基本をマスターして小粋に一献!はじめての蕎麦呑みガイド

九州ウォーカー

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「なんかハードルが高そう」「年配の人向け」といった先入観で、蕎麦呑み未体験の方必見!カジュアル系と粋シブ本格派の蕎麦店店主が、デビュー前に押さえておきたい蕎麦呑みの心得を伝授。

教えて先生 「コチソバ」店主 高田華世さん


「好きなおつまみとお酒を楽しんで、最後に蕎麦で締めるのが蕎麦呑みの基本。ハードルは決して高くありません。蕎麦の食べ方も自分がおいしいと思う食べ方でいいんです。紹介した薬味の使い方やツユのつけ方などは、あくまでも参考程度に考えてもらえるとうれしいですね。とはいえ、蕎麦店の主人としてはぜひとも蕎麦と日本酒の絶妙なマッチングを味わってほしいというのが本音。未体験の方、まずは一度お試しください」

「コチソバ」店主 高田華世さん


「コチソバ」福岡市・今泉


カジュアルに蕎麦呑みが楽しめる店の先駆けでもある人気店。十割蕎麦は、秋田の契約農家から鮮度を保った状態で仕入れた蕎麦粉を使う。料理の品ぞろえは幅広く、ギョウザや唐揚げまで並ぶ。おすすめの日本酒を女優に例えて紹介するなどアプローチもユニーク。

博多明太とろろ(930円・税込)。「コチソバ」で人気の冷たい蕎麦メニュー


福岡市中央区今泉の「コチソバ」


薬味


「薬味は蕎麦の味を引き立てると共に、食欲増進や消化を助けるなど薬効もあります。使う使わないは自由ですが、最初からツユに全部入れるのはNG。ワサビもネギも味の変化を楽しむ時に少しずつ使うのがおすすめです」

十割・二八


「十割は100%蕎麦粉だけ、二八は蕎麦粉8割につなぎの小麦粉や山イモを2割加えたもの。一般的に十割は蕎麦の香りが強く、二八は喉越しがいいといわれます。ちなみにウチは十割ですが喉越しもいいですよ(笑)」

つなぎを使わない十割は生地がまとまりにくく、練る作業も難しい / コチソバ


啜る


「蕎麦はズズッと豪快に音を立て、途中で噛み切らずに一気に啜るのが粋な食べ方。これにはちゃんと理由があります。強く啜ることで口の中に蕎麦とツユの香りが広がり、より風味を楽しむことができるんです」

恥ずかしがらずにズズッと / コチソバ


蕎麦ツユ


「ツユが辛い関東では蕎麦をツユにドボンとつけるのは野暮。でも、九州は醤油が甘いし、ウチでは自慢のツユも味わってほしいので多めにつけて大丈夫です。ワサビはツユに溶かさず蕎麦につけて食べた方がおいしいですよ」

つけ方は自由でOK / コチソバ


[コチソバ]福岡市中央区今泉1-12-23 西鉄今泉ビル1F / 092-716-3177 / 11:00~23:00(LO22:00) / 不定休 / 35席 / 分煙 / 駐車場なし

教えて先生 「蕎喰 いまとみ」店主 今冨愼介さん


「江戸時代から蕎麦店はいい酒を置いていると評判で、そこに集まった江戸っ子たちによって蕎麦と一緒に酒を呑むスタイルが定着していきました。蕎麦呑みができる店は、そんな日本ならではの歴史と文化を今に伝える特別な場所。そして、何より昼から堂々とお酒が呑めるのが醍醐味です。カフェやバルでも昼酒はできますが、江戸っ子にならった昼酒が呑めるのは蕎麦店だけ。初心者の方も〝粋”な時間が楽しめますよ」

「蕎喰 いまとみ」店主 今冨愼介さん


「蕎喰 いまとみ」福岡市・高砂


だし巻玉子や鴨焼き、天ぷらなど、蕎麦店定番の一品料理をそろえる。旬の食材を使った料理が並ぶ蕎麦懐石(4000円・税込)や、蕎麦に地鶏御飯などが付く昼膳(1080円・税込)も人気だ。非常に希少な、宮崎県椎葉村産焼畑の十割蕎麦(2000円・税込)も味わえる。

木や土など自然の色を基調とした落ち着きのある店内。6人用の個室もある


福岡市中央区高砂の「蕎喰 いまとみ」


蕎麦前


「蕎麦店で食べる一品料理を蕎麦前といいますが、実は料理のことだけを指す言葉ではありません。本当の意味は、読んで字のごとく蕎麦を食べる前の行為のこと。だから蕎麦の前に呑む一杯のお酒も蕎麦前ということになります」

だし巻玉子(900円・税込)、鴨焼き(1400円・税込)、手刈り天日干しのそばがき(1000円・税込) / 蕎喰 いまとみ


温蕎麦・冷蕎麦


「温かい蕎麦は熱で麺の表面が溶け出し、かけダシの味が変化していきます。冷たい蕎麦は、蕎麦だけ、ツユだけ、両方合わせて、薬味を加えてと、いくつもの味が楽しめます。同じ蕎麦でも温・冷で味が異なるのがおもしろいところです」

かけそば(880円・税込)。ダシだけを味わってから蕎麦を食べよう / 蕎喰 いまとみ


【写真を見る】せいろ(880円・税込)。甘味が強い熊本県水上村産の蕎麦を使用する / 蕎喰 いまとみ


蕎麦湯


「蕎麦湯は蕎麦を茹でた湯のこと。冷たい蕎麦を食べたあとに、ツユで割って飲みます。茹で湯には疲労回復やダイエット効果があるビタミンB1、B2などが溶け出していて、飲めば蕎麦の優れた栄養を逃さず補給できますよ」

おすすめは 「蕎麦湯7:ツユ3」 / 蕎喰 いまとみ


呑む


「蕎麦前のお酒は、日本酒じゃなきゃダメということはありません。頼んだ料理に合わせて、飲みたいものを好きなように飲んでいいんです。ただ、蕎麦と一緒にという場合は、大吟醸など香りの強いものは避けた方がいいですね」

「いまとみ」では、ベルギービールやシャンパン、日本酒など、店の料理に合う銘柄を厳選している / 蕎喰 いまとみ


[蕎喰 いまとみ]福岡市中央区高砂1-22-9 / 092-526-4504 / 11:30~13:15(LO)、18:00~19:45(最終入店)、日曜祝日の夜はコース予約のみ / 不定休 / 33席 / 禁煙 / 駐車場なし

九州ウォーカー編集部

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