「エレクトリック・シティ」の指揮をとるダンサー・TAKAHIROにインタビュー
関西ウォーカー
18歳でダンスを知り、23歳で単身NYへ渡ったTAKAHIRO。アポロシアターのアマチュアナイトコンテストに挑戦した、その2分間のダンスが人生を変えた。1年間勝ち進み、テレビ版の大会で史上初の9週連続優勝でグランドチャンピオンに。翌年には「世界が尊敬する日本人100人」に選出。09年にマドンナのワールドツアーとPVに出演し、一気で有名に。そんな彼がプロのダンス集団THE MOVEMENTの公演「エレクトリック・シティ」公演のキャンペーンに来阪した。
どんな天才だろう?と思っていたら、素顔はとてもマジメで素直な好青年。礼儀正しく言葉遣いも丁寧。写真撮影ではものすごい集中力を見せつけた。ダンスを愛し、コアラのマーチときのこの山も大好きなTAKAHIROを直撃!
-THE MOVEMENTのリーダー?
「いいえ、06年からスタートしたダンスカンパニーで、僕は憧れて入った団員でした。ディレクターは今回コラボレーションするエンジェル・フェリシアーノ。僕は08年のオランダツアーから主演するようになりました。09年はマドンナのツアーで1年間離れましたけどね。昨年は“シックス・ドアーズ”というショーで、僕がNYで伝えるべきと思ったことをやりました。アメリカでは、コンテンポラリーもバレエもヒップホップも、それぞれの人がジャンルに捕らわれず楽しんでやるという、個人を優先したダンスの見方がある。それがアメリカのダンスのおもしろさじゃないか。それが僕がNYに6年間いて感じたことでした」
-それから今回のステージに?
「はい、“シックス・ドアーズ”が好評だったので、じゃあ今回は、僕がただ単にカッコイイと思うことを伝えたい、と思ったんです。それならこのTHE MOVEMENTがカッコイイじゃん!と。で、自分なりのアイデアでオランダツアーをベースにした新しい企画をエンジェルに話し、僕が舵を取るから手伝ってほしいと伝えてタッグを組むことになったんです。それが今回の『エレクトリック・シティ』。だから今回、僕がこの公演の座長です。振付・演出・企画・舞台構成、それら総合の指揮を取ります」
-カッコイイ事をしようと思ったのはなぜ?
「僕が日本でそれを見たことがなかったから。僕が日本で思うカッコイイダンスっていうのがあるんです。ダンスを始めるきっかけになったのもダンスを育んできたのも日本。で、初めてNYに行って、あ、こういうのもあるんだ、と。違った香りで違った味のするカッコよさがあったんです。一人ひとりがすごく個性的で、自分自身を出して、それで集団を作っているという見せ方。僕が初めて感じたシビれだったので、そのシビれ感をそのまま日本に持って行ったら、同じように感じてもらえるんじゃないかと思って。あまり深く考えずに『わぁ、いいな!』と思ったものは他の人にもきっと伝わると信じて、それで日本に持って行こうと思ったんです。日本とNYの常識は違う、そこを感じてほしいです」
-見てほしいところは?
「まずはダンスですね。僕のソロというよりは、THE MOVEMENTを見てほしい。僕はその中の一つのパーツです。アメリカでもなかなか揃えられないメンバーを、今回揃えることができました。オーディションもして、スカウトもして、僕がいい!と思う人を、日本でやりたいからってクドいたんです」
-みなさん日本を知ってますか?
「もちろん! 大阪の街のことも知っています。大阪はけっこうダンスが盛んで、腕利きの人がいるんですよ。東京都はまた違った、どちらかというとNYに近いタイプの人がいます。エネルギーがあって個人のすごい才能があって。だから大阪は彼らが良く知っている街です」
-元宝塚の湖月(こづき)わたるさんも参加されますね?
「唯一の日本人で、日本とアメリカをつなぐ懸け橋という役割が彼女。彼女にとってヒップホップは新しい試みですが、独特の自分自身の見せ方があります。僕たちは同じようにやらせるのではなく、それぞれの魅力がどう引き立つか考えながらやっているんです。元宝塚の彼女のセンスや演技とヒップホップ、新しい驚きが見られると思いますよ」
-では、TAKAHIROさんの一番いいところは?
「僕は、枠に捕らわれてないところが一番僕らしいと思います。ヒップホップという形に縛られず、そこにNYがあればいい。僕のダンスは非常に特徴的で、僕にしかできないダンスだと思うので、「お~!これがTAKAHIROのダンスか」というものを持って帰ってもらえると思います」
-夢を叶えましたね。次の夢は?
「そう、第一に持っていた夢が叶ってしまったんです。世界一の大会で踊る、バックダンサーをやってみたい、グループでツアーしたい、ラスベガスで踊りたい、舞台を作りたい、本を出したい。全部やることができました。ダンスを通した次の夢は・・・僕はプロデュースをしたいです。自分の経験や賭けてきた時間を短縮して、次の新しい世代の人に渡す。僕が10年かかることを、3年で『お~!日本すごいぜ!』って世界で言われるような人たちをプロデュースしたい。あとは個人のダンス欲ですね。自分の想像したものがより具現化できるようになりたい。やりたいことに身体がついて行けるようにさらに磨き上げて、自分自身のソロの作品をどんどん創っていきたいです。今回の舞台は、いつも一人でやっていることじゃなくて、メンバーで自分の世界観を実現できるってことは、作り手としてすごく興奮することなんです」
-初めて観る人へメッセージは?
「絶対おもしろい試みの公演です。ダンスを観に行くって、構えないで来てください。僕も昔、舞台を見る時に『舞台を見るぞ』って、すごく高尚なものを観に行く気分で行ったこともあるんですが、これは遊びに来る感じで」
【取材・文=ドルフィンコミュニケーション】
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