映画、初ヒロインの岡崎紗絵「正直に言うと、最初は不安もありました」
東京ウォーカー(全国版)
2020年1月17日に公開される映画『mellow』(主演:田中圭 / 監督:今泉力哉)で、初のヒロインを演じた岡崎紗絵さん。日常をやさしく描いた作風のなかで、ヒロイン役を通して感じたこと、また作品について、岡崎紗絵さんにお話を聞かせていただきました。
今泉力哉監督の『愛がなんだ』が大好きな映画
――初ヒロイン、おめでとうございます。
【岡崎紗絵】ありがとうございます! 正直に言うと、最初は不安もあったのですが、「何かあったら、すぐに話し合おう」とおっしゃってくださった今泉力哉監督と、座長を務められた田中圭さんのお人柄に助けていただいて、素直に頑張ろうと思うことができました。
――現場での田中圭さんは、どのような方でしたか。
【岡崎紗絵】テレビで拝見するそのままで、明るくてお話しやすい方でした。会話をする時に、私のフィールドに合わせてお話いただき、やさしい方だと思いました。
現場も、引っ張るというよりは、やさしくリードしてくださるような、じわっとみんなが動きやすいような雰囲気をつくってくださいました。初ヒロインでも緊張しなかったのは、田中圭さんがいてくださったおかげです。
――今回の映画に、出演が決まった時の気持ちを教えてください。
【岡崎紗絵】以前から、今泉力哉監督の『愛がなんだ』(2019年4月公開)が大好きな映画だったので、お話を聞いた時はすごくうれしかったです。出演が決まってから、それ以外の監督の作品も見て、ますます好きになりました。
いただいた台本は最初から最後まであたたかくて、やさしい気持ちになれる映画だと思いました。ストーリー上“大きな波”があるお話ではないのですが、日常を切り取った感じというのか。それだけに、監督からは「話し方がセリフっぽくならないように、日常で普通にしゃべっている感じがいい」という演出を受けました。
――あこがれの今泉力哉監督から受けた演出はいかがでしたか?
【岡崎紗絵】日常をお芝居に取り込む… という体験自体が私にとっては初めてのことだったので、役を考えずにフラットにセリフを言うってどういうことなんだろうって少し混乱しました。それで、普段の友達との会話を録音して後から聞いてみたりしました。自分の声とか、しゃべり方とか「あぁ私って、こんな風にしゃべってるんだ」と、発見がありました。
監督は、些細なことに気が付かれる細やなお人柄で、たとえば映画のなかで、主人公の夏目さん(田中圭さん)がカップルの喧嘩を聞いて涙を流すシーンがあるのですが、そこで私がティッシュを差し出す際に、その置き場所の指示までしてくださり、とても勉強になりました。
夏目さんから近すぎても、遠すぎても違っていて、やさしさを表現する距離感というのか。普段の私は、そんなこと全然考えたことなかったな… と反省しつつ(笑)。ポンと置いてしまいそうなところを、涙を流す人に寄り添う感じにティッシュを置く、その細やかさがとても勉強になりました。
ゆっくりと流れる日常のおもしろさを描いた、こういった作品をおもしろいと思えた自分がうれしかったです。今泉力哉監督の作品にふれて、価値観が変わりました。
木帆は、やさしくて強さも持ち合わせた芯がしっかりとある女性
――演じられた木帆は、どのようなキャラクターだと感じましたか。
【岡崎紗絵】やさしいのですが、強さも持ち合わせている、芯がしっかりとある女性だと思いました。夏目さんや同級生の友達からズバッと意見を言われても、それを受け入れながらも、しっかりと自分の考えは伝えられる。そんな女性なので、かっこいいなと、私があこがれるタイプです。
――序盤では、何かをあきらめてしまっているというか、ふと寂しそうな表情をされるのも印象的でした。
【岡崎紗絵】木帆には“建築を勉強したい”という夢があって、そのために本当は留学をしたいと思っていたのですが、お父さんが早くに亡くなって、自分の気持ちに蓋をして形見のお店(ラーメン店)を継いでがんばっている… という設定なので、年齢よりも落ち着いた印象はあったかもしれません。監督とは、暗くなりすぎず、かといって明るくもなりすぎないように演じようと話し合いました。
――ほかの登場人物たちについても教えてください。
