常連になりたい!福岡コーヒーカタログ<平尾エリア編>
九州ウォーカー
コクと深みを追求した豆売り専門店「日々ノ珈琲」
高宮通りから一本裏通りに入った場所に店を構え、今年で11年目。オープン時から豆売り専門を一貫する昔ながらの自家焙煎店だ。
オーナーの酒井一博さんは、香料メーカーでコーヒーフレーバーの開発に携わっていた経歴をもち、焙煎に対しての考え方もロジカルで、求める味も明確。直火式の焙煎機を導入しているのも「直火式は料理でいうところのグリルやステーキに近い。豆への火の通り方が外側と内側で微妙にですが変化があり、グラデーション状に焼くことができるんです。これが味わいに奥行を与えます」と、こだわりを語る。

さらに、「コーヒーの味わいで大切にしているのは口当たりのよさ(マウスフィール)とあと味のよさ(アフターテイスト)です。焙煎の仕方によって、それらはよりよくできますが…やはり限界がある」と酒井さん。そこで生豆の質を上げることにし、東京・世田谷の名店「堀口珈琲」が中心となったグループで買い付けるスペシャルティコーヒーにたどり着いた。福岡市内で扱っているのはここだけで、一般に流通しない高品質の豆を購入できるのが強み。

酒井さんは「価格で選んでほしくない」と、豆の価格も100g575円、640円の2プライスのみに設定。中深煎り以上の豆が中心なので、コクと深みを求めるコーヒー好きにおすすめしたい。

[日々ノ(ひびの)珈琲]福岡県福岡市中央区平尾2-17-6 山荘第2アパート1F / 092-404-3270 / 11:00〜19:00、日曜・祝日〜18:00 / 月曜、第1・3日曜休み
“エアロプレスの母”が淹れる新しいコーヒー「MANLY COFFEE」
有志を集めて勉強会を開くなど、福岡のコーヒーシーンを盛り上げ、支えてきたロースター兼バリスタの須永紀子さんが営むロースターカフェ。16年前、勤めていたスターバックスのコーヒー大会で日本1位になり、コーヒーアンバサダーに就任し、より深くコーヒーの世界にはまっていった須永さん。

世界各地でいろいろなコーヒーを味わい、探求を続けた須永さんが、最高の抽出方法と感じたのがエアロプレスだ。12年から「ジャパンエアロプレスチャンピオンシップ」を主催するなど、日本においてエアロプレスを広めた第一人者で、自身が店で焼く豆もエアロプレスで抽出した時に最大限のポテンシャルを発揮する浅煎り〜中浅煎りに仕上げている。

エアロプレスで丁寧に抽出したコーヒーは、なめらかな質感と華やかなフレーバーが広がるのが特徴で、さらに須永さんが焙煎して淹れたコーヒーは雑味がないため酸がきれい、かつ余韻に感じられる甘味が強い。原料もエチオピア、ブルンジなど個性的な生豆を選び、ブレンドはせずに、豆本来の味わいを生かすようにしている。その味わいはコーヒーというより、“お茶”に近い印象。苦くて濃いコーヒーに苦手意識がある人は、ぜひ同店のコーヒーを味わってみてほしい。そのフルーティな味わいに、コーヒーの概念をきっと覆されるはずだ。

[MANLY COFFEE(マンリー コーヒー)]福岡県福岡市中央区平尾2-14-21 / 092-522-6638 / 10:00〜15:00、土曜8:00〜17:00 / 日曜・月曜・火曜・祝日休み、不定休
さらなる高みを目指す自家焙煎のパイオニア「ROASTER'S COFFEE 焙煎屋 平尾店」
警固本店は昨年で30周年。豆売りに特化した店の福岡における先駆けで、小売りに加え、飲食店や物販店への卸も多いというから地域密着で歩んできたのがわかる。
平尾店を切り盛りするのは2代目の平山謙吉さん。トレードマークのオーバーオールとキャップ姿で、生豆と焙煎機に日々向き合っている。その姿勢は初代と同じく、とにかく真摯だ。豆の素材を生かしつつ、ここにしかないオリジナリティある味わいを作ることを常に意識。

謙吉さんは「焙煎度は幅広く、素材のどの部分をどう出したいかをイメージして、それを表現するためのアプローチを試行錯誤する毎日です。豆を仕入れる時は、自分が惚れ込んだイチオシだけでなく、長年のお客様に親しんでいただいている路線も不可欠なので、当店としてのぶれない物差しを大切にしていますね」と話す。
その言葉どおり、ブレンドだけでも常時7種類、シングルオリジンは15〜20種類と、豆のラインナップは実に多彩。こんなに焼き分けるのは大変でしょう?との問いに「大変ですけど、いろいろ焼いてみたいんですよね」と謙吉さんは笑う。

種類豊富かつ手ごろ、そして好みに合った豆を提案してくれる対面販売。この3点を柱に据えるだけでも日常的に通いたくなる。昨年から契約農家に会いに生産国を訪れるなど、2代目として新境地を切り拓く謙吉さん。ますます魅力的になっていく同店に注目したい。

[ROASTER'S COFFEE 焙煎屋 平尾店]福岡県福岡市中央区平尾3-1-6 小河ビル1F / 092-534-1061 / 10:00〜19:00 / 月曜休み
淹れる人の心、経験が味わいに表れる「Étoile coffee」
JBCでのジャッジ経験もある山口美奈子バリスタが営む。開業当時は修業した「ハニー珈琲」出身者らしく、フルーティな酸味、華やかなフレーバーといった豆の個性を前面に押し出すスタイルだったが、丸4年経ち、子育てに奮闘中の現在は、全体的に味わいに丸みがあり、まとまりに秀でたコーヒーになった印象。

「18年1月から自家焙煎にチェンジしました。本当に小さな焙煎機ですし、手探りの挑戦ですが、自分が今、求めている味を抽出以外でも表現できるのはすごく楽しいです」と山口さん。そして、焙煎を始めたからにはこだわるのが生豆。「生産から抽出までの質を高める活動をしている北欧のチーム『ノルディック・アプローチ』、希少な『ナインティ プラス』、長野県の『丸山珈琲』など、世界的に評価が高い生豆も仕入れています。今まで扱ったことのない豆に触れてみたくて」と続ける。

同店は、洗練された雰囲気も魅力。テーブルにさりげなく飾られる季節の花、長時間の電話禁止など、居心地のよさに重きを置き、コーヒーはもちろん空間や流れる時間を重視する人たちから愛されてきた。さらに、最近はママ世代も増えてきたという。山口さんの内面からにじみ出る優しさがコーヒーの味わいに表現されているからかもしれない。

[Étoile(エトワール) coffee]福岡県福岡市中央区平尾2-2-22 / 092-531-5922 / 水曜・木曜・金曜11:00〜17:00、火曜18:00~22:00、土曜8:00~11:00、12:00~18:00 / 月曜・日曜・祝日休み、火曜の昼休み
九州ウォーカー編集部
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