好きな香りを言葉にAI変換する「KAORIUM」を体験してみた
東京ウォーカー(全国版)
香りをAIやUX(ユーザー・エクスペリエンス)を通し言葉として表現する「KAORIUM」(カオリウム)が誕生。早速「自分の好きな香りを言葉で言い表す」という体験をしてみた。


香りは成長産業だが、表現する言葉がない
開発したのは、今年11月に設立されたSCENTMATIC(セントマティック)。もともと携帯電話会社でインターネットサービス等の企画・開発をしていた栗栖俊治さんが、香りの持つ可能性に着目。

「絵画に言葉をのせると漫画に、音楽に言葉をのせると歌となり、より情感がストレートに伝えられるように、香りに言葉をのせたら新しい情感が伝えられるのではないか」と考え、この取り組みに至ったという。

「2020年に香りに関する市場は世界規模で5兆円、2025年には6兆円にまで拡大すると言われていて、企業からの注目度は相当高い。その反面、消費者の立場からすると、香りは好きか嫌いかという言葉でしか判断できず、商品を購入しようにも、書かれている表現がよくわからないという問題があります。その状態で高額なフレグランスを買うことは相当ハードルが高い」と栗栖社長は発表会で現状の課題を指摘。そこで「自分の好きな香りをAIとUXを通して言葉として表現する」機械であるKAORIUMの開発に至ったのだそうだ。

KAORIUMは、大型のタッチパネルディスプレイと匂いを染み込ませた試験紙が入った15個の小瓶で構成。最初に4つの匂いを嗅ぎ、その中から好きな香りと、画面にはそのイメージから連想される言葉が表示され、その中から自分にとって最も適した言葉を選択。



すると、その言葉から連想される次の小瓶が提示され、そこからまた好きな香りと思い描いたイメージを選ぶことを計3回繰り返すのみ。連想されるワードは、その香りに関してインターネットでよく例えられる言葉から選ばれており、AIにより取捨選択されているという。所要時間は人によってさまざまだが、体験した筆者の場合は約5分で終わった。


こうして出てきた筆者の好きな香りは「甘い春の空気」。この言葉もAIによって作られた言葉で、開発した栗栖さんによると「実際どれくらいのワードが出てくるか、自分たちでも正確に把握できないほど膨大にある」そうだ。



当日、発表会の司会を担当したフリーアナウンサーの馬場典子さんもKAORIUMを体験。好きな香りは「頬に触れる満開の八重桜」と出た馬場さんは「八重桜、というのがまたいいですね。最初は爽やかな香りを選んでいたのですが、フレッシュでありながらリラックスする香りを好んでいたのですね」と、自分の意識していない深層心理を香りで表現されたことに驚いていた。

KAORIUMに使われているシステムは、すでに企業からの注目を集め、具体的な問い合わせを受けているとのこと。来春には言葉で香りを表現したチョコレートの発売などが予定されているという。その説明を聞いた馬場さんからは「私はワインが好きなので、香りで選べるようになるのはうれしいですね。そのほか日本酒もいいかもしれません、あと結婚相談所などのマッチングに用いて、同じ嗅感覚の人を紹介してもらえるというのも面白いですね。匂いって大事な要素ですから」と、かつて「お嫁さんにしたいアナウンサー」の1位でありながら、いまだ独身である彼女らしい発言が飛び出した。
残念ながらこのシステムを一般利用する計画は今のところないようだが、今後体験イベントの可能性もありそう。そのときはぜひ試してみてはいかがだろうか。
栗原祥光
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