元横浜の那須野 巧さんが今だから明かす、契約金騒動の舞台裏
東京ウォーカー(全国版)
チャンネル登録51万人を超える野球ファン御用達のYoutubeチャンネル「トクサンTV withライパチボーイ」でおなじみのアニキとトクサンが、元プロ野球選手の経営するお店を訪問して本人に直撃インタビュー!現役時代に話せなかったアノ話や、自慢のおすすめメニューを徹底的にしゃぶり尽くす!
ディープな野球談義と、“野球目線”でのユニークな食レポは、ほかでは聞けない!

第3回は、東京・大山の「ひだまり」のオーナー、那須野 巧(元横浜-千葉ロッテ)さんが登場。自慢のメニューをアニキとトクサンが初体験!<前編、後編にわけてお届け!今回は後編>
左打者よりも、右打者のほうが得意だった

アニキ「現役時代に、脅威を感じた打者というと誰ですかね?」
那須野「巨人戦に登板する機会が多かったけど、あの打線は脅威でしたね。高橋由伸、二岡、イ・スンヨプ、阿部、小笠原と続く。もう全員4番みたいな…」
トクサン「確かに、すごいメンバー。でも左が多いから、那須野さんだったんでしょ?」
那須野「あ、僕は左にはまるで弱くて、7割くらい打たれてました(笑)。一流打者は左右関係なく打つし、しっかり壁をつくって体が開かないから、むしろ左投手のほうが打ちやすいって言いますよ。外に逃げるスライダーもなかったから…」
トクサン「まっすぐ、カーブ、チェンジアップだと、基本は縦の変化ですもんね」
アニキ「むしろ、右打者のほうが打ち取りやすかった?」
那須野「右打者には、内角の直球で体を起こし、外にチェンジアップを落とせばよかった。左相手だと内角のサインも出ないし…。とにかく、巨人戦はきつかった。先発しても、テレビ中継が始まる頃には、いつもノックアウトされてました(笑)」
トクサン「でも、あんな強烈な打線に立ち向かった経験というのは、僕らからすれば勲章ものですよ」
那須野「…今思い返すと、プロ入りしてもどこかフワフワしてたんです。石井琢朗さんなんて、ゲームに出てくる人だったから。相手打者にしてもすごい人ばかりで、(自分がいる世界じゃないな)って感覚が抜けなかった…。だから、さっき話した考え方というのは、こんなすごい世界に飛び込めたのだから、『自分も肩を並べられるように頑張ろう』っと思えればよかったんです。だけど、それまでに自分がやってきたことが薄っぺらいから、(この人たちにオレが肩を並べちゃいけないだろう)って思っちゃった。僕が最後までプロになりきれなかったのは、そういうことなんです…」
アニキ「…難しいですね。自分の甘さを自覚できる冷静さが、結果的に足かせになってしまったかも…。むしろ、自分を過信するくらいのほうが良かったのかもしれないですね」
那須野「争いを勝ち抜いてエースの座を奪った経験でもあれば、違ったかもしれない。それが自信につながるしね。ただ、東京出身の球児は、僕みたいなタイプが多いと思います」
トクサン「僕も東京なのでわかります。地方出身だと高校で寮生活を経験している選手が多いんです。街と隔離されたような厳しい練習漬けの生活でたくましくなるとか…」
アニキ「地方の強豪だと、養成所みたいな学校も多いですからね。規律も厳しくしてね。まるで軍隊生活みたいな…」
那須野「トレードでロッテに行ったけど、あそこの二軍も軍隊的な厳しさでした。当時の二軍監督が本当に厳しくてね。全員が監督の顔色を伺い、何も言えない雰囲気。好投しても一軍に呼ばれなかったのは、反抗的な態度に見えていたのかも…。『なんでお前が上がれないんだろうな』とか、先輩にも言われましたけど、遠征にも招集されず、クビを覚悟しましたね。遠征に連れて行かれない選手は、ほぼ戦力外になるんで…」
トクサン「う〜ん。実力本位でやればいいのに、プロの世界でも、そうなっちゃうんですねぇ。でも、戦力外通告は悔しかったのでは?」
那須野「いや、ずっと腰を痛めていて、もう投げるのが辛かったんです。だから戦力外もすんなり受け入れられた。トレードに出された時点で、覚悟はできてました。期待を裏切ったから放出されたと思ってたし。結構冷めてたんです。最後まで、熱い気持ちはなかった。打たれてグローブを投げつける投手もいるけど、(打たれた自分が悪いのに、何を怒ってるの?)って思ってましたね。でも、恐らく彼は、熱くなれるほど野球に打ち込んできた過去を背負っているから、そういう気持ちになるんだなって、今なら思えます…」
横浜入団の真相はスカウトへの恩義を貫いたから