【岡崎紗絵】私は、主人公の夏目さんとのシーンがいちばん多いのですが、映画としては夏目さんを中心に、たくさんの人がつながっている物語で、私のラーメン店に来てくださるお客さんが、実は私の知らないところで夏目さんの知り合いだったりします。
途中、私が美容院に髪を切りに行くのですが、そこは私の心情の変化を表す大切なシーンで、その美容師さんが父の昔からの知り合いで、その娘さんが実は夏目さんに恋心を抱いている女子高生だったり… とか。いろんな人と人との繋がり方が、おもしろい映画だと思います。
夏目さんの、自分にはないところに惹かれていった
――そんななかで、木帆と夏目さんとの距離は少しずつ縮まっていきます。木帆は、夏目さんのどんな部分に惹かれていったと思われますか。
【岡崎紗絵】本当にやさしくて、私に対しても、私じゃない人にも、何かあったら「大丈夫?」と気付いて、寄り添って、支えてくれる人です。木帆もやさしい女性ですが、そこまでの寄り添い方は自分にはないところだと感じていたはずなので、そんな自分にないところに惹かれていったのかなと思います。
――髪を切って、留学することを決めて、夏目さんに自分の気持ちを伝えて… 終盤に向けて木帆の心情は、どのように変わっていったと思われますか。
【岡崎紗絵】ずっと心の中では夏目さんのことを想っていても、最初は気持ちを伝えるつもりはなかったと思います。でも、大学の友達と会話をするシーンのなかで、わりと強めにダメ出しというか、意見をされる場面があって、その瞬間では気持ちの変化までは起きなかったと思うのですが、作品を通してみると、あの瞬間から木帆の気持ちに灯がともったのかもしれません。
友達から意見される前に、夏目さんからも、まったく同じフレーズの言葉を言われていたのも象徴的なシーンですよね。あそこから少しずつ、想いを抱いたまま先に進むのは違うのかもしれない… と思い始めたように感じます。
――ラストシーンも印象的でした。
【岡崎紗絵】空を飛んでいく飛行機を、木帆が見上げるシーンですね。手紙で気持ちを伝えた後に、夏目さんが会いに来てくれたことがうれしくて、でも上手く会話ができなくて。留学に思いを馳せているということもあると思いますが、まぁ照れ隠しですよね(笑)。ふたり目が合って、どちらからともなく話したいけど何を話していいかわからなくて、それで「あ、飛行機… 」って(笑)。でも、それがリアルでかわいいと思いました。
湯切りが自然に見えるように練習しました!
――ラーメン屋さんを演じた印象は、いかがでしたか。
【岡崎紗絵】撮影前に、監督を含めて皆さんでお店に伺って、いろいろとお話を伺いながらラーメンを食べさせていただきました。とても美味しかったです!
私も、店主の方に色々と手解きを受けながら自分でラーメンを作ってみたのですが、麺の硬さとかは本当に絶妙で、少しでも違うと一杯のラーメンとしては全然バランスが違ってくるんですよね。
麺を、スッと寸胴からザルに移したり、湯切りをしたり、本当に難しいんです。麺がまとまってくれないというか。そういう手さばきが難しくて、家でもザルを買って練習しました。
――プライベートでも、ラーメンを食べる機会が増えたでしょうか。
【岡崎紗絵】はい。特に、撮影中はたくさん食べました(笑)。私、もともとラーメンが大好きなので、たくさん食べられてうれしかったです!
――作品中のラーメンは、濃厚な醤油ラーメンのように見えました。岡崎さんが好きなラーメンも、やはり醤油ラーメンでしょうか。
【岡崎紗絵】えっと…、好きなのは塩ラーメンです(笑)。
『mellow』
1月17日(金)全国公開
配給:関西テレビ放送、ポニーキャニオン
©2020 「mellow」製作委員会
■監督・脚本:今泉力哉
■出演:田中圭、岡崎紗絵、志田紗良、松木エレナ、白鳥玉季、山下健二郎(三代目J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE ※友情出演)、SUMIRE、ともさかりえ / 小市慢太郎
撮影=槇野翔太 取材・文=千葉由知(ribelo visualworks)
ウォーカープラス/野木原晃一
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