常連になりたい!福岡コーヒーカタログ<久留米・うきは編>

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東京で習得した名店の味を久留米で広める「Café Glück」


久留米では唯一、カフェ・バッハグループに属し、“名門”の流れを汲む一店。店主は久留米で生まれ育ち、東京で35年サラリーマンとして働いた彌永勝希(やながかつき)さん。前職時代から「カフェ・バッハ」の焙煎、経営セミナーに通い、故郷に帰ったのを機に同店を開いた。

Café Glück / 「カフェ・バッハ」の田口 護氏が大和鉄工所に依頼し、完成した焙煎機、マイスター。熱効率を上げ、一年を通してブレが少ない焙煎を可能に


「今年で6年目になります。焙煎機はバッハ監修のマイスター、生豆の仕入れも同じくバッハにお願いしています」と彌永さんは話す。ドリッパーも三洋産業のリブが高めの磁器製の扇形と、バッハと同じものを使用する。彌永さんは「まずは、修業先の味わいの再現を目指していて。その際に、違う器具を使ったことでうまく再現できない、といった原因を作りたくない。性格的なものなのか、理系出身だからなのか」と笑う。

Café Glück / 「グリュック・ブレンド」(450円・税込)


徹底したポリシーがあるだけに、コーヒーの味わい、雰囲気共に「カフェ・バッハ」を彷彿とさせる。「つい毎日飲みたくなるようなコーヒーを目指しています」という言葉どおり、苦味、酸味、余韻の甘味にまとまりがあり、飲んだあともスッキリ。ハウスブレンドの「グリュック・ブレンド」は450円(税込)。

彌永さんは「開店から5年経ち、故郷のために何かできることがないか、それを探していきたい」と目標を語る。東京の名店の味を久留米に伝えた彌永さん。町の自家焙煎コーヒー店のマスターとしての暮らしは始まったばかりだ。

Café Glück / BGMにジャズが流れ、落ち着いた雰囲気


[Café Glück(カフェ グリュック)]福岡県久留米市日吉町18-48 / 0942-27-7011 / 11:00〜19:00、日曜・祝日〜18:00 / 水曜休み 

女性ロースターが焼く日常に最適な一杯「Tomomo Coffee」


久留米郊外の長閑な田園地帯。「トモモ コーヒー」は辺鄙な立地ながらもコーヒーファンには密かに知られた店だ。オーナーは業界では数少ない女性ロースター・深町朋子さん。コーヒーへの思いが募り、東京の名店「堀口珈琲」「カフェ・バッハ」のセミナーなどに通い、07年に開業した。

Tomomo Coffee / 抽出のブレが出ないように1杯の注文でも約2杯分の量を淹れ、味を安定させている


豆は堀口珈琲が主催する生豆共同購入グループの豆を使用する。高品質な豆ながらも深町さんはスペシャルティをほとんど主張しない。「お客さまにとってはその豆がスペシャルティかどうかより、実際においしいかが重要。だからお客さんの好みに合うような焙煎を心がけています」と深町さん。華やかなフレーバーよりも味わいを重視し、生豆の精製方法もきれいな飲み口になるウォッシュドをベースに仕入れる。

Tomomo Coffee / ブレンドを含め個人店としては多い、18種類の豆を用意する


また、同じ豆を中深煎りと深煎りなど、2種類の焙煎度合いで提供するのも特徴。ストレートは9種類中8種類で深煎りを用意する。「私は豆のよさを引き出す焙煎度合いは1つではないと思います。酸がしっかり出る豆を選んでいるので、中深煎り以上で焼いてもバランスのとれた味になるんです」。

こだわりが詰まったコーヒーだが、豆売りは500円(税込)からとリーズナブル。喫茶のどの銘柄も450円(税込)で統一され、お代わりは230円(税込)とすこぶる良心的だ。深町さんの一押しは「ケニア」(450円・税込)。テラス席で飲むのもおすすめだ。

Tomomo Coffee / 深町さんの一押しの「ケニア」(450円・税込)。テラス席で飲むのもおすすめ


[Tomomo Coffee(トモモ コーヒー)]福岡県久留米市北野町中659-3 / 0942-78-3787 / 10:00〜20:00、土曜・日曜・祝日〜18:00 / 水曜休み 

