ファン待望シリーズ最新作『牙狼〈GARO〉-月虹ノ旅人-』主演の中山麻聖と雨宮慶太監督がシリーズの強みを答えた!
関西ウォーカー
人を襲う魔獣・ホラーと魔戒騎士との戦いを描く『牙狼〈GARO〉』。その独特な世界観から2005年の放送開始よりファンの支持も根強く、そんなシリーズ最新作映画『牙狼〈GARO〉-月虹ノ旅人-』が10月4日(金)より公開している。本作の主人公・冴島雷牙役の中山麻聖とシリーズの生みの親である雨宮慶太監督にお話を伺った。


『牙狼〈GARO〉-月虹ノ旅人-』はテレビシリーズ『牙狼〈GARO〉-魔戒ノ花-』の続編を映画化。第1作目の主人公・冴島鋼牙の息子である冴島雷牙を主役に据え、親から子へと受け継がれる黄金騎士の責任、失踪した鋼牙への葛藤、テレビシリーズから続く仲間の絆が描かれる。
テレビシリーズ『牙狼〈GARO〉-魔戒ノ花-』

2014年放送のテレビシリーズ『牙狼〈GARO〉-魔戒ノ花-』にあたりオーディションで主役に起用された中山麻聖。雨宮監督は「普通の好青年に見えるんだけど、どこか闇を抱えているというか、明るさのなかに複雑なものがあるんだろうなという印象でした。でもその影のようなものが雷牙というキャラクターにはとてもリンクしていると確信していました」と評価する。それを聞いて中山は「監督には『何か見透かされているんだな』っていう気持ちがありますね」と照れた様子。「お芝居一つ見られただけで人間性まで見られているのをすごく感じました」と監督としての観察眼に緊張したようだ。

そして、ドラマシリーズ放送を中山は「新しい牙狼として受け入れられているか不安がありましたたね」と振り返る。しかし、そんな中山を雨宮監督は「一番信頼できる俳優」と感じるに至ったという。「麻聖の場合は『冴島鋼牙』『道外流牙』というシリーズがあって、そこからの『冴島雷牙』。やっぱりファンの方からは他の人と違うと言われるんです。『鋼牙だったらこうだった。流牙だったらこうだった』とかそれを受け止めてキャラを作っているんで耐性が強いんですよ」と新シリーズを立ち上げる際の難しさを話す。しかし、そこは俳優だけでなく雨宮監督としても同じ心境だったと振り返り「前の作品と比較されるから、その辺りは麻聖とシンパを感じて『やっぱり今までの牙狼よりいいものにしよう』っていう気持ちは一緒でしたね。そこで笑顔が爽やかだったりだとかいままでにないキャラクターとか、闇じゃないんだけど黄金騎士の家系に生まれたことに納得してるんだけど、本人が消化していないところは必ずあるんで、そこが出てきたりとかやっぱり違いますよ」と話す。
テレビシリーズから映画『牙狼〈GARO〉-月虹ノ旅人-』へ

そして冴島雷牙シリーズ5年ぶりとなる『牙狼〈GARO〉-月虹ノ旅人-』が公開。5年という月日を中山は「この間に20代から30代に突入して周りから見られる視線を少しずつ実感していました。20代だから許されていたところがある意味で許されない年齢なので、後がないというプレッシャーは感じていました。そういう意味では自分の中の追い込みっていうのがさらに拍車がかかったんじゃないかなと思います」と話す。
そんなプレッシャーのなか自身を見つめる存在になったのだと言う共演者。『魔戒ノ花』から引き続き雷牙を支えるキャラクターで共演のマユリ役の石橋菜津美とクロウ役の水石亜飛夢についても中山は「一緒に歩んでいちばん近いところから見ていたので、お互い成長しているのかなとは話していました。特に亜飛夢くんは男の子だったと感じていたのが良い意味で男らしくなっていたりしたのに驚きました。年下なんですけど頼りにもできる存在になっていたので、共演者としてともに歩んでいた人間がここまで成長していたので自分も頑張らなきゃな」と役者としてエンジンをかけさせてくれる存在なのだという。
また本作では、ファンが待ち望んだ小西遼生、渡辺裕之、京本政樹がついに牙狼ワールドへの帰還することでも話題に。中山はなかでも京本政樹とは父親の三田村邦彦が『必殺シリーズ』で仲が良かったことに触れ「父親が『みーちゃん』だから『まーちゃん』でいいよね?」と初共演ながら気さくに会話してくれたことに驚いたのだという。「本来なら初めましての壁があるはずなのに、それを感じることなく話をしてくれて、さらに『必殺シリーズ』当時のことなど教えてもらい父の新たな一面を知ることができました」と振り返る。
本作では雷牙の心の旅とも言えるシーンが登場し、雨宮監督の独特な世界観が炸裂。「今回は死者の国に行くというお話を作ろうと思いました。僕だけかもしれないですけど、日本人の宗教観では死者の国とは明確な線引きがあるのではなく、なんとなく段々と境界線がファジーになるようなものだと思うんです。終点に死者の国があるのではなく、向かっているうちにそうなっていくものだと」と話し今回のテーマを語る。中山も「僕も読んだ時に『月虹ノ旅人』というタイトルから連想していたのですが、そんな単純なことではなく、見れば見るほど意味っていうのが読めば読むほど深いところまで到達するので、映画を見てくれた方にも最初は気付けない方もいらっしゃるかと思うんですけど、この旅ってこういう旅なんだとか、この旅人ってこの人のことか、こっちにもかかっているかもしれないっていろんな視点からの作品になっているな」と何回観ても違う視点で鑑賞できるのだと言う。
『牙狼〈GARO〉』シリーズの強み

雨宮監督は7月25日(木)全国5都市6会場で行われた特別先行上映会に触れて「その時は何も宣伝しないで行ったんです」と思い返す。普通の作品では絶対にしないような試みだと言い「他の特撮だともう商品としてのフォーマットが実は決まっていて無理が利かないんですよ。僕らのしている『牙狼〈GARO〉』はオリジナルコンテンツとして活動してるので携わっている人間の意見が反映されやすいんです」とそれが『牙狼〈GARO〉』の強みなのだと言う。「その時はとにかく予備知識なしで観て欲しい」という思いから出演者やストーリーについては明言せず「人生で一度しか体験できない」と言うことしか明かしておらず、上映後にはファンの間に驚きの声が多数寄せられたと話す。
雨宮監督はその体験した記憶を大切にしてほしいのだと語り「最近のメジャーな映画の予告はネタバレや内容を伝えすぎていて、鑑賞する楽しみを奪ってしまうのでは?」と投げかける。「それに対しての答えとしてさきの先行上映になりました。みんなよく許してるなって思ってしまって。だって一番の楽しみを奪うわけじゃないですか。本来ならお客さんも怒らなきゃならないところなのに見てしまっているから、映画っていう文化が育たない」と持論を語る。続けて「僕らのシリーズはビルが倒壊したり橋が崩れたりってものすごいことしてないでしょ。でもファンの方がついて来てくれる。実は教えないというだけでこれだけ楽しむことができることを証明してるんです。ドラマでも同じで次回予告で美味しいところは一切見せない。タイトルしか言ってないとかです。それでも作り手が足並みをそろえていれば感動って届けることができる。僕らがメジャーなものに勝てるのは5年10年しても感動がずっと心にあるということなんです」という作品にかける熱い想いを語った。
桜井賢太郎
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