アニキ「ところで、2011年に現役を引退して、飲食店経営に至るまでは、どのように?」
那須野「洋服が好きだったので、最初は服飾業も考えたんです。僕は欧州系のブランドものしかサイズが合わなくて…。別にアルマーニとかが着たいわけでもないんだけど、体系的にアメリカの服だと横幅が合わず、そうなってしまって…。世の中には僕のような体型で困っている人もいるはずだと思ったんです。機能的な服をビッグサイズでそろえたらと…。でも、試算したらコストがやたら高く、デニム1本の単価を7〜8万円くらいに設定しないと儲けが出なくて、これじゃ無理だと…」
トクサン「飲食業は考えてなかったんですね…。じゃあ、なぜこの店を?」
那須野「知人から、元料理人を紹介されたんです。その人は月島でもんじゃ屋の店主だったんだけど、事情があって料理から離れていたんです。だから僕が資金を出して彼に料理をやってもらう形で、話が進んだんですよ。だから、もし、彼がイタリアン出身だったら、ここは今頃パスタ屋になっていたでしょう」
アニキ「ほう、人を介して、たまたま飲食店オーナーになったわけですね」
那須野「料理の世界に思い入れがあったわけじゃないんですよね。ただ、その料理人が開店直後に辞めちゃって、その後は結構大変でした。居抜き物件だったけど、設備はゼロから作り直しましたから、開店資金は結構かかりましたよ。まあ、そこは野球での貯えも残ってたから」
トクサン「ああ、それは…まあ契約金とか…」
那須野「…その話で散々叩かれましたけど、当時の協定を破って大金をもらったことは事実です。でも、僕がくれといったわけじゃないし、「金に汚い男」みたいなイメージで見られることはすごく嫌でした…。じつは横浜より高額を提示した球団はいくつもあった。「横浜の倍額出す」という球団もありました。僕がホントに金の亡者であったら、そっちに行ってましたよ。でも、横浜に行ったのは、高校時代に無名だった僕に初めて声を掛けてくれたのが、横浜の松岡功祐さんだったから。初めてプロのスカウトに名刺をもらい、興奮して母親に見せたんです。後に僕の担当となる中塚政幸さんにも、その時に挨拶されました…」
アニキ「その時の高揚感を忘れられなかったと…」
那須野「だから、横浜には思い入れがあったんです。8球団がそれぞれ好条件を提示してくれ、『一生面倒を見る』というチームまでありました。ソフトバンクなどは本当に特別な待遇をしてくれたし、グラっときた話もあったけど、やっぱり横浜を裏切れないと思ったから。中塚さんは、熱心に通い過ぎて日大の監督から門前払いされたこともあったのに、毎日僕を見に来てくれたんです…。『これで僕が入団しなかったら、中塚さんは報われないだろうな』とも思ったし」
トクサン「逆指名が可能だった時代ゆえの、まさに争奪戦が過熱していったんですね…。でも、那須野さんなりに出した結論だったんですね。横浜への思いを貫いて」
那須野「大学側は別の球団に行かせたかったんですけどね。それでも、中塚さんは熱心に通ってくれたし、あそこまでされたら行かないとね。ソフトバンクの担当スカウトも本当に尽くしてくれたので、最後は迷いもありましたけど…」
アニキ「…いや、でも全然お金に汚くないじゃないですか。世話になった人に恩を返したわけだし」
那須野「だから、そういうイメージが今でもついて回るのがね…。まあ、結果的に活躍できなかったから叩かれてるので。でも、横浜ファンの人から、『あのどん底だったチームを逆指名してくれてありがとう。嬉しかったよ』って言われたんです。『活躍できずに申し訳なかったです』と言うと、『来てくれたことが嬉しいんだ』と。だから、今では『野球をやってて良かったな』と、思えるようになりました…」
トクサン「…その言葉で、僕らも救われました。那須野さんに野球を憎んでほしくないですからね」
絶品の「ひだまりスペシャル」を味わう

ここからは、「ひだまり」のおすすめベスト3をクリーンナップ(3番、4番、5番)に例えて紹介!
那須野「今じゃ、草野球も楽しんでるしね。じゃ、そろそろウチのメニューを食べてもらいましょうか。まずは、3番打者の『ひだまりサラダ』(780円)から。ハワイで食べたサラダをイメージしたメニューです」

