道頓堀で長年愛されるミナミ最大規模の焼肉店「道頓堀みつる」

大阪を代表する繁華街・道頓堀。明け方まで多くの人でにぎわうこの街に、毎日朝8時まで元気に営業する焼肉店「道頓堀みつる」はある。大阪観光中の女性2人組や、外国人の家族連れ、カップルに、仕事帰りのサラリーマンなど、客層もさまざまだ。訪れた客が口をそろえて言うのは“安くてうまい”。

地元民なら知らない人はいないというほどの人気店で、多くの客を満足させている品質と価格だ。2000年の創業当時から道頓堀で親しまれている、その魅力とは？

500kgの黒毛和牛を2日で1頭のペースで消費

チャーミングな笑顔が印象深い店長の星山恭宏さんは、焼肉業界に入って2019年で19年。単刀直入に安さの秘密を聞いてみた。「ずばり一頭買いですね。この道頓堀店と、心斎橋店、そして肉バル デル・ソーレで、2日に1頭のペースで黒毛和牛を仕入れています。大きさは500～600kg。黒毛和牛ではかなり大きい、立派な牛ですよ」。部位ごとに購入しようとすると、高価なサーロインやヘレなどの部位も、スネやモモまでまとめて買うことで、かなり割安になるのだそう。

日本全国のセリをチェックしたバイヤーが仕入れるA4ランクの黒毛和牛は、各部位にまんべんなく霜が降ったもの。どんなエサを与えられ、どんな状態で肥育されているのかまで、くまなく把握しているため、質の良い黒毛和牛を仕入れることができるのだという。また、一頭買いをすることで、解体業者や卸、精肉店をスルーできるので、中間マージンの分、安くなるのはもちろん、輸送時間を短縮することができ、より新鮮な状態でお客さんに提供できるというわけだ。

包丁さばきに見る熟練の技術

星山さんによると、創業当時から一頭買いをしていたわけではないのだとか。「一頭買いを始めたのは、フロアを拡大してからですね。最初は1フロアのみの営業だったので、とてもじゃないけど一頭を新鮮な状態で消費するのは難しくて」。自社ビルの2～4階をすべて飲食フロアにすることで、計230人の収容が可能となり、一頭買いしても消費できるシステムが確立したという。

3、4年前にセントラルキッチンができてからは、より効率的な仕事ができるようになったそうだ。「セントラルキッチンができるまでは、30kgもの肉塊をまな板の上でさばくところから仕事がスタートしていました。牛肉はとても繊細なので、包丁を入れるには熟練の技術や目利きが必要になります。肉の部位によって、繊維の通る向きなどが違うのでね…。切り方を一つ間違えると、柔らかい肉も硬くなってしまったり、本来の味わいが半減してしまうんですよ」と星山さん。提供された肉を見てみると、確かに切り方や厚さ、大きさは部位によって千差万別。ここにも“安くてうまい”肉を提供するための工夫が隠されていた。

まずは盛り合わせを注文して、多様な部位を味わう

店を訪れたら、まずはいろいろな部位を楽しめる盛り合せメニューを注文したい。一番のおすすめは「みつる盛り」(5999円)。美しいサシが入った特選サーロインステーキを中心に、カルビやロースなどの定番どころから、カッパなどの珍しい部位も含め7つの部位を堪能できる。大きなサーロインのステーキは、一枚まるごと七輪の上に乗せて、レアでいただくのがおすすめ。少し火を入れるだけで脂が溶け出し、口の中に肉汁がジュワ～と広がる。バラ肉の周りにあるスジ・カッパは、市場ではほとんど出回ることのない希少な部位。ひとたび口にすると、その濃厚な味わいに心を奪われる。

みつる盛りのほかにも、特選サーロインステーキと特選ヘレステーキを両方いただけるミナミ盛り、その日のおすすめホルモンをセレクトしたホルモン5種盛りなど、ニーズによってチョイスできるよう、盛り合せメニューもバリエーションも豊富だ。

品質へのこだわりはもちろん、空間にも細やかなおもてなしの心が散りばめられている。2階は木のぬくもりを感じられるテーブル席とカウンター席で普段使いに、3階の掘りごたつ席は貸切可能で宴会向け、4階はスタイリッシュな雰囲気でカップルに人気だ。

人数や用途によってフロアを選ぶことができるのがうれしい。大阪を代表する観光地・道頓堀で、愛され続ける「道頓堀みつる」。一頭買いが可能にしたコストパフォーマンスの高い焼肉を、ぜひ一度堪能してみて。

※道頓堀みつるはAmexとJCBの地元を応援するプログラム「SHOP LOCAL」参加店です

【構成＝CRAING/取材・文＝高島夢子(エディットプラス)/撮影＝鈴木誠一/ウォーカープラス編集部】

※記事内の価格は特に記載がない場合は税抜き表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となる場合があり、表示価格と異なる場合があります。

CRAING