自粛ムードの中、今年は“控えめ”なお花見が主流に

東京ウォーカー

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4月6日に気象庁が東京の桜の満開宣言を発表し、絶好のお花見日和となりそうな今週末。ところが、自粛ムードの漂う今年は花見客の減少が顕著で、その楽しみ方にもちょっとした変化があるようだ。

1100本の桜の木が咲き誇る「上野恩賜公園」(東京・上野)では、3月19日から予定されていた「うえの桜まつり」が中止に。花見客に対しても宴会の自粛を呼びかけている。「設置を予定していた仮設トイレが被災地で使用されるために用意できなかったこともあり、今年は宴会の自粛をお願いしています」と話すのは、同事務所の吉原 諭さん。園内各所に看板を立てて自粛を促していることもあって、宴会を行う花見客は大幅に減っているとのこと。「正確な統計ではないですが、昼間の人出は例年の5割ほど。1100個設置したぼんぼりの点灯もないため、夜はさらに少ないようです」と言い、「今年はお散歩をしながら純粋に花見だけを楽しんでいる方が多いように感じます」と話す。

例年は夜遅くまで花見客でにぎわう「井の頭恩賜公園」(東京・武蔵野市)も、今年は宴会自粛を呼びかけている。「節電のために園路灯の照明の明るさを落としており、計画停電によって水洗トイレが使えなくなることも懸念されるので、長時間の宴会の自粛をお願いしています」と、同公園案内所の斉藤 誠さん。桜の開花がずれ込んだ影響もあるが、同園でも例年より入園者が減っている印象があるそうだ。

こうした自粛ムードの中、宴会を行う側にも周囲への心がけが見られた。

上野公園で昼間に宴会をしている人に話を聞くと、まず目立ったのはゴミへの配慮。友人と花見を楽しんでいた30代の女性は、「いつもは園内にゴミを捨てて帰るのですが、今年はゴミ箱が設置されてないと思って」と、ゴミ袋をいつもより多く用意。「自粛ムードが高まっていますが、自己責任でお花見を楽しめばよいのでは」と話す。また、毎年上野公園に花見に来ているという20歳代の女性からは、「今年は使い終わったシートを持ち帰るようにしたいです」という声も聞かれ、個々の花見客がゴミを持ち帰るように心がけている様子が見られた。

一方で、会社の同僚と花見に来た50代の男性は、「被災者の方の思うと心から楽しめない面もありますが、花見を楽しみながら被災地のためにできることを考えました」と言い、秋田や岩手の地酒を持参。「東北地方の食品を食べて、被災地の復興に貢献できれば」と真剣な表情で話していた。

そのほか、「みんながお花見を楽しめる気分ではないと思い、今年は本当に親しい人だけを誘って、小規模の宴会で済ませます」(20歳代・男性)といった声や、「今年は夜桜が楽しめないので、早く始めて早く帰ります」(30歳代女性)といった声もあり、例年より“控えめに楽しむ”、今年の花見の傾向が伺えた。

停滞気味な状況にある今の日本に、晴れやかな気分を運んでくれそうな桜。今年は節度を守って、控えめな花見を楽しんでみては?【東京ウォーカー】

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