トクサン「サラダなのに牛肉がたっぷり…。甘いタレの中にピリっと辛さがあって、うまいです!」
アニキ「ハワイアンっぽい感じありますね。サラダと言いながら、おかずにも十分。ビタミンもタンパク質もたっぷりで、食感も抜群です。俊足でヒットも打って、チャンスにはホームランも狙える万能選手ですね。肉の効果で、野菜もバンバン食べられます」
那須野「焼肉のタレをベースに、味噌と唐辛子、ゴマ油などを加えて独自にアレンジしてるんです。じゃ、次は5番打者の『あぐー豚ハンバーグ』(1100円)を。沖縄から仕入れた貴重な豚肉ですが、肉質がとにかくいいので、それを味わってほしいですね」

アニキ「…アグー豚の前に、このコーンがうまい! なにこれ? 甘みがすごいし…」
那須野「あ、アグー豚から出る良質な脂を吸ってるから、コーンにも独特な旨味があるんです」

トクサン「ホントだ。コーンうまい! 相乗効果ってやつですね。さらに、このアグー豚の旨味はさらに強烈。肉にも甘みがあります! いつものハンバーグとはまったくの別物です。味付けがシンプルなだけに凄みが伝わる」
アニキ「う〜ん。肉の弾力がすごくて、食感がたまらんです! 5番打者としては、自身の破壊力に加え、チームメートに好影響を及ぼし、下位打線にもいい流れをつくれる。もう遺伝子で打てるという、天性のスラッガーや。でも、貴重なアグー豚をよく仕入れましたね」
那須野「じつは沖縄に親戚がいるんです。その関係でルートがあるんですよ。壁にアグー豚の証明書を貼ってるでしょ。正真正銘の肉を使ってる店なら、これを貼っているはずですよ」

トクサン「ニセモノじゃないという、証しですね。やっぱり貴重な肉なんですね」
那須野「じゃあ、いよいよ当店の看板メニュー、4番の『ひだまりスペシャル』(1380円)をどうぞ。エビにタコ、ホタテ、イカ、豚肉入りのお好み焼きを卵で包んだ、ボリューム満点の一品です!」

アニキ「…あのね、僕は大阪出身で、お好み焼きがないと生きていけない人間ですよ。これまで、死ぬほど食べまくってきましたけども、これほどまでに一体化しているお好み焼きを食べたことはない! バラエティ豊かな食材が渾然一体となり、その調和がすごい!」
トクサン「いやあ、すべての具材がコーティングされたような仕上がり。エビの香りもたまらない!」

アニキ「最初に、ソースの甘みとマヨネーズの酸味がきて、いきなりエビの強烈な香りが加わり、その後にイカ、タコ、ホタテ、豚、キャベツがドーンと一気にくる! ああ、これと生ビールがあれば、一生野球トークできるな(笑)」
トクサン「どのメニューも最高ですね。ぜひ、これからも頑張ってください。また、食べにきます!」
那須野「ありがとうございます。今度は天晴と野球対決をお願いします!」
アニキ・トクサン「それは楽しみです。ぜひ、お願いします!」

【ひだまり】東武東上線大山駅にあり、鉄板焼き・お好み焼き・もんじゃ焼きを提供する。お好み焼きの「ひだまりスペシャル」をはじめ、アグー豚の鉄板焼きなど独創的なメニューが充実。親しみ安い店として幅広い層に人気を誇る。
■住所:東京都板橋区大山町24-16 大矢ビル 1F 電話:03-3959-1640 営業時間:17:00~翌1:00(LO24:00)、日祝:17:00〜24:00(LO23:00)休み:不定 席数:28席<喫煙可> アクセス:東急東上線大山駅徒歩10分
■トクサンTV withライパチボーイ/チャンネル登録者数51万人、再生回数3億回超を誇る驚異的人気のYouTubeの野球チャンネル。トクサン、ライパチ、アニキの3人が、野球がうまくなる練習法をはじめ、元プロ野球選手との対戦や野球グッズレビュー、自身が所属する草野球チームの試合などを配信。https://www.youtube.com/channel/UCfkM3u-0uSKADDitZLpXcfA
■トクサン(徳田正憲)/1985年東京都出身。帝京高校で甲子園に出場。創価大学では主将を務め、ドラフト候補にもなる。2016年に始めたYouTube「トクサンTV」が大ヒット
■アニキ(平山勝雄)/1978年大阪府出身。神戸大のエースとして活躍。テレビマンとして数多くの番組を手がける傍ら、トクサンTVを立ち上げ。トクサンも所属する草野球チーム「天晴」のエースを務める
渡辺敏樹
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