神野美伽が笠置シヅ子をパワフルに演じる『SIZUKO! QUEEN OF BOOGIE~ハイヒールとつけまつげ~』ゲネプロレポート
関西ウォーカー
11月23日、大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホールにて音楽劇『SIZUKO! QUEEN OF BOOGIE~ハイヒールとつけまつげ~』が開幕。前日、ゲネプロと囲み取材が行われた。

ブギの女王と呼ばれ、戦前戦後をパワフルに駆け抜けた昭和のディーバ、笠置シヅ子。長いつけまつげ、足元にはハイヒール、カラフルなドレスで歌い踊り、暗い影が落ちた世の中を明るく照らしたシンガーだ。
彼女の歌をほぼ手掛けた服部良一と共に「東京ブギウギ」など、多数の名曲を残していくのだが、その華やかな活躍の裏には、愛する男性、吉本興業創業者を母に持つ吉本穎右(えいすけ)との別れと、その娘を一人で産み育てるという過酷な人生があった。
そんな人間・笠置シヅ子の生き様を演歌歌手・神野美伽がエネルギッシュに演じる今作。ずっと眠っていた楽譜や音源、資料を紐解き、これまで世に出ていなかった楽曲や歌われていなかった歌詞をお披露目するなど、この舞台がなかったら実現しなかった仕掛けもあり、音楽ファンにとっても必見の舞台となっている。
脚本はマキノノゾミ、演出は白井晃、共同演出に豊田めぐみ。出演は、服部良一役に星田英利、マネージャー役に山内圭哉、シヅ子を慕う妹分に鈴木杏樹、穎右役に福本雄樹など、個性的な役者が登場。それぞれの魅力がシヅ子の人生に彩りを添えていく。
また、参加ミュージシャンも少数精鋭の技巧派が集合。音楽監督に小原孝を迎え、自らもピアノを演奏しながら、ドラムのASA-CHANG、ギターのSatoshi Gogoと共に、神野美伽が歌うシヅ子の名曲をほぼこの3人でサポート。ASA-CHANGのコンガの伴奏のみで歌う場面などもあり、歌手・神野美伽の魅力も存分に活かされたシーンが用意されている。
強烈な歌唱力と圧倒的な存在感で人々の心をはげました、笠置シヅ子の人生に魅了される舞台を見に行こう。






■囲み取材は、メインキャストとバンドメンバーが勢ぞろい。今作は関西弁がマスト。関西にゆかりのある役者がそろい、和気あいあいとしたムードで行われた。
――今の心境は?
福本雄樹「楽しんでやれるようにがんばります!」
星田英利「やっていて楽しいものは、見ている人も楽しくなると思うので、これからも楽しみです」
山内圭哉「吉本興業制作で、初めてヒット作が生まれたんじゃないか(笑) 繰り返し上演できる作品がやっとできたんじゃないかと、非常に手ごたえを感じています!」
鈴木杏樹「笠置シヅ子さんのスピリッツを神野さんが受け継いでパフォーマンスしてくださっているので、まるで笠置さんのコンサートにいるような気持ちです。私たちは舞台にあがっているんですが、どちらかというと『客席から観たい!』と思う舞台なんです。皆さんの心がワクワクするひと時をお届けできたらなと思っています」
小原孝「この舞台のために発見されたような、貴重な曲がたくさんありました。音楽的にもやって良かった。多くの人に聞いていただきたいですね」
ASA-CHANG「スウィングやブギウギのリズムをぶちかましていきたいと思います!」
と、それぞれのコメントを聞いた神野美伽は
「星田さんが『楽しんで』と言ってくださってましたけど、私、実は昨日まで全然楽しくなくて」と心境を吐露。キャストから「そうやったの!?」とツッコミがあったものの「大変だからね」といういたわりの声もあがるなか、神野は「さっきまで苦しいなと思ってましたが、今はむっちゃ爽快です!」
と語り、やっとつかめてきた役者としての初舞台に希望を寄せた。
次に、バンドについても「ベースのいない3人体制なのに、たくさんのエネルギーを後ろから送ってもらっている」と感謝。今回初公開となる「大空の弟」という曲は、シヅ子と弟の手紙のやりとりを曲にしたもので、ギリギリになって倉庫から発掘されたもの。音楽監督の小原は「ほとんどメモ書きみたいな楽譜で、読み取れない部分もあったんですが、研究してみると軍歌調だったんです。でも、詩をきちんと伝えなければと思い、最初は詩を語るように、最後に軍歌に戻るというアレンジにしました」と、神野にとっても初となる楽曲の秘話を語った。
また、「一緒に演技してくださっているみなさんもエネルギーがすごいんです。今回のテーマはエネルギー。めいっぱい生きる、体の中から湧き上がってくる、吹き出してくる、そういう思いを明日からお客様と共感できればと思っています」と述べた。
さらに、実際に居た歌手をやることで、悩んだことなどありましたか?という質問に、
神野は「もともと表現者として大好きな方のおひとりでしたので、お話をいただいた時は本当にうれしかったし、悩んだことはないです。ただ、難しいのはさじ加減。神野美伽が歌っているという風に冷められてもいけないし、物まねでは意味がない。それが非常に難しい」と答えた。「ラストの衣装は、笠置さんが着てらしたドレスをプリントからすべて再現。メイクさんも私の眉をどんどん下げて似るように変えてくれて。好きな人の芸はまねるところから始めたいと思っていますが、後はどれくらいのブレンドがいいかなと。でも、これは凄く楽しいこと。好きな人の好きな音楽を、ずっとやれるんですからね。本当にうれしいです」とこの舞台にかける意気込みを晴れやかに語った。
『SIZUKO! QUEEN OF BOOGIE~ハイヒールとつけまつげ~』は、12月1日(日)までCOOL JAPAN PARK OSAKA TTホールにて上演。
田村のりこ
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