未来のスター選手達の登竜門!フィギュアスケート全日本ノービス選手権

東海ウォーカー

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2019年10月19日(土)と20日(日)の2日間、東京、東伏見のダイドードリンコアイスアリーナで、全日本ノービス選手権が開催される。ノービス年代(概ね小学4年~中学1年)の将来を嘱望される選手達の登竜門であり、シニアで活躍しているトップ選手達のほとんどはこの選手権ですでに頭角を現している。今年の全日本ノービスは、紀平梨花が山下真瑚を僅差で退け優勝した2015年以来、4年ぶりの東京開催となる。ここでは各カテゴリーの有力選手を紹介したい。今年は特にノービスA女子が見応えのある戦いとなりそうだ。

畑崎季果(ノービスA女子)


畑崎季果選手、東京ブロックでの演技


東京ブロックで優勝した畑崎季果(ももか)選手。昨シーズンから飛躍的に進歩した選手だ。特に素晴らしかったのは、103.01という高得点をマークした8月の東京夏季フィギュア。今回は優勝候補として臨む。東京ブロックの演技後のインタビューでは、

「全日本ノービスでは100点越えをしたいです。今日は110点ぐらい出す勢いでやったんですけど、緊張し過ぎて焦ってしまいました。その辺りをコントロールできるようにしたい」

と答えた。また、現在練習中のトリプルアクセルを、全日本ノービスで挑戦する可能性も示唆した。

「今はまだ3回転ちょっとしか回れないんですが、全日本ノービスでやりたい。頑張ります」

畑崎選手は今季、推薦を受けてジュニアの強化合宿に参加した。その際に講師を務めたコストナー氏の指導の下、スケーティングを練習したことがエッジジャンプの上達につながったという。苦手だったというループジャンプを克服し、全日本ノービス優勝を目指す。

高木謡(ノービスA女子)


【写真を見る】高木謡選手、東京ブロックでの演技


夏季フィギュアでは不本意な結果となったが、東京ブロックでは86.64と、全日本ノービスでも上位争いができそうなスコアをマークした高木謡(よう)選手。

「夏季フィギュアであまりいい演技ができなくて、今回はちゃんとやらなきゃ、とプレッシャーを感じてしまいました。演技中は、いつも先生に言われている、スピード、高さ、集中を意識してやりました」

東京ブロックで緊張を乗り越え、自己ベストをマークしたことが自信になったという。星野有衣子コーチの印象的な振付と相まって、表現力で観客を沸かせることのできる選手だ。「全日本ノービスではお客さんを楽しませたい」と語ってくれた。

山根有加里(ノービスA女子)


山根有加里選手、中部ブロックでの演技


中部ブロックで優勝したのが山根有加里選手。この時は予定していた2アクセル+3トウのセカンドジャンプをつけられなかったのだが、それを演技後半に差し掛かったところのルッツでリカバー。3ルッツ+3トウに変更して成功させるという能力の高さを見せてくれた。

「憧れの選手は坂本花織選手、三原舞依選手です。坂本選手のジャンプの幅と高さ、三原選手の表現力が好きです」

と、まったく違うタイプの二人を挙げてくれた。今後の目標としては、やはりこれから必須となるであろう大技の名前が挙がった。

「トリプルアクセルを大会で降りたいです。今はハーネスをつけての練習をしています」

全日本ノービスでの目標を尋ねたところ、強気なコメントが聞かれた。

「2アクセル+3ループの確率が上がってきたので、全日本ノービスまでには曲に入れられるようにしたいです。ノーミスで100点を目指します」

柴山歩(ノービスA女子)


柴山歩選手、近畿ブロックでの演技


近畿ブロックでも才能ある選手が多数登場した。優勝したのは柴山歩選手。試合直前に怪我をし、出場が危ぶまれたそうだが、5種類6トリプルの構成を見事にこなして優勝した。

「先週の金曜日に、同じチームの子(近畿のノービスBで優勝した村上遥奈選手)とぶつかって、前からこけました。ブロックに出られるか心配でした」

口元の怪我が痛々しかったが、その影響を全く感じさせない演技だった。

「全日本ノービスで4位以内に入って、全日本ジュニアに出たいです。ルッツとアクセルが得意です。将来的にはトリプルアクセルを跳びたいんですが、今はまだ3回転、前向きに降りてくる練習をしています。3ルッツ+3トウを降りられるようになってきているので、全日本ノービスで入れられたら、と思っています」

柴山選手は、2歳の頃、浅田真央氏の全日本での演技を観て、フィギュアスケートに憧れたという。特に好きだったのがレイバックスピン。ジャンプではなかったところが面白い。柴山選手のレイバックスピンは、スピン中に手のポジションを変えてアピールするところがあり、見どころとなっている。

大門桜子(ノービスA女子)


大門桜子選手、近畿ブロックでの演技


決して高難度とはいえないジャンプ構成だったが、そうと感じさせない見事な表現力で会場を魅了したのが大門桜子選手。

「全日本ノービスでは完璧に跳びたいです。100点を目指したいです。表彰台に乗って、できれば1位を取りたいです」

と、強気な目標を語ってくれた。そのためには構成の難度を上げる必要があり、この日は回避した3ルッツを入れること、そしてセカンドとトリプルのコンビネーションを完成させることが重要だ。