耳納連山の麓で美しいコーヒーに出合う「Zelkova Coffee」


食や雑貨など手仕事が集まる「ぶどうのたね」内にオープンしたのは14年。無駄を排した茶室のようなカウンター、九州で一台しかない焙煎機と、27歳の若者が開いた店としては少々背伸びを感じる一面もあった。

Zelkova Coffee / 喫茶室の壁は日本有数の左官職人・原田進氏に依頼


店主の田中隆宣(たなかたかのぶ)さんは、毎年SCAJのローストマスターズチャレンジの九州チームに参加。技術の引き出しを増やし、そしてブラジルやコロンビアの農園に足を運んでは、生産者の思いを液体に反映させてきた。「僕が尊敬する福岡の『吉冨寿し(よしとみずし)』の吉冨さんもあの凛とした店を構えたのは20代だったそうです。この店も10年、20年が経って店の品格と自分の成長が釣り合うようになるのが目標なんです」と語る。

【写真を見る】Zelkova Coffee / 希少な豆なども登場する「お楽しみゲストコーヒー」(写真右・600円)と、「自家製カスタードプリン」(写真左・300円)


同店のコーヒーを飲んで感じるのがカップの透明感。フジローヤルのフラッグシップともいえる焙煎機は、ドラムの回転数も排気も自由にコントロールでき、「焼きたい味があればそのとおりに焼ける」頼れる存在。豆の個性を味わってほしいと用意するのはシングルオリジンのみ。時にはエチオピアを“1ハゼ”程度の超浅煎りで焼き、紅茶のようなすっきりとした液体として出す。

その透明感をいっそう引き立てるのが岡山の陶芸家・大浦裕記氏に特注した口の薄いカップだ。料理が器と密接に関わるように、コーヒーもまた器によっておいしさが変わることを実感してほしい。

Zelkova Coffee / 店の前に生えるゼルコバ(ケヤキ)から命名


[Zelkova Coffee(ゼルコバ コーヒー)]福岡県うきは市浮羽町流川336-1 ぶどうのたね内 / 0943-77-7123 / 10:00〜18:00 / 金曜休み 

一から作るからこそ見える世界がある「蛭子町珈琲店」


吉井町の白壁の町並みに溶け込む自家焙煎のコーヒー店。店主の岩元亮五さんは関東の複数の喫茶で働いた後、福岡に帰郷。開業前は、こだわりの豚を育てる「リバーワイルド」で喫茶を担当し、淹れていたのが「珈琲美美」の豆。

蛭子町珈琲店 / 店名はこの辺りの昔の小字(こあざ)名からとった


「普通は香りがよいと味が弱かったりするのですが、『美美』はそのどちらも爆発的においしくて。その記憶は今でも味作りの指標の一つですね」と岩元さん。自家焙煎をするつもりはなかったが、「リバーワイルド」のオーナーに「焙煎をしろ」と言われ続け、しぶしぶ挑戦。「ただすぐに、コーヒーを提供するうえで一から焙煎することが大事と気付いて。今では、あの時の助言に感謝してますね」

蛭子町珈琲店 / 井上製作所の1.5kg窯(奥)と4kg窯を使い分ける


当初は手廻し焙煎機を使っていたが、壁にぶつかった際に回転数を変えたら思いのほかうまく焼けた。その経験から「井上製作所」の1.5㎏窯を購入。「小型ながら窯のドラムの回転数や排気の強さが調整できる優れものなんですが、焙煎経験の浅い自分には要素があまりにも多すぎて。最初は本当に悩みましたよ」。

蛭子町珈琲店 / 「町ブレンド」(400円・税込)


「町ブレンド」は400円(税込)。ブラジルの香ばしさとコロンビアのコク、エチオピアのアフターテイストをブレンド。岩元さんが理想とするコーヒーは、ネルならではの丸みやボディ感はありながら、雑味のない一杯。使うネルも通常より袋を浅くし、豆と湯の接触を少なくしてサラッと抽出し、すっきりとした味わいに仕上げる。

[蛭子町(えびすまち)珈琲店]福岡県うきは市吉井町1116 / 0943-76-9821 / 10:00〜19:00 / 火曜休み 

九州ウォーカー編集部

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