山田涼介、主演映画で振り返るエンタメ界への想い「僕が生きていけるのはここしかない」
東京ウォーカー(全国版)

Hey! Say! JUMPの山田涼介が、刊行以降「泣けた」「感動した」などの絶賛口コミが殺到した累計50万部を超える織守きょうやの小説『記憶屋』の映画化作品に出演。1月17日(金)より上映される。本作は主人公の吉森遼一が、恋人が記憶喪失になってしまったことをきっかけに、大学の先輩であり弁護士の高原や、幼なじみの真希とともに、人の記憶を消せるという都市伝説「記憶屋」の真実に迫ろうとする物語。主人公・吉森遼一を演じたHey! Say! JUMPの山田涼介に本作の見どころや、自身のアイドル活動、俳優活動へのこだわりを語ってもらった。
模索しながら挑んだ撮影。完成作を見て「素直に感動できた」

物語は、山田演じる大学生の遼一の恋人が遼一の記憶だけを失ってしまうところからスタート。遼一は彼女の記憶を取り戻そうとしていくうちに、人の記憶を消せるという都市伝説的な存在「記憶屋」について知り、その真実を探りながら、人々の中にある忘れたい記憶や、その思いに触れていく。山田は完成作を見るまで不安もあったという。
【山田涼介】正直、小説を読めば読むほど「どうやって映像化されるのか」想像できませんでした。でも、いざ完成したものを見たら、人と人とのつながりが色濃く描かれたヒューマンストーリーになっていて「平川(雄一朗監督)マジックさすがだな」と思いましたね。自分が出ている作品なのに、初めて見たときから客観的に見られて、素直に感動できたくらい。映画としてのクオリティがすごく高いと思うので、期待してほしいです。
キャリアを振り返ると、2006年に初出演したドラマ『探偵学園Q』をはじめ、一筋縄ではいかない複雑な役を演じることも多かった山田。今回は“恋人の記憶から自分の記憶だけが消えてしまう大学生”という非現実的な設定を演じきった。
【山田涼介】“記憶”って具体化が難しいテーマだなと思っていたので、撮影中も「これ伝わるのかな」「わかりにくいんじゃないかな」と不安でした。それに映像化されたときにどうなるかが想像できない部分も多かったので、「この方が伝わるんじゃないですか?」って提案したシーンもありました。例えば、号泣するシーンで台本には一筋の涙って書いていたんですけど、僕はもっと泣いたほうがリアルだと思ったので、そういうシーンは両方のバージョンで2回撮影したりもしました。ただ、監督の描く中でどういう風に立ち回れるかっていうのが“役者”だと思っているので、譲れない部分は主張しながらも、最終的には監督に任せました。その結果、完成作を見て「あ、こっちが使われたのか」というシーンもありましたが、全部通してみると自分の中でも納得できましたね。
キラキラ感を消し、アイドル山田涼介を封印して挑んだ
映画の中で山田が演じた吉森遼一は、広島県出身の普通の大学生という役どころ。素朴で、どこか都会に馴染みきれていない普通の青年という、アイドルとして活躍する山田とはかけはなれた印象を受けた。
【山田涼介】たしかに “普通の大学生の男の子だったら”というのは、自分の中でもかなり意識したので、アイドルとしての“キラキラ感”はできるだけ封印しました。もうね、10年以上アイドルやっていると“キラキラ感”の出し入れができるようになるんですよ(笑)。コンサートでステージに立って、ライティングを浴びたり、衣裳を羽織ったりすると、すぐに出てきちゃいます(笑)。やっぱりコンサートって、すごくスターにさせてくれる場所、“アイドル”がしやすい場所なんです。もちろん経験を積みながら、自分の魅せ方がわかってきたからこそ、できるようになったんでしょうけど。
【山田涼介】でも、逆に“キラキラ感”を消すのは、未だに難しいんですよね。今回も「僕がコンビニでアルバイトしているような普通の大学生だったら」って考えて自分の中にない引き出しを探ったり、スイッチをオフにした“だらけた山田”モードを意識したりしました。でも、やっぱりカメラを向けられると、ちょっとした仕草で“アイドル山田”が出て来ちゃって(笑)。もう10歳からアイドルをしていると“普通の青年・山田涼介”という引き出しがほぼないに等しいですからね。「普通の大学生だったら」を模索しながら、髪の毛とか服装は絶対に普段の自分が着ないような服、あえて都会に染まり切れていない芋臭さがでるように外見も仕草もこだわりました。
アイドル歴15年、初単独主演から10年…大事なのは“今”、「僕が生きてくのは、ここしかない」
2004年テレビ番組内で行われた公開オーディションに合格し、2007年にはHey!Say!JUMPとしてデビュー。2009年には『左目探偵EYE』で連続ドラマ初単独主演を、2015年には初主演を務めた映画『暗殺教室』で第39回日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞した経歴を持つ山田。これまでの15年を振り返ると、少しずつ着実に階段を上り、そして“山田涼介”の立ち位置を守ってきた努力はいかなるものか。本作で恋人のため、奮闘を続ける主人公・遼一と絡め、山田の努力の糧を探った。
【山田涼介】作中で記憶を失った恋人のために奮闘する遼一を演じて、自分だったらきっとここまでは頑張れないんじゃないかなと思いました。僕は、“ここにいる”ことを大事に思っていますから、どちらかと言えば、新しい思い出を増やして、もう1回振り向かせるほうで頑張るかもしれません。
もう15年もこの世界にいるので「僕が生きてくのは、たぶんここしかないな」っていう確信がありますし、“ここ”にいるからには「しんどくてもやるしかない」「生かすも殺すも自分次第だな」って腹をくくっているんです。頑張れる理由は、ファンの方がいるから、僕を求めてくれている人がいるから。それがわかっているから、不思議なことにしんどくても結構やれちゃうんです。
「カッコよくても、ダサくてもいい」自分を見つめ直して“強く”ありたい
本作のテーマの1つでもある“辛い記憶を忘れてはいけないか、それとも忘れなくては生きていけないか”。アイドルの厳しい世界で山田涼介がどのようにつらいことや、壁を乗り越えてきたのか、自身のキャリアと重ねて答えてくれた。
【山田涼介】僕は、辛い記憶こそ忘れてはだめだ、と思いますね。忘れようが忘れまいが、ふとしたときに自分以外の誰かが悪気なく思い出させてしまうと思います。これまでの人生を振り返ると、失敗したことはたくさんありますけど、“忘れてほしい”と思ったことはありませんね。その人の記憶の中で、僕がカッコよかろうと、ダサかろうと仕方がないことだと思って割り切っています。それに、僕は過去の自分が今の自分を構築していると思うんですよ。辛いことがあったときに自分をちゃんと見つめられた人のほうが、人として強くなれるんじゃないかなって思っているので、辛いことや苦しかったこともきちんと覚えていようと思います。
最後に映画『記憶屋 あなたを忘れない』の見どころを次のように語ってくれた。

【山田涼介】“記憶”って人にとって不可欠なテーマですから、世代を問わず楽しめる作品になっているんじゃないかなと思います。それに登場人物も個性豊かなので、見る人によって自分と重なるキャラクターやフォーカスするポイントが違うのも楽しめるポイントかなって。あとは、自分の記憶について考える機会ってなかなかないと思うので、見た後で自分の生きている時間について考えたり、一緒に見た方と何かを語ったりしてほしいですね。そして、皆さんの“記憶”に残る映画になれたら嬉しいです。
於ありさ
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