常連になりたい!福岡コーヒーカタログ<東区編>
九州ウォーカー
お茶のように毎日飲めるコーヒーを目指して「BASKING COFFEE」
「ハニー珈琲」で約2年働き、その後独立。オーナーの榎原圭太さんは、バリスタ兼ロースターとしてコーヒーと向き合う。同店のコーヒーはすっきりとしたきれいな酸が心地よい甘さで消えていく、浅煎り〜中浅煎りの豆がほとんど。
榎原さんは「お茶のように違和感なく飲める味わいが自分の理想のコーヒー。そんな味を目指していると、自然と浅め主体になりました」と話す。独立前に単身、中南米のコーヒー農園を見て回った際、コーヒーが果実であることを再確認できたというエピソードもコーヒーの味わいに大きく影響している。

一方で店には、雰囲気やスタイルを含め、コーヒー文化が根付いた北欧らしさを落とし込んだそう。洗練された街並みが広がる千早によく似合う同店は集合住宅の1階という立地だが、天井が高く、開放的。日常的に利用してほしいと、「本日のコーヒー」は300円(税込)、「カフェラテ」は400円(税込)とドリンクはどれも手ごろな価格に設定。

フレンチプレス、エアロプレスなど3種類から抽出方法が選べる「コーヒー」(450円・税込)も用意するほか、抽出のコツを教えるセミナーを月1、2回行うなど、コーヒーの楽しみ方の幅を広げる活動にも、開店以来力を入れている。

[BASKING COFFEE(バスキング コーヒー)]福岡県福岡市東区千早4-10-1 リングローブ中央ホール1F / 092-682-5515 / 10:00〜19:00、金曜・土曜〜22:00 / 木曜休み
名門で良質なコーヒーを気軽に味わう「美松コーヒー本店」
ルーツは1946(昭和21)年開業の喫茶店。4年後には福岡では草分けとなる自家焙煎を始めた。そんな“名門”の3代目として生まれた雲田将央(くもたまさふみ)さんは、20代のころコーヒーのメッカ・神戸に本社を置く、日本有数のコーヒー商社で修業。大量かつ膨大な数の豆に携わり、焙煎とカッピングの技術を磨いた。

現在、本店は香椎駅の目の前に移転。その隣の焙煎工場には、スイス製の焙煎機「ビューラー」の20㎏釜が鎮座する。その魅力を「キャラメルのような風味とフルーティさがクロスする味がねらえるんです」と語る。

豆の仕入れは商社時代の繋がりで、ロット(生豆の量の単位)ごとにサンプルを送ってもらい、それをカッピングして気に入ったものだけを仕入れる。農園指定で買わない理由は「同じ農園でも標高や日当たり、さらには収穫時期による完熟度の違いで味わいも全く変わります。そうした違いはロットで見分けが可能です。また豆の精選方法にしても、その年の豆の出来によって最適な方法が変わるので、届いた生豆で判断するのが一番だと思います」と言う。
店頭ではカフェラテに15種類のフレーバーシロップを無料でトッピングできるなど、コーヒーを気軽に楽しめるサービスも充実。「コーヒー好きじゃなくてもふらりと立ち寄ってほしいですね」。

[美松(みまつ)コーヒー本店]福岡県福岡市東区香椎駅前1-14-19 / 092-410-2393 / 日曜~木曜10:00~24:00、金曜・土曜~翌3:00 / 不定休
屋台のような一体感を味わえる小バコ「BANX RIVER」
香椎川沿いにあった「ミマツ スペシャルティコーヒー ロースター」の店舗を受け継ぎ、17年にオープン。カウンターに立つのは、前店でも6年間店長を務めていた小林謙吾さんだ。

「バンクスリバー」が人をひきつける理由の一つが、コバコ感から生まれる人と人との繋がり。ほかの客との距離感が近く、知らない者同士でも自然と会話が生まれ、すぐに打ち解けられる。時には屋台のようなグルーヴ感が生まれることも。それには小林さんの人を構えさせない少年のような人柄が影響しているに違いないが、客はコーヒー以外にも魅力を感じ、通いたくなるのだろう。