「練習では2アクセル+3トウと3トウ+3トウに力を入れています。まだ回転不足のことがありますけど、間に合ったら全日本ノービスで入れたいです」

そして大門選手の一番の魅力はつなぎの部分の踊り、表現力だ。

「表現は、教えてもらったものもありますけど、自分でもうちょっとこうしよう、と考えた部分もあります」

とのコメント通り、実際に自身で細部まで作り込んだ印象を受けることができる。

「目標にしているのは宮原知子選手です。とても努力をしているところを見習いたいです」

とのことだが、表現力に関しては幼少時の鈴木明子氏を彷彿とさせるものがある。この全日本ノービスを機に、全国のファンに知られることになるだろう。

本田紗来(ノービスA女子)


本田紗来選手、近畿ブロックでの演技


昨年の全日本ノービス、僅差で2位となった時には、翌年の優勝は堅いと思われた本田紗来選手。ところが今季の彼女は不調に苦しんでいる。

「今の自分の精一杯の演技ではなかったんですが、まとめられたことは良かったと思います」

と述べた近畿ブロックでは、ミスはあったものの何とか3位に入賞した。練習を見ていると、ルッツなどの高難度のジャンプも決められているのだが、確率が低く、それが試合に表れてしまっている印象だ。アメリカに拠点を移す大きな決断をした直後であり、まだ技術が安定していないことも影響しているのだろう。

「今の自分は前の自分と違うので、ちゃんと元の自分に戻して、そこから進化したいです。今がスタート地点と思って、いい自分のゴールを目指してコツコツ頑張っていきます」

中井亜美(ノービスA女子)


中井亜美選手、MGC杯での演技


東北・北海道ブロックは取材できなかったのだが、ここで優勝したのが中井亜美選手だ。昨シーズンの全日本ノービスBクラスで優勝した選手で、ノービスAの1年目となる今季、意欲的な構成で臨む。優勝争いをするにはまだ完成度が低い印象だが、十分に上位争いをする実力がある選手だ。

森本涼雅(ノービスA男子)


森本涼雅選手、近畿ブロックでの演技


ノービスA男子で断トツの優勝候補が森本涼雅選手だ。近畿ブロックでは噂にたがわぬ素晴らしい演技を披露してくれた。

「最近の試合ではミスが多かったんですけど、今回はノーミスができたので嬉しいです。量を跳んで練習をするっていうことを心掛けてきました」

今季の成長の陰には、アメリカでの合宿の成果があったようだ。

「コロラドでの合宿をして、大分手応えが出てきました」

今季のプログラム、曲の構成が独特なものとなっている。貴公子然としたコスチュームなのだが、途中で曲調が大きく変わるのだ。

「前半はバレエ、後半はヒップホップをテーマにしています。最初は難しかったし、慣れなかったところはあります。今は大分踊れてきたかな、と感じています。今回は点数が低かったんですけど、全日本ノービスでは100点台を目指したいです」

練習中のトリプルアクセルは、まだ高さが足りないと感じているようだが、近い将来、試合で成功させてくれることだろう。

島田麻央(ノービスB女子)


島田麻央選手、東京ブロックでの演技


今季、飛躍的な急成長を遂げた島田麻央選手。昨シーズンもトウループ、サルコウと2種類のトリプルジャンプを跳べていたのだが、2019年の1月に明治神宮外苑の岡島チームに移籍。そのわずか3か月後、4月にはルッツ、フリップまで跳べるようになったそうだ。

「神宮の練習では、スピードが凄い人がいるので、それを見習ってやっています。尊敬するスケーターは、浅田真央さんと樋口新葉選手です」

今回の全日本ノービス、島田選手は練習通りの成果が発揮できれば、圧勝する可能性が高い。

「全日本ノービスは、ノーミスで優勝できるように頑張りたいです。90点以上出したいです。もっとスピードを出して、ジャンプのランディングを綺麗にしたいです」

東京ブロックでは2アクセル+3トウのセカンドジャンプでミスがあったのだが、それでもスコアは88.12。ここを改善するだけで90点は楽に超えてくるだろう。

中田璃士(ノービスB男子)


中田璃士選手、東京ブロックでの演技


ノービスB男子の優勝候補が中田璃士(りお)選手だ。コーチ、そして父親は人気スケーターだった中田誠人氏。ほんの少し前まで現役選手だったように感じられるが、その息子が全日本ノービスで優勝候補になるまでに成長した。東京ブロックでは朝の練習でも、直前練習でもサルコウジャンプを跳ばず、今日は挑戦しないのかと思いきや、試合本番でいきなり3サルコウに挑み、失敗していた。本人はサルコウに自信を持っていて、練習しなくても跳べると考えていたそう。この反省をいかし全日本ノービスで良い結果を残してほしい。

中村康一(Image Works)

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