映画「ロマンスドール」蒼井 優インタビュー 高橋一生との19年ぶりの共演に大満足

関西ウォーカー

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映像に舞台に、その確かな演技力は誰もが認める蒼井 優。「いつかまた、ご縁があるだろうという予感がずっとありました」というタナダユキ監督と、12年ぶりのタッグが実現した。作品は、タナダの小説を自らが映画化した『ロマンスドール』。

美人で気立てのいい園子(蒼井)に一目ぼれして結婚した哲雄(高橋一生)。強く惹かれ合い、愛し合った先に2人が持った“嘘”と“秘密”とは…。平穏で幸せな日常のなかで、変わりゆく男女の感情を繊細に描き、リアルに映し出す。美しくはかない大人のラブストーリーだ。

映画「ロマンスドール」主演の蒼井 優にインタビュー撮影=川田洋司/スタイリスト=森上摂子(白山事務所)/ヘアメイク=石川智恵


高橋とは、デビュー作「リリイ・シュシュのすべて」以来、19年ぶりとなる共演。ほかの出演者もベテランの芝居巧者たちが集う。蒼井は透明感を持ちつつ、園子として確かにそこにたたずむ。安心して楽しみ、味わうことが出来る映画だ。

作品や役柄のこと、高橋のこと、また映画と舞台のこと、さらには大好きな大阪の粉もんについて、いろいろな話を語ってくれた。

【タナダ作品の好きなところ】

 物語やキャラクターのなかに、絶対にタナダさんのシニカルさみたいなものが含まれているんですよ。私の演じる“園子”は、女性目線で描かれた女性という感じがする。今回、もう一つ複雑だったのが、タナダさんが書いているけれど、この物語の目線は高橋一生さんが演じられた哲雄の目線で書かれていて、さらにそれが回想だと…。

【園子について】

私が園子を好きなのは、すごくいい奥さんで、いい子だけど、きちんとダメな部分があるというか、意外と大胆なところがある。タナダさんらしい人物像だなぁと思いますね。園子役はおもしろかった。体温が、あるようなないような感覚で演じられて楽しかったです。

【園子のような方ですか?】

 いえ、全然違います、あんなステキに生活してないです(笑)。目指してはいますけど(笑)。

【日常生活がとてもリアルな感じで】

でも、じゃあ自分の普段の生活に似てるかって言ったら、ちっとも似てなかったりする。あのタナダさんの絵の中で成立する生活感というのを、みんな大事にしてたんじゃないかなと思います。

【高橋さんとの久しぶりの共演は?】

 一生さんがブレないので、安心感がありました。上手な方とテニスをしているみたいな感じで、打ち返しやすいところに打ってくださるというか。一生さんの空気に包まれている感じの現場でしたね。

【見どころは?】

 私たち夫婦を通して、ご自身の普段を見る。人に対して伝えられていること、伝えられてない言葉とかが見つかっていく感じじゃないかなと思います。映画って、そういうものじゃないですか。私たちを通して見る…スクリーンって鏡みたいだと思うから。

【とても良い座組ですね】

 そうですね。自分はちょっと置いといて、すごく絶妙なキャスティングだなと思います。ピエール(瀧)さんもそうですし、きたろうさんもそうですし、(渡辺)えりさんも最高でしたね。えりさんときたろうさんと一生さんの場面なんて、もう延々見ていたいっていうぐらい、絶妙なトライアングルだなぁと思った。

【作品をごらんになった印象は?】

 あぁ、好きだな、この映画と思いました。悲しいけど、なぜか爽やかにも感じる。園子と哲雄の夫婦の話ですが、園子が持っている秘密、哲雄の抱えてるウソを、お客様にご自身の物語として持って帰ってもらえるんじゃないかなという気がして。タナダさんの、すごく冷静で、かつあったかい目線で描かれた物語だから、これはいろいろな方に観てもらえる、いい映画が出来たと思いました。

【出演作を決める基準】

総合的な判断ですけど…一緒にモノを作りたい人たちと、モノづくりに参加させてもらうという感じですね。あと、いただいた台本を読んで、その本は好きかどうか。基本的にすごく怖がりで、映画も舞台も飛び込むのにすごく勇気がいるので、何か一つ、自分が絶対これは信じられるという部分を見つけられたら、やらせていただく、という感じですかね。

【映画と舞台について】

理想としては映画に入る時と舞台に入る時と、同じテンションだといいなと思っているんです。映画の方がホームという感覚が自分の中ではあるので、そこがうまいバランスになるといいなと。舞台はまだ、「お邪魔します」っていう感覚になってしまう自分がいて、「あ、次舞台、何か月後に舞台の稽古が始まる」って、なんかドキドキする。いい緊張感はいいんですけど、ちょっと委縮しそうになる部分がまだあるので、いつかはそれが無くなるまでになれたらいいなぁと思います。

【関西で好きな食べもの】

たこ焼きです(笑)。私はソースとマヨネーズがかかった、一番オーソドックスなもの好きです。お出汁で食べたり、そのまま食べたりするたこ焼きもありますが、やっぱりソースがかかっていてほしい、マヨネーズも。何もかけないと寂しくなるんですよね(笑)。両親が大阪出身で夏と冬は大阪で過ごしていたので、たこ焼きのソースが記憶と相まっておいしいんです」

あおいゆう●1985年、福岡県生まれ。2001年に「リリイ・シュシュのすべて」のヒロインで映画デビュー後、「フラガール」(06年)、「彼女がその名を知らない鳥たち」(17年)で、映画賞を総なめ。「百万円と苦虫」(08年)では芸術選奨文部科学大臣新人賞を受賞した。舞台も18年、「アンチゴーヌ」「スカイライト」で演劇賞を多数受賞し、活躍中。

 

映画「ロマンスドール」は梅田ブルク7、なんばパークスシネマほかにて公開中(’19 KADOKAWA) ©2019「ロマンスドール」製作委員会


MOVIE「ロマンスドール」

脚本・監督:タナダユキ 原作:タナダユキ「ロマンスドール」(角川文庫刊) 出演:高橋一生、蒼井 優、浜野謙太、三浦透子、大倉孝二、ピエール瀧、渡辺えり、きたろう

高橋晴代・はーこ

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