店では「コーヒーカウンティ」の豆を使用するが、中深煎り以上はほぼ焼かない同店に頼みコロンビアやブラジルのダークローストなど、ここだけの豆も用意。「地域のお客さんに好まれる親しみやすさはありつつも、コーヒーの個性やおもしろさを感じてほしくて」と小林さん。
シンプルなコーヒーと焼きドーナツのコンビも捨てがたいが、おすすめはアイスクリームをたっぷり使う「エスプレッソバナナシェイク」(650円・税込)。バナナのコクと粘りのあるアイス、エスプレッソのほろ苦さが三位一体となり、やみつきになること請け合いだ。

BANX RIVER(バンクス リバー)]福岡県福岡市東区香椎駅前2-2-6 / 092-688-4700 / 15:00〜22:00、日曜・祝日12:00〜19:00 / 火曜休み、不定休
約50種類の豆をラインナップする東区の老舗「香椎参道 Nanの木」
1988(昭和63)年に1号店の「珈琲豆屋」を東区若宮に開業し、「Nanの木」を02年にオープン。福岡市内において豆売りを柱とする自家焙煎店の先駆けとなった老舗ロースタリーで、現在4店舗を東区に展開する。
同店には、遠方からも多くの客が訪れるが、一番の理由は、取り扱うスペシャルティコーヒーの種類がブレンド、シングルオリジン合わせて約50種類と豊富なこと。加えてコーヒーの鮮度にこだわり、焙煎後3〜5日程度の豆が店頭に並ぶように、手間を惜しまず少量ずつ毎日焙煎を行う。さらに、ブレンドは大半が100g400円台、シングルオリジンも100g500円台がほとんどと、手ごろな価格も魅力。

店にはカフェを併設。コーヒーは1杯400円〜用意し、何杯でもお代わりできる。コーヒー豆専門店として妥協はせず、注文ごとに1杯ずつペーパードリップを徹底。自家製のパンを使う「ホットサンド」、「ピザトースト」(単品各370円)、「サンドイッチセット」(570円〜)などフードメニューも充実している。
楠の並木が美しい香椎参道沿い、緑に囲まれたロケーションもいい。コーヒー以外に全国各地から無添加や無着色、有機栽培などをキーワードにセレクトした食料品も販売している。


[香椎参道 Nanの木(なんのき)]福岡県福岡市東区香椎1-3-31 / 092-201-2201 / 10:00〜19:00(LO18:30) / 不定休
優しさが染みるコーヒーとお菓子「momo coffee」
「モモコーヒー」は住宅街の中にある自家焙煎コーヒーと焼き菓子を販売する小さな店だ。店に入るとこぢんまりとした喫茶スペースの奥に、緑色の焙煎機・マイスターが見える。
これは、東京の名店「カフェ・バッハ」で修業した証ともいえるもの。店主の本江昭宏さんは、バッハの自家焙煎セミナーに通い、焙煎やカフェについて勉強し、開業時にも、修業時代に扱っていたマイスターを愛機に選んだ。

焙煎のメソッドはもちろん、約83℃とやや低めの温度でじっくり豆の味を抽出する方法や、抽出される液体が見えるようにしたガラス製のついたてもバッハ譲り。ただ、ブレンドはなく、ストレートだけに絞ったラインナップが新鮮に映る。
「私の中でブレンドはずっと変わらない“その店の味”という印象。今は、いろいろな味の豆を試したい時なのでストレートの豆だけを提供しています。だから産地ごとの特徴を生かしつつ、ストレート単体で満足してもらえるような、バランスがよく飲みやすいコーヒーを心がけています」と本江さん。コーヒーの相棒に頼みたいのは奥様が作る植物性の素材を使ったお菓子。バター不使用で甜菜糖などを使った優しい味のスイーツは、穏やかな味のコーヒーともぴったり合う。


[momo(モモ) coffee]福岡県福岡市東区香住ヶ丘2-26-25 / 092-662-2355 / 11:00〜18:00 / 月曜休み、第1・3火曜休み
九州ウォーカー編集部
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