雄の親友で、映画では彼の強力なサポート役として登場する高城司。司役の吉野は、自身について「不良ものには縁がないかな」と思っていたそうだが、出演が決まり、準備期間も多くはない中「やれることはやろうと思い、お芝居のレッスンをさせていただいたり、見た目の体づくりを毎日していました」と語る。撮影後には「役者としての表現の仕方も増えたと思いますし、いい意味で欲も出てきたので本当によかったなと思います」と、役者としての新たな一歩となったようだ。
「みんなで攻め込むときに走り出す瞬間は熱くなりました」(吉野)

『HiGH&LOW』といえばそのハイレベルなアクションシーンは一番の見どころだ。本格的なアクションは今作が初挑戦の2人。吉野は想像以上に頭を使うことに難しさを感じたと明かす。「普通にパンチをするだけじゃ迫力が伝わらないから大振りに見せたり、(パンチの)位置で殴ってるか殴ってないかがばれてしまうのでカメラの場所を把握しながらやったり、いろんなことを考えながらやっていました。普通にバイブスだけでやれるものだと思っていたので、それだけじゃなくてやっぱり難しかったですね」。アクションシーンは周りより少ない方だったという吉野だが、「みんなで攻め込むときに走り出す瞬間は熱くなりましたね」と戦いのシーンを振り返った。
空手を11年やっていたという川村は「得意な方だと思っていたけれど、意外にそんな簡単にはいかなかったです」と、格闘技と映画での魅せるアクションの違いを実感。また、「アクションのときは感情が入りやすいのかなって思ってたんですけど、意外に僕はそうでもなくて。やることも多い中で感情をつくる暇がないときもあったので、夢中になるしかなかったですね。自分が思考タイプではないんだな、とアクションで分かったかもしれないですし、感性で身を任せてやりました」と語る。
鬼邪高校の番長・村山を演じる山田裕貴の存在

鬼邪高校には定時制と全日制があり、これまで『HiGH&LOW』シリーズでは、番長・村山良樹(山田裕貴)を中心とした定時制が数々の争いを戦ってきた。『HiGH&LOW THE WORST』は、鬼邪高校をメインにした作品だが、定時制だけではなく全日制にスポットを当てた物語だ。川村は、村山のストーリーを期待していたという声を耳にしたこともあったそうで、「この作品に対して、正直村山さんというところだけにはプレッシャーがあったんですよ。『行くぞてめぇら!』という同じセリフを言ったりしますし」と告白。山田との撮影は多くはなかったものの、撮影が終わり、取材などで会う機会が増えていくにつれ、映画の中だけではない山田の存在の大きさに助けられたという。
「裕貴さんと出会って、想いだったりとか、いろいろお話をさせてもらって、ああ、本当にボスがこの人でよかったなと。自分の中でほっとしたところもあるんでしょうけど、とにかくすごく優しいし、自分がプレッシャーを感じていた分、もっときつい人だったらしんどかったかなと考えたりしました。裕貴さんには本当に勉強させていただいたということだけじゃない、感謝があると思っています」。
吉野も周りの役者がそれぞれの役に対して真摯に向き合い、役作りする様子を直に見て、刺激を受けたと語る。
「アドリブで台詞を言ったり、でもそれがすごくキャラに合っていたり。役者の魂というか、かっこいいなと思います。アドリブが実際に映画でも使われていて、例えば鬼邪高の泰志(佐藤流司)が鳳仙学園との戦いで言う『ちゃんと狙えよ』とか、アドリブって聞いて本当にかっこいいなと思いました。鳳仙学園の中には酔拳みたいに戦う方もいて、いろんなこだわりを持って役を作っている様子は学ぶところがありました」。
役者としての今後の展望は?

THE RAMPAGE from EXILE TRIBEの活動に加え、昨年から役者としてのキャリアも着実に積み重ねる2人。役者としての今後について川村は「アーティストというのが本業に見えるかもしれないけれど、僕は好きでやっているし、本気でやっている。今はお芝居をやっている役者さんが歌を歌うケースもあるし、逆も同じだと思うんです。どちらも本気でやっていたら悪いことじゃないし、すごく素敵なことだと思います。役者も120%、アーティストも120%でやって、本格的に役者になっていきたいです。もし批判的な言葉やリアクションがあったとしても、説得力のあるお芝居や姿勢で本物の表現者になりたいと思います」。吉野も「まだまだもっと力をつけて、どちらも両立できるように、アーティストだからというのは関係なく、役者のときは役者モードでしっかりやっていきたい」と今後の展望を明かした。

映画の公開に先立ち、楓士雄が来る前の鬼邪高校・全日制を描いたTVドラマ『HiGH&LOW THE WORST EPISODE.O』も放送された。そこでは吉野演じる司が、親友の楓士雄がいない鬼邪高校で、仲間や絆に悩みながら成長する様子にスポットが当てられる。吉野に仲間や絆を感じた経験を聞くと「THE RAMPAGE from EXILE TRIBEで活動しているときは、不安なときもありますし、緊張するときもあるんですけれど、そういったときも隣に心強いメンバーがいるので、自然に不安が解けるというか、力が発揮できます。そういったときにはすごく仲間とか絆を感じます」とグループでの絆を語ってくれた。
また、大阪出身の川村に、今回大阪に戻ってきた心境を尋ねてみると「新大阪駅から上京したときのインパクトがすごく残ってるので、新大阪に来たときには『あー、大阪だ!』ってなるし、東京に行くときは『また戻っちゃうのか』ってなります。なかなか地元に近いところまで行けることは少ないですけど、移動中の車から外を見て、何がどう自慢になるのかわからないのに『ここよく遊んでた』とかメンバーに言いたくなるんです。それで懐かしいなってなりますね」と笑顔で地元愛ものぞかせた。
映画『HiGH&LOW THE WORST』は10月4日(金)全国ロードショー
松原明子
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