マイラバ・akko「やっとミュージシャンと言えるようになった」、25年めにステージに立ち続ける理由
東京ウォーカー(全国版)

「Hello, Again 〜昔からある場所〜」などのヒット曲を平成の音楽史に残したMy Little Lover。そのボーカリストとして1995年にデビューしたakkoの冬の恒例ライブ“acoakko”が、2020年1月8日にBillboard LIVE大阪、そして彼女の誕生日当日である1月10日にBillboard LIVE東京で開催される。2020年にはデビュー25周年を迎える“マイラバ”だが、実はライブ活動を始めたのはここ数年。なぜ25周年を目前とした今、彼女はステージに立つのか。デビュー早々にヒット曲を出し続けた当時の葛藤なども語ってくれた。
生“akko”を堪能できる“acoakko” の注目ポイントは、エレクトリックピアノを使った弾き語り

――次回の『“My Little Lover ☆ acoakko party 2020”』はどんなライブになるのでしょうか?
【akko】前回の9月のライブの前にフェンダーローズという古いエレクトリックピアノを買ったのですが、今回もその楽器を使って弾き語りができたらなと思っています。ライブを定期的にやり始めた時、最初は“acoakko(アコアッコ)”というアコースティックなステージとバンド編成を組んだ“bandakko(バンドアッコ)”という2つのステージを開催していたのですが、ライブをすればするほどアコースティックライブが面白くなって、気づけば“acoakko”を中心にやるようになりました。とはいえ、2019年からはバンド編成でライブをしているので、acoakkoという意味合いは少し変わり、アコースティックというよりも“生身のakko”というニュアンスで“acoakko”を使っています。
――そうなんですね!アコースティックライブはどんな点が魅力だったのでしょう?
【akko】アコースティックライブの魅力は、少ない編成でやるので、私の声がより届きやすく響くこと。少人数でライブをやると、それぞれに課される責任が増えるというか、音に隙間ができるからより晒されるというか、そこが面白くて楽しいんですよ。最初は、自分の声の響き方を探求するのが楽しくて、いろいろな実験もしましたね。特に私がよくライブをやらせていただいているビルボードライブの空間は、天井の高さもあるので、なんというか歌っているときの空気の流れが格別なんですよね。あと、ご飯がすごくおいしいので、1ステージ目と2ステージ目の間に出てくる食事を毎回密かに楽しみにしています(笑)
実はライブはほとんどしてこなかったマイラバ、「今はその時間を少しずつ取り戻そうとしているのかも」

――2019年9月のライブの次が2020年1月とのことで、かなりコンスタントにライブをされているんだなと感じたのですが、なぜそんなに頻繁にステージに立たれているのでしょう?
【akko】実はMy Little Loverとしてデビューしてテレビの歌番組で歌うことは当初からしていたのですが、ほとんどライブはしていなかったんです。だから、今はその時間を少しずつ取り戻そうとしているのかもしれません。もちろん当時からファンの方に自分の曲を届けたいと思ってはいたのですが、当時って今ほどアーティストが全員ライブをする時代でもなかったこともあって、TVに出演したり、プライベートでアメリカに住んだり、出産したりしているうちにライブだけが置き去りになってしまって。今でこそライブで弾き語りをしていますけど、人前で初めて、生ピアノでちゃんと弾き語りをしたのは、2019年の1月のビルボードでのライブだったんです。自己満足に陥ってしまってはいけないとあえて自分自身にプレッシャーをかけて、来てくださる方には“楽しい”にプラスして何かを持って帰ってもらえたらと思っています。
――それは意外でした!今、ステージに立ってみて感じるライブの楽しさって何ですか?
【akko】曲を届ける側の私と、曲を聴く側のお客様が時間を共有できることですかね。結局、音楽を作ってるだけだと、各自の作業になってしまうので、オーディエンスが見えてこないんですよ。もちろんコメントとか、メッセージはいただきますけど、一人ひとりが曲を聞いたときの素直な反応をライブで見られるのは新鮮ですね。ライブを開催した当初は「Hello, Again 〜昔からある場所〜」を歌ったときに、泣いてくださる方がいることにびっくりしました。聞きに来てくださる方一人ひとりが、1つの曲に対してそれぞれの思い入れもっていて、そのことを思い返している姿を私が直に感じ取ることができる。ライブという場所は、ミュージシャンにとってもすごく幸せな空間だと思いますし、自分の使命感を再確認できる場所ですね。
デビュー当時を振り返ると「わからないことだらけだった」

――MY LITTLE LOVERのアルバム『evergreen』でダブルミリオンの大ヒット、akkoさんは平成を代表する音楽を世の中に届けたアーティストの一人だと思います。歌手になろうと思ったのはなぜなんですか?
【akko】実は「歌手になりたい」と思って歌手になったわけじゃなかったんですよ。幼少期からクラシックピアノは学んでいて、音楽大学に行ったんですよね。だから、大学4年生の時に「卒業したら、音楽に携わる仕事だけは絶対にしよう」と思っていたんですけど、まさかポップスのボーカリストになるとは全然思いませんでした(笑)。
――そうだったんですね。クラシックを専攻というと、音楽的には“高尚”なイメージがあるのですが、ポップスで歌うことへの抵抗はなかったんでしょうか?
【akko】クラシックだから、ポップスだからみたいな色眼鏡は全くありませんでした。でも、単純に裏声での発声か、地声での発声かみたいなテクニックの部分が全然違うので、わからないことだらけで戸惑ってましたね。そんな私とは裏腹に、デビューしてすぐにヒット曲が生まれてしまい、いきなりTVに出ることになって…今思うとおそろしいですよ(笑)。自分としては、ライブハウスを回って演奏しながら、自分を磨いて、いつかテレビに出るのかな〜と思っていたのに(笑)。まあ、今思うとそれも運命なのかなって思えますけどね。
デビュー25周年、「今は“ミュージシャン”と言える。音楽の喜びを発信し、人を笑顔にしたい」

――2020年はデビュー25周年ですね。25年というとかなり長い月日に感じますが、最初は特にミュージシャンを志望していたわけではなかったakkoさんが、ひとつのことを長く続けられている秘訣ってなんでしょうか。
【akko】「あきらめないこと」ですかね。デビューしてすぐの頃から「歌だけとか、ピアノだけとかではなくて、弾き語りとか自分一人だけで登場しても、喜んでもらえるパフォーマンスができたら初めて、“ミュージシャン”って言えるだろうな」と思っていました。その一方で、私はミュージシャンを目指してデビューしておらず、あるときボーカリストとしてデビューしてしまった。だから、デビュー当初は自分の描くミュージシャン像と、自分をつなげるのに悩んでいたのを覚えています。それでも「いつか自分が描くミュージシャンになれるまでは、絶対に頑張ろう」って思っていたんですね。そう思って、続けてみたら、目指している途中で「もう少しだけこれもしたい」「目指しているものの先まで行きたい」って思うようになっちゃって。続けるって、そういうことの積み重ねな気がします。
――来年25周年を迎えるわけですが、現時点での目標があれば教えてください。
【akko】すごく壮大なことで言ったら、世界平和ですかね。『はなちゃんのわらいのたね』という絵本を以前出しているんですけど、この本で描いたメッセージは、私自身の音楽作品に散りばめていることと同じ。自分の音楽を聴いて、笑顔が連鎖していけばいいなと思っています。もう少し身近なことで言うと、最近はコンスタントにライブをする中で、いろんな方から刺激をもらうことが多いので、この先も、もっともっと吸収して、探求して音楽に携わる自分の喜びを発信していけたらなと思います。
於ありさ
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