大阪限定公開の作品も! 光と闇を描く天才画家の人生を辿る「カラヴァッジョ展」が大阪で開催中
関西ウォーカー
イタリアが誇る天才画家、ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョの展覧会「カラヴァッジョ展」が大阪・あべのハルカス美術館で12月26日(木)から開催中だ。

「カラヴァッジョ展」ではカラヴァッジョの作品8点と、彼の作品ではないかと推測される2点の帰属作品、そしてカラヴァッジョに影響を受けた画家達の作品30点の、合計40点が展示されている。あべのハルカス美術館・上席学芸員の浅川真紀氏は「並んだ作品を観て、やはりカラヴァッジョのオーラは本当に素晴らしい。帰属含めて10点の作品があべのハルカス美術館に並んでいるということ自体が本当に奇跡のような、夢のような気持ちです」とコメント。日本初公開の作品を含む貴重な展覧会となっている。

カラヴァッジョは西洋美術史最大の変革者と呼ばれており、その理由のひとつは斬新な光の表現。カラヴァッジョの作品は人物にまるでスポットライトの様に一方向から光を当て、闇の中に浮かび上がらせるように描かれる。そしてもうひとつは写実的な表現。カラヴァッジョは理想や調和を重んじていたそれまでの表現を捨て、命あるものの美も醜も、あらゆるものの側面をリアルに描く。
例えば、カラヴァッジョが描いた「聖母の死」という作品は、聖母マリアの遺体など、あまりにもリアルで注文主の教会からは受け取りを拒否されたという話があるほど。本展覧会では、カラヴァッジョがその大作を手掛ける際、リハーサル的に絵の一部を描いた「悲観に暮れるマグダラのマリア」が大阪限定で公開されている。


今回の展覧会の一番の見どころは、カラヴァッジョの精巧な絵画を観ながら、彼のドラマチックな人生も辿ることができるところだ。カラヴァッジョはその天才的な画力の一方で、くせの強い性格で、気難しい変わり者だったそうだ。絵筆を持っていなければ剣を持っているとさえ言われ、様々な逸話が知られている。

展覧会はそんなカラヴァッジョの人生を追うように3章に分けて構成されている。第1章はカラヴァッジョがローマに進出し、名声を手にした時代の作品達。第2章はその激しい性格ゆえ殺人を犯してしまい、逃亡生活をしながら描かれた作品。そして、38歳という若さでカラヴァッジョがこの世を去った後も、彼の影響を受けた数多くの画家達の作品が飾られた第3章。展示会を観終わったころには彼の作品や人生はもちろん、カラヴァッジョの功績の大きさを実感できる内容になっている。

展覧会では、カラヴァッジョの作品の写実性をより感じてもらうため、様々な工夫も施されている。臨場感のある作品を五感で感じてもらおうと、「花瓶の花、果物および野菜」という作品の香りのするポストカードが作られ、12月と1月の平日の来場者先着100名にプレゼントされるという。また、絵画の中の楽器や花が実際に置かれ、描かれた楽譜の音楽を実際に聴くことができるコーナーも登場。「カラヴァッジョ展」で貴重な作品達を体で体験してみてはいかがだろうか。
■「カラヴァッジョ展」
期間:2019年12月26日(木)~2020年2月16日(日)
会場:あべのハルカス16階 あべのハルカス美術館
開館時間:10時~20時(火~金)、10時~18時(月土日祝)
休館日:12月31日(火)、1月1日(水)、1月14日(火)
料金:一般1600円、大高生1200円、中小生600円
松原明子
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